学習 算数

「数の単位」への苦手意識は、どうやって克服したらいい? 親が教えられることは何?

専門家・プロ
2018年4月23日 鈴木恵美子

算数の応用問題には必ずと言っていいほど出てくるのが長さや面積などの「数の単位」。せっかく計算ができても、ゼロの数をひとつ間違えただけで全然違う答えになってしまいます。単位に強くなるには、丸ごと暗記するしか方法がないのでしょうか? 今回は「数の単位」を克服するコツを、「勉強のやり方」を教える塾・プラスティー教育研究所に聞きました。

正方形と立方体を描いて比べることで、単位の意味を体感しよう

「〇m=何km?」「〇㎥=何㎤?」という単位の換算は、算数の問題に取り組むうえでとても重要なスキルです。理解するためにぜひやって欲しいのが、実際に正方形や立方体を描いて大きさを比較してみること。単位換算をただ暗記するのではなく、その仕組みをイメージとして体感してみることが大事です。

単位換算の問題を図にしてみるとよくわかる

たとえば、さまざまな単位の基本になる長さについて「1cmの100倍=1m」「1mの1000倍=1km」という意味を理解していれば、面積や容積の換算も計算でできるようになります。

まず面積の単位を表す正方形を描いてみましょう。

たとえば「1㎢=1,000,000㎡」という単位換算は桁が多いので、暗記をしてもすぐに忘れてしまいそうですね。

上のように正方形を描いて「1㎢の広さに1㎡がいくつ入る?」と視覚的に捉えます。ここで「1km=1000m」という基本的な単位換算を使えば、「1000×1000」で導き出すことができます。

容積も、実際に立方体を描いて視覚化してみると理解しやすくなります。子供が入れるくらいの1㎥メートルの立方体は、三辺が「100㎝×100㎝×100㎝」。1㎤の小さな立方体が1,000,000個入ることがわかります。

ちなみに、立方体をスラスラと描ける子はあまり多くありません。立方体を描こうとすると、各辺が平行であることや、長さが同じことなど、図形の性質を理解する必要があるからです。この感覚は今後の数学の勉強にも必ず活きてくるので、ぜひトライさせてみてください。

「だいたいこのくらい」という感覚を身につければ、大きな間違いはしなくなる

単位に強くなるには、単に数字の羅列として覚えるのではなく、イメージ化して意味を理解することが大事だというお話をしてきました。この感覚はさまざまな設問において応用が利きます。さらにノートの上だけではなく、普段の生活でも身につけることができます。

早く答えに到達するにはイメージ化が近道

手描きの図によって単位を理解できると、子供は自分でそれをさまざまに応用できるようになります。たとえば、「20m×60mの土地は何a(アール)?」という問題があるとします。

面積を計算すると20m×60m=1200㎡で、「100㎡=1a」から答えは12aとなります。

でも、先ほど説明した「正方形と面積」の感覚がある子なら、上の図を描いて「1a=10m×10mだから、縦に2個、横に6個並んで12aになる」と、素早く答えに行き着くことができます。

このようにイメージ化は、「面積って何?」「単位って何?」ということを、そもそもの成り立ちから理解することの助けになります。暗記するより発展性があり、さらに問題を解く時間も短縮できるのです。

生活の中で体を使って覚えることもある

物の長さや広さ、量などを表す単位は、実は私たちにとってとても身近なものです。だから、「これはだいたいこのくらいの量」「このくらいの長さ」と、予想ができるようになることも、単位の理解にはとても役に立ちます。

たとえば、1000cc入りペットボトルの水は何ℓ(リットル)?と聞かれた時、量の感覚がない子供では普通に「100ℓ」と間違えてしまうこともあります。でも「このお茶は1ℓ入りだね」と、普段の生活の中でご両親が教えてあげることによって、量の感覚が身についてきます。

容積の単位が理解できていない子供には、お風呂場でビーカーを使って測ったお湯を「これが1ℓ」「これが100ccだよ」と、かけてあげるのもいいアイデアですね。水の圧力によって、量の感覚を体で覚えさせてしまいます。生活の中でイメージをつくっておけば、テストで簡単に10倍、100倍の間違いをすることは少なくなるでしょう。

単位の感覚を磨くことから始めよう

算数の文章問題では、単位でつまずくと正しい答えになかなか到達できません。ほかの単元とも共通しますが、まず感覚を育てて原理に気付かせることが、苦手克服への第一歩です。当研究所でも役立つ本をつくっていますので、ぜひ参考にしてください。

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清水章弘著(株式会社プラスティー教育研究所代表取締役) 1,296円(本体価格1,200円)

「算数が苦手」を克服する考え方のヒントや、ラクに解くためのコツを分かりやすく解説。日常生活にも応用できて、大人も楽しめます。

※記事の内容は執筆時点のものです

代表の清水章弘が設立。「勉強のやり方を教える塾 プラスティー」を東京・飯田橋と京都・烏丸御池で運営している。勉強内容だけではなく、勉強のやり方を体系的にまとめた「学習コーチ指導」を展開。小学生から高校生・浪人生まで、学校についていけない生徒から最難関校を受験する生徒まで、生徒1人ひとりの力を伸ばす指導は父兄からも大きな信頼を集めている。

代表は青森県三戸町教育委員会学習アドバイザーを務める。代表著書に『中学生からの勉強のやり方』(ディスカバー・トゥエンティワン)、『東大生が知っている!努力を結果に結びつける17のルール』(幻冬舎)、『現役東大生がこっそりやっている、頭がよくなる勉強法』(PHP研究所)など多数。著書は海外でも翻訳されている。

プラスティー教育研究所:http://plus-t.jp/