中学受験ノウハウ ストレス対策

受験を終えた子供が「燃え尽き症候群」に!? 中学受験後に燃え尽きないための心得とは

専門家・プロ
2018年4月24日 宇田川大輔

志望中学を目指し、長きに渡って一心不乱に行なってきた受験勉強。ようやく、念願叶って志望校へ合格。しかし喜びも束の間、高い目標を掲げて頑張ってきた子供が、その後「燃え尽き症候群」に……。そんなエピソードを聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。これは、おおげさなことではなく、本当に起こりえることです。

そこで、心身ともに健やかに受験期を乗り切るための心得を、受験生専門の心療内科「本郷赤門前クリニック」の院長を務める吉田たかよし先生に伺いました。

「燃え尽き症候群」になるとどうなる?

目標としていた有名中学に無事合格。そんなわが子が途端に意欲がなくなり、無気力になってしまった。そんな心が燃え尽きたような状態になってしまうと、どのような弊害があるのでしょうか。

「いわゆる『燃え尽き』という状態になると極端な意欲の低下がみられます。ありとあらゆる努力がしたくなくなってしまう、というような状態が多いです。無気力が過剰になると不登校になり、中退・転校なんて事態にもなりかねません。私が診てきた中には、家から一歩も出られない状態にまで悪化してしまった子供もいます。そうなってしまっては親子ともにつらいですね。受験後の燃え尽きというのは、大学・高校・中学どの受験期であっても避けたいものですが、中学受験は特にその後の人生への悪影響が深刻です。というのは、たとえば大学受験後の燃え尽きであれば、大学合格時点で一定レベルの学歴は完成したということもできますが、中学合格後に燃え尽きてしまうと、最悪の場合、最終学歴が中学または高校ということになるリスクもあるわけです。学歴至上主義を唱えるつもりはありませんが、心血注いだ中学受験に成功した結果が、人生を台無しにしてしまうなど、何としても避けるべきことです。」(吉田たかよし先生)

中学受験はあくまでも「通過地点」としっかり意識しよう

「なぜ受験後に燃え尽き症候群になってしまうのか。これは、目先の入試に合格することだけを目標にして、厳しい『受験ストレス』に耐えてきたのが大きな原因になっているといわれています。その結果、脳は合格さえすればもう頑張る必要はないと判断し、意欲のスイッチをオフにしてしまうのです。でも中学受験はゴールではありません。長い人生の通過点。その先の自分の未来をよりよいものにするためのプロセスのひとつです。その意識を親子でしっかりと再確認すれば、再び意欲のスイッチがオンになってくれます。そして将来の夢を持ちましょう。夢は大きくてOK。東大に行きたいとか、医学部にいきたい、弁護士になりたい、なんでもいいので大きなビジョンを持ちましょう。将来の夢を大きくもって、合格後も入学後も、もっともっとやるべきことがあると、前向きに思えるように子供を導いてあげることが重要です。」(吉田たかよし先生)

中学受験を「チャレンジ精神の強化訓練」のチャンスにしよう

「受験するのですからもちろん合否は重要なポイントですが、それだけにとらわれてはいけません。人生の先を見据えた広い視野で、チャレンジ精神を訓練する場というのが中学受験の理想形だと私は考えています。子供時代にしっかり集中力や粘り強さを身に着けた人はその先の人生でも強いですね。ぜひ、挑戦を楽しむ姿勢を中学受験で獲得してほしいと思います。受かる自分ではなく、チャレンジする自分に誇りを持つよう親からもメッセージを伝えてあげてください。ここでもうひとつポイントは、親もチャレンジ精神を常に持つことです。そうした精神は子供にちゃんと伝染していきますから。長い人生をどう生きていきたいか、挑戦をどう楽しめるか、日常的に親子で会話する時間が持てるといいですね。」(吉田たかよし先生)

燃え尽きないためには、チャンレジを楽しむこと!

中学受験は子供にとって大きな挑戦ですが、長い人生でみればまだまだ途中です。その後も、人生には様々な挑戦が待っていることを子供に認識させることが大切。そして中学受験を含めた多くのことに挑戦する姿勢に誇りを持つよう伝えてあげてください。チャレンジしたことで得た知識や経験がその後の人生を豊かにしてくれます。そのことを親子で一緒に認識して臨めるといいですね。

※記事の内容は執筆時点のものです

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