
嫌なことから逃げてばかりの娘。でも「塾は辞めたくない」と言います。入試に間に合うのか不安です……|下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室
今回の相談
現在小6の娘のことで相談です。小3の夏から志望校があり、通塾しています。共働きなので私が勉強を教えることもできず、塾に任せきりです。
偏差値は40~58くらいでしたが、小4の終わりごろから30台に。勉強の内容が難しくなり、宿題がわからない→宿題に時間がかかるばかりで結局出来ない→先生に叱られるから塾を休む……となって、とうとう行かなくなりました。
やむを得ず通塾をWEBに切り替えましたが、一人で勉強できるわけもなく遊んでばかり。なのに「塾は辞めたくない」と。
費用も馬鹿にならいので退塾しましたが、娘は「公立中学は嫌だ! 塾が変われば勉強する!」と言うので、甘いとは思いながらも新たな塾に。
そこでも同じことを繰り返して、現在3回目の転塾です。
現在は偏差値39。クラスはいちばん下。志望校別のクラスにも入れません。
今回の通塾では個別も併用して、「わからない→塾に行きたくない」を無くそうとしましたが、また「先生が怖い」と言い訳して休むようになりました。
それでも「塾は辞めたくない」と言います。
嫌なことから逃げてばかりの娘に、「中学受験は撤退して、高校受験で頑張ろう!」と言っているのですが、「公立中学なら行かない」と。
ちなみに5年生のときは半年以上不登校でした。
偏差値55の志望校に、個別だけで1月の受験に間に合うのか不安ですが、行かないなら塾は辞めさせたいです。
でも、娘のやりたいようにさせるほうが本人的に頑張れるのでしょうか?
どうかアドバイスをお願いいたします。
相談者:行く行く詐欺師の母
お子さまの学年:小6
桜井さんの回答

幼い6年生の母さま、こんにちは。
まず、中学受験は個人競技ではなく団体競技であることを知ってほしいのです。
というわけで、ペンネームを変えさせていただきました。
さて、「小学校に行くこと」と、「中学受験塾に行くこと」。多くの子が出来ているのに、うちの子は出来ない……と思ってしまいますが、少なくとも中学受験塾は強制ではありませんよね。
「娘が行きたいと言うから行かせているんだ」という親の言い分もありますが、勉強が出来ないと、そりゃ塾なんて面白くないですから、行きたくなくなって当然です。
それをどうやって解決させるか。
ご相談の大前提として「私は教えることが出来ない」と書いておられますが、もし娘さんが塾についていけなくなったときは、どうするつもりだったのでしょうか。
親が手をかけず他者に任せるしか方法がないのであれば、個別指導でも解決するのは難しいと思います。
算数が1年間に50単元あるとします。すると、出来ない子は40単元ほどを習いなおす必要があります。これを娘さんのペースで、個別指導で解消するとなると、金銭的にも大きな金額になりますし、残された期間的にも厳しい。あまり現実的な手ではありませんね。
塾を休むけど辞めたくない。親にこう言えるのは、逆に良いことだと思います。口に出せない家庭の方が危険なのです。
というのも、子どもには子ども社会があります。一度「中学受験をする」と宣言してしまった以上、周りの手前ひけなくなる。しかし、受験はどんどん近づいてくる……。
もうそろそろ、はっきりしないといけないのですが、うまく現実とすり合わせることに苦しんでいるのかもしれません。これは助けてあげたい状況です。
まず、あと数カ月で学力を上げる方法から。
イチから習いなおすには時間が足らないので、算数は「計算問題と一行問題」に絞ってやり直す。一行問題とは拙著でいうと『下剋上算数』のような問題です。これを徹底して演習するんです。過去問の練習以外はこれだけでもいいと思います。
次に、「子ども社会」のこと。
不合格の恐怖があるのなら、どこなら合格する可能性が高いのか、塾と三者面談などで相談してみてください。偏差値が低くても特色のある良い学校があります。ぜひ探してみてください。
それでも不合格になったとき、公立中学で不登校にならないために、周りにどんな言い訳をするかも重要ですよね。こういう相談が親子でできるのも、年齢的に最後のチャンスだと思います。
相談から「作戦」へイメージを変えて、仲間になってあげてください。
これまでの記事はこちら『下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室』
『下剋上受験』の著者 桜井信一さんが、中学受験の相談にお答えします。ご相談はこちら!
※記事の内容は執筆時点のものです
とじる
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