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火星が地球に最接近! 身近な惑星を観測するための基礎知識

2022年11月14日 みみずく

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2022年12月1日は、火星が地球に最接近する日。2020年10月6日から2年2か月ぶりの最接近ということで、楽しみにしているお子さんも多いでしょう。火星の特徴や最接近の理由をしっかり理解しておけば、天体観測がさらに楽しくなるはずです。

火星はどのような惑星か?

火星は、太陽を回る8つの惑星のうちの1つです。地球と同じく固体の大地があり、環境が地球に近いため「地球型惑星」に分類されます。

火星の特徴

火星は、太陽系の惑星のうち太陽に近い方から4番目です。大きさは水星に次いで2番目に小さく、直径は6792km。地球の直径が12756kmなので、火星の直径は地球の直径の半分くらいです。

「赤い惑星」と呼ばれる火星は、肉眼で観測すると赤みがあります。この赤みは、火星の表面にある酸化鉄(鉄さび)に由来します。また、谷や砂漠のような地形がみられるのも特徴です。

火星の大気は薄く、その95%は二酸化炭素で、酸素はほぼ含まれません。-133~27度の気温差があり、平均気温は-55度です。

火星の自転と公転

天体が直径を軸として自分で回転することが「自転」、他の天体のまわりを回ることが「公転」です。火星は地球と同じく自転していて、さらに太陽のまわりを公転しています。

地球の自転周期は23時間56分であるのに対して、火星の自転周期は24時間37分です。地球と火星の自転周期には約40分の差しかありません。しかし、地球の公転周期は365日であるのに対して、火星の公転周期は687日です。火星と火星の公転周期には約1.88倍の差があります。

周期は、定期的に同じことが起こる場合、ある状態が起こってから再び同じ状態に戻るまでにかかる時間や期間です。

火星の最接近はどのような現象か?

火星の特徴をふまえた上で、火星の最接近がなぜ起こるのかを理解しましょう。

火星が地球に最接近する理由

火星が地球に最接近するのは公転周期に差があるからです。地球は火星よりも速く公転するため、一定期間ごとに火星に追いついた後、追い越します。この追いついたときが、地球と火星の距離がとても近くなる「最接近」です。

地球が太陽のまわりを回るときの軌道は円に近い形をしているのに対して、火星は楕円形(つぶれた円)です。そのため、定期的に起こる火星最接近でも、地球と火星との距離は毎回違います。この距離が6000万km未満のときを「大接近」、10000万km以上のときを「小接近」と呼ぶことがあります。2022年12月1日の最接近は、距離が約8145万kmなので「中接近」とも呼ばれます。

会合周期の求め方

火星最接近では、太陽から見て火星と地球が同じ方向に並びます。このことを「会合」、会合が起こる周期を「会合周期」といいます。会合の一種である「」は、地球から見て太陽と火星が反対方向に並ぶ現象です。衝の前後の日に最接近が起こります。

会合周期を具体的に求めてみましょう。地球の公転周期は365日≒1年=12か月なので、地球は太陽のまわりを1か月で360度÷12か月=30度ずつ動きます。一方、火星の公転周期は687日≒1.88年=22.56か月なので、火星は太陽のまわりを1か月で360度÷22.56か月=15.95度≒16度ずつ動きます。

ここで、動きの遅い火星を固定して考えると、地球は火星から1か月で30度-16度=14度ずつ離れていきます。地球が一周して同じ位置に戻ってくるには、360度÷14度≒25.71か月≒2年2か月かかることがわかります。したがって、会合周期は約2年2か月(780日)です。

会合周期には2か月という端数があるため、火星が地球に接近する位置は毎回同じではありません。

火星の動きと観測方法

地球から観測した天体が西から東へ動いているように見えるのが「順行」、東から西へ動いているに見えるのが「逆行」です。順行と逆行の向きが変わることを「」といいます。

2022年の火星は2022年8月上旬におひつじ座からおうし座に向かって順行し、10月30日に留となります。逆行しながら12月1日に地球に最接近し、12月8日に衝となった後、2023年1月13日に再び留となって逆行から順行に変わります。その後、3月下旬におうし座からふたご座へと入って行きます。

2022年12月頃の火星は、日没に東北東の空から昇って、日の出に西北西の空へ沈みます。肉眼でも火星は見えますが、形や模様まで見るには望遠鏡が必要です。最接近のときでもこのことは変わりません。

(動画:「2022~2023年の火星の動き(2022年 火星の地球最接近)」アストロアーツ / AstroArts Inc.

火星は中学入試でも出題される

火星最接近が話題となると、中学入試の理科で火星が時事問題のテーマになることがあります。難関校では以前、火星に関する基本的な知識に加えて、会合周期を求める計算問題も出題されました。天体観測を楽しむためだけでなく、入試対策としても、火星について知っておくとよいでしょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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この記事の著者

家庭教師/ライター。墨田区・台東区を拠点に活動している個人家庭教師。家庭教師を本業としつつ、ライターとしても活動しています。モットーは「好きな人を応援する」。小学生の指導科目は国語・算数(数学)・英語・理科・社会・作文など。「楽しく学びながら、中学の準備をする」ことを目標に指導をおこなっています。

Webサイト:みみずく戦略室 墨田区・台東区のプロ家庭教師&ライター
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