中学受験ノウハウ 通塾の悩み

中学受験における「小5ギャップ」とその対策

2018年5月01日 朝倉浩之

中学受験を目指していくなかでよくある問題のひとつが「小5ギャップ」。小学校4年生までは「塾が楽しい」と言っていた子供たちが、5年生になったとたんに「塾に行きたくない」ということが増えてしまうという状態のことです。ではなぜ「小5ギャップ」が生まれてしまうのでしょうか。

「小5ギャップ」が生まれる背景

中学受験において「小5ギャップ」が生まれる背景には、[1]通塾による学習時間の増加、[2]通塾日数の増加、[3]学習内容の高度化があげられます。

[1]通塾による学習時間の増加

小学5年生では大手学習塾の場合、国語と算数の授業が3時間ずつ、理科と社会が1時間半ずつとなることが一般的です。4教科の授業時間だけで9時間ほど、4年生のときよりも授業時間が3時間ほど長くなっています。

[2]通塾日数の増加

小学5年生になると、通塾日数が増えていることもポイントです。4年生のときには、週2日~3日の通塾であったのが、5年生になると通塾日数が週3日~4日と増えるため、子供にとっても負担を感じやすいのです。

[3]学習内容の高度化

塾通いをしていると、学校での学年よりも早く、学習内容は進級していきます。4年生の時点で、塾では学校よりもひと足先に5年生の学習がスタートするということです。学習する内容も、算数を中心により高度な内容になります。実際に中学受験に向けて勉強している子供たちの様子を見ていて「塾の授業が分からない」「ついていけない」ということが起きやすくなるのが、小学校5年生の時期です。

勉強面での「小5ギャップ」対策

まずは各学習単元で必ず理解するべき、基本的な内容の理解が大切です。塾の授業時間以外の学習時間は1教科あたり1時間~1時間半が目安です。4教科合計で4時間~6時間ほどとなります。塾の授業時間と合わせると1週間あたり13時間~15時間ほどです。

そして、学習時間をどのように確保していくかも重要です。通塾とともに習い事もさせている場合、習い事を整理する必要も出てくるかもしれません。そういった場合は子供とよく話し合い、たとえば「次の大会まで」というようにひとつの区切りをつけるとよいでしょう。子供が自分で決めた目標に向かってがんばっていくことは、中学受験においてとても大切なことです。

また、保護者の方と塾とで連絡を密にとることもおすすめします。塾での様子を保護者の方がよく知ることで、「小5ギャップ」を生れにくくすることにつながります。

勉強面以外にも起こる「小5ギャップ」

小学校5年生は勉強面以外でも子供たちのなかで変化が大きくみられるようになります。たとえば思春期が始まり、ほかの人の目が気になり始めるのもこの時期です。自分とほかの人を比べるようになり、友だちどうしのトラブルが増えてきやすくなります。

特に生活のゴールデンウィーク明けは連休で生活リズムが乱れてしまうので要注意です。生活のリズムが乱れてくると、それまでは気にしなかった些細なことも気になりやすくなります。例えば塾の同じクラスの友だちの言動を必要以上に気にしてしまうことが増えてきます。

ご家庭では、小学校5年生のこの時期が子供たちのストレスがたまりやすい時期であるという認識を持っていただく必要があります。

ただし、子供と接する際に、間違っても頭ごなしに叱りつけてしまうようなことは避けたいです。塾で勉強が難しくなり、それだけでも大変さを感じているのに、親からも厳しく言われてしまっては、子供たちの心が休まる場所がなくなってしまいます。

ご家庭では優しく見守っていただき、子供たちが学校や塾での様子を話しやすくなる環境をつくってください。

※記事の内容は執筆時点のものです

朝倉浩之
この記事の著者

学習指導で成績を上げる塾講師、歌で元気を与えるアーティスト。首都圏大手の塾を中心に、大学や高校での指導経験も持つ。知識と経験に裏づけされた教務知識に加え、エンターテイナーとしての資質溢れる授業は、生徒を飽きさせずに成績を上げることで定評がある。また同時に、歌の公演で日本各地を回るアーティストでもあり、YouTubeにアップしている弾き語りなどは12,000を超える累計再生数を更新中。