中学受験ノウハウ 中学受験をするかどうか

「中学受験か高校受験か」判断する前に知っておきたいポイント

2018年5月17日 石井知哉

中学受験と高校受験、いずれを選ぶかによって、過ごし方は大きく変わります。双方のメリットと、判断する前に知っておきたいポイントをお伝えします。

中学受験のメリット

中高6年間(一貫校でなければ3年間)、高いレベルの教育環境で過ごせます。多くの中学校が、実験や観察、ディスカッション、プレゼンテーションなどを授業に多く取り入れ、知識や技能の伝達にとどまらず、思考力や判断力、表現力といったスキルを育むカリキュラムを設けています。高校受験がなく、中学3年間は「目先のテストの1点」を気にせずに勉強できるので、「骨太の学力」を養うことができます。

また、高校内容を先取りで学ぶ仕組みをとっている場合は、大学受験に向けて余裕のある学習が可能です。部活動や課外活動にも打ち込みやすく、高校受験というストレス要因なしで思春期を過ごせるのもメリットといえるでしょう。

中学受験で注意すべきこと

中学校の入学試験合格に備えて、受験勉強が必要となります。多くの勉強時間が必要となるため、習い事に充てられる時間は限られます。自由に使える時間も減るので、周りの友達からの遊びの誘いを断らなければならない場面も増えますし、休みに家族で外出する機会も減ります。遊びたい盛りの小学生にとっては、我慢が必要です。

また、学費は私立中の授業料は公立に比べて高く、中学受験対策のための塾や家庭教師などの費用もかかります。公立中高一貫校の場合、義務教育に当たる中学3年間の授業料は無料となるため、学費の心配はありません。

高校受験のメリット

中学進学に際して入試がないため、小学校のうちは基礎学力をじっくりと固めるための勉強に専念できます。受験勉強がない分、ほかの習い事にも打ち込むことができ、伸び伸びと過ごせることでしょう。

また、子供の志向がある程度見えてきたうえで、志望校選択ができるという大きなメリットもあります。中学生になると、精神的に成熟し、自分なりの価値観を持つようになります。より多くの情報に触れて判断力も磨かれます。子供が「自分のやりたいこと」や「将来の夢」を具体的にイメージし、それを実現するための高校選びをしやすくなります。

高校受験で注意すべきこと

中学校に入ると、授業時間も長くなり、部活動や生徒会などの課外活動も増えるので、かなり忙しい日々を送ることになります。定期テストもあり、その結果からつけられる内申点(通知表の成績)も高校受験に大きく影響します。そう考えると、落ち着いて受験勉強に使える時間は決して多くはありません。余裕をもって高校受験を迎えるためには、時間を有効に使える自己管理能力が求められます。

中学受験向きの子

一般的に中学受験に向くのは次のようなタイプの子です。

  • 勉強の習慣がついている
  • 小学3・4年生の時点で学校授業内容の理解度・定着度が高い
  • 本や新聞など、活字を読むのが好き
  • 知的好奇心が強い
  • コツコツと努力を続けることができる
  • 自立心があって周りに流されない
  • 人と競争するのが嫌いではない
  • 「何が何でもこの中学校に行きたい!」という志望校がある
  • クラスメイトや友達と同じ中学校に進めないことを受け入れられる
  • 塾通いを楽しめる

上記項目のうち該当する個数が多ければ、それだけ中学受験に向いているといえるでしょう。一般的に「中学受験に向けて塾通いを始める時期」とされる小3冬を迎える前に判断をすることになります。

ただし、その判断が絶対ではありません。子供は日々成長しますし、成長の速度は人それぞれです。毎日すぐそばで過ごしていると見過ごしがちですが、5・6年生の頃に精神面でガラリと変わります。ですから、「中学受験の向き・不向き」はある一時期だけで判断するのではなく、子供の発達段階に合わせて見定めることが大切です。

イギリスに “You can take a horse to the water, but you can’t make him drink.” ということわざがあります。日本語に訳すと「馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできない」となります。つまり、「水を飲むかどうかは馬のやる気次第」ということです。これと同じで、中学受験をするかどうかは子供のやる気次第。自分から「中学受験をしたい」と言い出した子こそが、最も「中学受験に向いた子」なのかもしれません。

※記事の内容は執筆時点のものです

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