中学受験ノウハウ 過去問

中学受験 過去問の効果的な使い方とタイミング

2018年4月23日 石井知哉

過去問は中学受験合格に欠かせないアイテムの1つです。その効果的な使い方とタイミングについて知っておきましょう。

まず、お子さんを塾に通わせていて、塾から過去問の指導をうけられる場合は、その指導に沿うのがベストです。塾には年間を通じてカリキュラムや学習計画が用意されているので、それを無視した自己流の過去問演習を進めてしまうと、かえって効果が薄くなることがあるからです。

もし、塾通いをしていない、あるいは塾が過去問の指導に積極的に関与しない場合、過去問を使った勉強は家庭で行うしかありません。

過去問演習の目的と2つの演習法

過去問演習の目的は次の4つです。

1、志望校の出題傾向(クセ)を知る
2、問題のレベルとパターンをつかむ
3、勉強のモチベーションにする
4、入試本番のシミュレーションをする

過去問を解く目的の詳細は以下の記事をご覧ください。

過去問の演習法には「年度別演習」と「体系別演習」の2つのスタイルがあります。それぞれに特徴があるので、使い分けるのがおすすめです。

本番に向けた実戦力を養う「年度別演習」

「年度別演習」は、時間を計って1年度分の問題を全部解くスタイルです。「2015年度→2016年度→2017年度→2018年度」という具合に、年度単位で解き進めます。多くの受験生がとるのがこの進め方です。

「年度別演習」のメリットとポイント

「年度別演習」は入試本番を想定した実戦的な勉強方法で、時間の配分や見直しの仕方など、本番を想定した準備を行えるのがメリットです。

入試本番と同じ制限時間の中で合格点を取る力をつけたいわけですから、時間が経過した時点で終了し採点することがポイントです。時間切れで解けなかった問題は採点後に解いてみます。「時間があれば正解できていた」なら、時間配分にミスがあったことになります。

また、時間内に解いて不正解だった問題は時間をロスしたということです。もちろん、不正解の問題は解答・解説を熟読し、きちんと理解し自力で正解できるまで解き直さなければいけません。

「年度別演習」注意点とタイミング

習っていない内容が多い段階で解いても、わからない問題ばかりで効果はありません。全単元の学習や総合形式での問題演習を経て、受験に必要な知識が備わった段階で取り組むのがよいでしょう。6年生の11月後半頃から1月一杯で取り組むのが目安となるタイミングです。

「体系別演習」で短期間に解き方を身につける

「体系別演習」は特に力を入れたい単元を集中的に解くスタイルです。「2016年度の大問1→2017年度の大問1→2018年度の大問1→2016年度の大問2→2017年度の大問2→2018年度の大問2」という具合に、大問単位で解き進めます。

「体系別演習」のメリットとポイント

同じ大問を数年度分解くので、出題パターンや難易度、正解を出すための考え方の筋道が見えやすく、弱点の克服に向いた勉強方法です。

「割合の文章問題が苦手」「図形の問題の得点を上げたい」「説明文の読解を克服したい」「四字熟語を得意にしたい」など、単元ごとの得意・不得意がはっきりしている場合に向いています。問題のクセや解き方のコツをつかみやすく、短期間で集中強化が可能です。

解くべき問題を過去問からピックアップする際に既習・未習の判断が必要なので、その判断が受験生には困難な場合、保護者や塾の力が不可欠です。なお、年度によって大きく傾向が異なる学校の場合には効果が薄い方法です。

「体系別演習」の注意点とタイミング

習った範囲に絞れば、早ければ夏休みからでも着手可能です。ただし、入試本番と全く違う解き方なので「入試本番のシミュレーションをする」という目的には合いません。

したがって、入試直前には必ず本番同様に制限時間を設けた「年度別演習」を行う必要があります。「体系別演習」で問題や解答を覚えてしまうと、「年度別演習」を実力で行うことにはなりませんから、「年度別演習」までの時間的間隔を充分に空けて取り組むようにします。6年生の夏休みから11月頃に取り組むのが目安となるタイミングです。

過去問は合格のために不可欠であるからこそ、その使い方にまでこだわりたいもの。効果的に使いこなして、合格を勝ち取りましょう。志望校と出題傾向や難易度が近い学校の過去問も大いに役立つので、志望校が固まったら、早めに過去問に目を通しておけるとよいでしょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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