学習 算数

「階差数列」を理解すれば穴埋め問題も得意に。親が子供にわかりやすく教える方法とは?

専門家・プロ
2018年4月23日 鈴木恵美子

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並んだ数の法則を探って答えを導き出す【数列】問題は、小学生だけでなく中高生にとっても難しいもの。「どうやって子供に教えたらいいだろう」と、頭を悩ませている親御さんも多いことでしょう。数列に取り組むには、元の数列の差を取った「階差数列」を体得するのが早道です。理解を深めるコツについて「勉強のやり方」を教える塾・プラスティー教育研究所に聞きました。

元の数列の規則性を表す「階差数列」を使って、穴埋め問題をつくってみよう

数列が難しいのは、一定の手順に従って解いていけば答えが出てくる四則演算と違い、推理的な思考が必要とされるため。数字がただ並んでいるようにしか見えず、苦手にしている子供も多いのではないでしょうか。

ここで理解して欲しいのが「階差数列」です。階差数列とは、元になる数列の各項の差からできた、いわば子供の数列のようなもの。元の数列よりも簡単な規則性を持っていることが多いので、それを見つけることで元の数列のしくみを知ることができます。ある意味、図形の補助線のような存在です。

出題し合うことで、主体的に考える力が育つ

数列は基本的に「こうすれば必ずわかる」という道筋がない分野です。出題者が数字に隠した規則性を推理するためには、主体的で複合的な頭の使い方をしなければなりません。その力を育てる方法としておすすめしたいのは、子供が自分自身で「穴埋め問題」をつくってみることです。

上のような感じで、親子や友達同士で「これは解ける?」と問題の出し合いをすると楽しいですね。問題をつくるとなると、子供は黙っていても「面白くしよう」「難しくしよう」といろいろ工夫し始めます。等差数列ではあまり面白くないので「2,4,8,16…」の等比数列にしようとか、2段階にしようなどと考えだします。

このように作問者の気持ちになって学ぶことにより、子供はより深く主体的に数列の問題に取り組めるようになります。これはおすすめなので、ぜひクイズ感覚で挑戦してみてください。

何番目の数はいくつ? という問題には「植木算」の感覚を身につけよう

数列を学んでいるときによくあるのが、「〇番目に入る数字はいくつ?」という問い。実は、数列の規則性をちゃんと理解していながら最後のところで子供が間違えてしまうことが多い問題です。ここは親がしっかりフォローしてあげることが大事です。

数字と数字の間隔は「-1」すること!

子供がよくする勘違いは「10個の数字が並んでいる時、その間隔も10個ある」と思ってしまうこと。数列の問題を解くときは、あらかじめ「植木算」の考え方を理解していないと間違えやすくなります。

●植木算とは…

【問題】道路の端から端まで10mおきに6本の木が植えられています。この道路の長さは何mでしょうか?

※木の本数は6本→木と木の間隔の数は6−1=5つ。

10m×(6−1)=10×5=50m

このように、間隔を数えるときは、ものの数から「−1」しなければならないことをきちんと教えてあげてください。

同じように数字が10個で間が+2の等差数列があった場合、その間隔は10−1=9個です。従って、2+2+2+……で、10番目の数字は18増えることになります。

「数字は〇個、その間隔は〇個なので、いくつ増えるから最後の数は〇になるね」という感じで、子供の頭をほぐすコミュニケーションが大事です。

小学生の算数は遊びの中で

植木算の考え方が分かったら、「数字が10個の時は間が何個?」「1000個だったら?」「1万個だったら?」などと問いかけてあげましょう。「間が10個だったら?」「数字は11個!」という逆バリエーションがあってもいいですね。ときどき「1億個だったら……」とエスカレートしても、子供は大喜びします。算数に取り組むときは、そんな遊びを大切にしてあげてください。

当研究所では役立つ本もつくっていますので、ぜひ参考にしてください。

■「小学校の算数」が1冊でちゃんとわかる本

清水章弘著(株式会社プラスティー教育研究所代表取締役) 1,296円(本体価格1,200円)

「算数が苦手」を克服する考え方のヒントや、ラクに解くためのコツを分かりやすく解説。日常生活にも応用できて、大人も楽しめます。

※記事の内容は執筆時点のものです

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