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低学年の子は「漢字」にどのように取り組めばいい?|低学年のための中学受験レッスン#23

専門家・プロ
2023年9月25日 宮本毅

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今回は「漢字」の話をしたいと思います。

読めるけど書けない、書き順が覚えられない、最終的にはオリジナルの漢字をつくってしまう。低学年のお子さんは、漢字学習につまずきがちです。

また、スマホやパソコンですぐに文字変換される生活に慣れてしまい、「最近、漢字が書けなくなった……」と、ご自身の漢字力低下を実感中の親御さんも多いのではないでしょうか。

これからお伝えする【漢字の苦手克服法】、ぜひ親子で一緒に取り組んでみてください。

たかが漢字、されど漢字

まず最初にお断りしておきたいことがございます。

それは何かといいますと、私自身は「漢字」の学習は大の苦手だったということ。

しかし「読み」は得意で文章を書くのは大好きでした。そして国語自体も得意科目であったことです。

これは一例ですが、「漢字」の得手不得手と国語の学力の間には、それほど相関性はないと、私は考えています。

とはいえ、語彙力は文章読解においては絶対に必要な能力ですし、ことばを漢字で書けるようにしておくことも、中学受験においては非常に重要です。

とくに、字数制限のある記述問題に解答する場合、漢字で書くことが制限字数内におさめるために必要になってきたりします。

もちろん、漢字そのものを問う問題も出題されます。

合格ラインをはさんで1点2点を争う中学受験において、きちんと覚えてさえいれば得点できる漢字問題を落とさないことは、非常に重要です。

実際、私の教え子でも、漢字問題があと一問できていれば合格していたのに……、というケースがあります。

「たかが漢字、されど漢字」というわけです。

効率の良い「漢字の覚え方」

では、子どもに漢字を覚えさせるには、いったいどうすればよいのでしょう。何か効率の良い覚え方はあるのでしょうか?

漢字は象形文字から入る

みなさんは「象形文字」ってご存知ですか?「山」や「日」など、そのものの形が変化して作られた漢字が象形文字です。

「漢字を覚えさせる」というと、どうしても「繰り返し書かせる」という「作業」が思い浮かびますが、それはもはや「昭和の発想」令和の新時代に「気合いと根性で覚えろ!」と言っても誰も納得しません。

象形文字はそのものの形が変化して作られた漢字ですので、視覚的にとらえさせればよいと思います。

「鳥」なんか、本当に良くできていますよね!羽のあたりの表現の仕方など秀逸です。ついでにカラスも覚えさせちゃえば、文字通り一石二鳥。カラスは身体が黒いので目が目立たない、だから鳥の横棒が一本ないわけです。すごい!

読み方でグループをつくる

たとえば「交」は交わるとも読みますが、音読みでは「コウ」ですね。この文字がくっつく漢字を集めてみるのです。

学校の「校」、郊外の「郊」、効用の「効」、咬合の「咬」、狡猾の「狡」などはすべて「コウ」と読みますね。同じ読み方の漢字はたくさんありますので、その中に「音を表す部分」がないか探してみるのも、楽しいと思います!

「〇年生の漢字が入ってきてしまう」とか、「せっかく覚えたのに常用漢字じゃなかった」とか、気にされる親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、そんなことは学びの本質にはまったく関係ありません。楽しいことを優先しましょう。

もちろん、受験直前になれば、小学校で習わない漢字は後回し、といった効率性も考えたほうがいいでしょう。でも、低学年のうちは、あまり気にせず、楽しいものからどんどん覚えていこうじゃありませんか。

次は部首を覚えよう!

象形文字で「人」や「木」を覚えたら、今度は「にんべん」や「きへん」を使った漢字をまとめて覚えていきます。

たとえば「きへん」の仲間なら「林」「杉」「松」「桜」など樹木に関する漢字だけでなく、「板」「机」「柵」「樽」「柩」など、木でつくられているものも多くあります。さっき出てきた「校」は右側が音を表す文字ですよね。

漢字を覚えるには「楽しさ」がカギ

こんな風に漢字を部首で分解したり、音で分解したりしてみると、それぞれの漢字の成り立ちや意味がわかるようになります。

ただ漢字を10回書くような単調な作業をさせるよりも、ずっと理論的に漢字を覚えられるようになりますね。

たとえば「騒がしい」という漢字を分解すると「馬(の)又(の下に)虫」と書きますが、馬の足元でセミがミンミン鳴いていたら「うるさい!」ってなりますよね(笑)。

とにかく漢字に興味をもってもらうことが大切です。楽しく覚えればそれだけ効率よく覚えられます。親子でゲームのようにしておぼえるのも大切です。

普段から「漢字の意味」を意識させておくと、たとえば「彼のふざけた態度にはほとほとヘイコウした」という漢字テストに「平行」などという字を書くことはなくなります。

もしお子さんがこんな間違いをしている時は、文章をよく読んでいないことが原因だと認識して下さい。問題文の意味をしっかりと捉え「うんざりして口を尖らせている様子」が思い浮かべられれば、「閉口」という正解の字が自然と頭に浮かぶでしょう。そうやっておぼえる方が記憶に残りやすいですし、ずっと楽チンですよね。

まとめ

漢字を苦手にする子は、たいてい小さい頃に面倒くさい「作業」をやらされています。

昭和の先生の中には「間違えた漢字は100回書け!」なんていう罰を与える人もいましたね。そんなことするから私のように「漢字キライ」の子が生まれちゃうのです。

書き順なんかも気にする必要はありません。細かいことを指摘すればするほど、子ども達はどんどん漢字学習から遠ざかります。

漢字は決して面倒くさいものじゃないよ、楽しいものなんだよ、と子ども達に思ってもらえれば、あとは勝手に覚えていくと思います。

焦らずじっくり構えていきましょう!

※記事の内容は執筆時点のものです

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