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忘れ物が多く、内申点もイマイチな娘。志望校を都立一貫校に絞っても大丈夫?|下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室

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2022年10月31日 桜井信一

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『下剋上受験』でおなじみ、桜井信一さんが中学受験を考える親御さんのさまざまな悩みに答えます。今回は小5のお子さまをもつ親御さんからの相談です。

今回の相談

小5女子の母です。都立一貫校の受検を考えています。

都立を志望する理由としては、個別の塾に通う中で、彼女の性格や問題の解き方などを見て「都立が向いているのでは?」とすすめられたのがキッカケでした。

親としては私立・都立のどちらでもいいと考えていましたが、実際に都立校の見学をして、娘も気に入り、今に至ります。

都立の場合、内申点提出が必要となりますが、残念ながら、学校の科目の成績はよくありません。忘れ物が多く、学習の準備もしていないことがあり、生活面でも改善しなくてはいけない点が多いです。

本人に伝えても「はいはい」という空返事で、若干の改善は見られますが、まだまだという感じです。内申点が足を引っ張っている状況の中、都立を第一志望とすることに迷いが出てきました。

本人が行きたい学校に行かせたいとは思いますが、このままですと都立はかなり厳しいでしょうから、私立併願の戦略を立てる必要があると考えています。ただ、理科・社会は今までほとんど勉強しておらず、これからの1年半で間に合うかは微妙なところです。

桜井さん、このまま都立志望で理科・社会を追加で勉強し、私立受験も視野にいれていくことに関してどう思われますか?なにかヒントをいただければと思っております。

相談者:スボミー
お子さまの学年:小5


桜井さんの回答

スボミーさま、こんにちは。

受験(受検)前に結果を予測しやすいのは、圧倒的に私立だと思います。どうなるか予測しにくい学校を第一志望に考える場合、対策が難しくないですか? 受験勉強の途中で迷いや不安が増しませんか?

内申点は明確に点数化されているわけではないですから、予測がさらに難しく、結果が出たときに何が理由か明確ではないですよね。

「頑張った、だけど不合格だった。」

このとき、そこから何かを学ばなくてはもったいない。親としてはそこから大きく強くなってほしい。受かるかどうかわからない受験というものに挑戦させるのは、そのためです。

現時点で都立に不安があり、私立も検討しておられるなら、私立を第一志望にして、都立は「受かればラッキー」くらいで良いのではないでしょうか

 

私立の受験でもやはり、何事もしっかりできる子が合格しています。暗記ものにしても算数の演習にしても、抜けがないかを几帳面に確認する子が有利だからです。

今の時点でできなくても良いのです。忘れ物が多いのであれば、それを改善するきっかけが受験と考えてはどうでしょう。

中学生になれば頻繁に定期テストがあります。やはり几帳面な子が有利ですよね。入学後のためにも、忘れ物の改善は、今から取り組みたい点だと私は感じます。

 

理科と社会が間に合うかどうか。

これは、算数の出来具合によると思います。算数も重い状態であれば、理科・社会に時間を割くことができず、伸ばせないまま受験を迎えるでしょう。その場合は……厳しいことになるかもしれません。

理科・社会は、暗記が多くを占めます。

ひとりで暗記すると、ダラダラやるだけで、かなり効率が悪い。しかし、親が一緒に覚えると、違ってきます。

教えなくても良いのです。一緒に覚えることが重要

また、大人だから知っている雑学をいれることも効果的です。1年で暗記できるかどうかは、そのやり方・取り組み方次第だと思います。

 

それからもう一点、理科社会が苦手な場合の志望校選びについて

これはあまり好きな考え方ではないのですが、4教科同じ配点のところもあれば、傾斜配点といって、理科社会だけ配点が低くなっている学校があります。

例えば、算100・国100・理50・社50の300点満点。これなら、理科社会が苦手でもいいような気がしますよね。

本当はそう甘くなく、理科社会の平均点が高い場合も多いのですが、理科社会苦手さんが多く受けている学校も存在します。赤本で探してみましょう。

 

中学受験は、勉強方法も含めて親の作戦次第です。子どもの力で合格している子ばかりではありません。精一杯応援してあげてください。


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※記事の内容は執筆時点のものです

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桜井信一
この記事の著者
桜井信一 専門家・プロ

オンライン塾「下剋上受験塾」主宰。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。 娘の下剋上のために一念発起して小5の勉強からやり直す。塾には行かず、父娘の二人三脚で偏差値を41から70に上げ、100%不可能とされた最難関中学「桜蔭学園」を目指した。その壮絶な受験記録を綴った『下剋上受験』はベストセラーに。 2017年1月には待望のドラマ化。学習講座「桜井算数教室」「国語読解記述講座」にはのべ2000人の親子が参加し人気を博した。2020年、オンラインの「下剋上受験塾」を立ち上げた。

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