学習 算数

数列が苦手を克服するコツ5選! 規則性の問題も工夫すれば簡単に解ける

2023年10月04日 みみずく

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中学受験算数の規則性分野では数列がよく出ます。一方で、数列を苦手とする受験生も少なくありません。そんな受験生のために、数列の問題を解くのに役立つ思考法やコツを紹介します。

数列が苦手になる原因

数列はさまざまな可能性を検討したり、一部分から全体を推測したりすることが求められます。そのため、慣れていない受験生は「難しい」と感じるでしょう。

また、数が大きくなると計算が面倒になり、計算ミスや不注意ミスで失点しがちです。そもそも「何をすればよいのか?」がわからないこともあります。

一方で、数列の問題は似たようなパターンが多いので、やるべきことを事前に決めておくと、苦手を克服するきっかけになります。

数列が苦手を克服するコツ5選

数列の問題を解くのに大切なのは、規則性の見つけ方と、答えとなる数値の求め方です。これらを上手く行うためのコツを紹介します。

1. まずは差をチェックする

【問題1】あるきまりにしたがって、(1)(2)のように数が並んでいます。それぞれの20番目の数はいくつですか。

(1) 2, 5, 8, 11, …

(2) 1, 3, 6, 10, …

まずは2つの数の差をチェックしてみましょう。

(1)は、5-2=3、8-5=3、11-8=3となり、差が常に3であることがわかります。このように差(加える数)が一定の数列が等差数列です。等差数列では「N番目の数=はじめの数+加える数×(N-1)」なので、(1)の20番目の数は2+3×(20-1)=59です。

(2)は、3-1=2、6-3=3、10-6=4となり、差も2, 3, 4, …の等差数列になっています。このように、差からできる数列が階差数列です。差が階差数列になっている数列では「N番目の数=はじめの数+階差数列の(N-1)番目までの和」なので、(2)の20番目の数は1+(2+3+…+20)=1+2+3+…+20=(1+20)×20÷2=210です。

2. N番目のNで表してみる

【問題2】あるきまりにしたがって、(1)(2)のように数が並んでいます。それぞれの20番目の数はいくつですか。

(1) 2, 4, 6, 8, …

(2) 1, 4, 9, 16, …

N番目のNで表せないかどうかを考えることも大切です。公式を使わなくても簡単に規則性を見つけられることもあります。

(1)は、差が2で一定なので等差数列です。しかし、偶数の数列であることを見抜ければ、N番目の数は2×Nと表せることに気づくでしょう。したがって、(1)の20番目の数は2×20=40です。

(2)は、1=1×1、4=2×2、9=3×3、16=4×4の平方数なので、N番目の数はN×Nとなります。したがって、(1)の20番目の数は20×20=400です。

3. グループ分けしてみる

【問題3】あるきまりにしたがって、次のように数が並んでいます。50番目の数はいくつですか。

1, 2, 3, 2, 3, 4, 3, 4, 5, 4, …

数列の中には、何らかのきまりにしたがってグループ分けできる群数列があります。

【問題3】の数列は典型的な群数列です。3個ずつにグループ分けしていくと、各グループの最初の数は1, 2, 3, …となっています。50番目の数は、50÷3=16あまり2から、17グループの2番目の数だとわかります。17グループの数は17, 18, 19なので、2番目の18が答えです。

群数列に限らず、数表の問題などでもグループ分けするとヒントが見えてきます。たとえば、下の数表では、右のようにグループ分けすると、N行1列目がN×Nの平方数になっていることがわかります。また、1行N列目から始まるグループには、(2×N-1)個の数があることにも気づけるでしょう。

4. 計算せずに書き出す

数列の問題は計算で解かなければならないわけではありません。公式や考え方が思いつかない場合、50番目くらいまでなら、書き出してしまった方が速いこともあります。入試本番でも、「数列を式で表せない」と諦めるくらいなら、書き出して解ける問題はとにかく書き出すことです。

【問題1】の(2)は、下のように書き出せば、答えを求められます。たった20個ですから、階差数列を知らなくても頑張りましょう。

書き出すといっても、全て書くと大変なことも多いので、工夫も大切です。【問題3】では、次のように書き出すと、かなり楽になります。

5. 計算を工夫する

数列の問題は計算が複雑になりがちなので、計算を工夫する必要があります。

【問題1】(1)の数列について「140は何番目の数ですか」という問題があった場合、まずは「N番目の数=はじめの数+加える数×(N-1)」に当てはめます。140=2+3×(N-1)としてから、逆算することでN-1=(140-2)÷3=46とわかるので、N=46+1=47です。工夫というほどでもありませんが、「公式に当てはめてから逆算する」という習慣がないと、思わぬところで計算ミスをします。

また、【問題1】(2)の数列について「1番目から20番目までの和を求めなさい」という問題があった場合、1+3+6+…+210=?と考えるのは明らかに非効率です。

1=1

3=1+2

6=1+2+3

……

210=1+2+3+…+20

このように和の形で表せば、1×20+2×19+3×18+…+20×1=(1×20+2×19+3×18+…+10×11)×2=(20+38+54+68+80+90+98+104+108+110)×2=1540となり、多少は計算が楽になります。

数列が苦手なのは思い込みが原因

数列を苦手とする中学受験生の多くは「数列は難しい」と思い込んでいます。しかし、実際は地道に書き出したり、規則性に気づくと簡単に計算できたりして、難しいとは限りません。思い込みを捨てて挑戦してみることが大切です。

※記事の内容は執筆時点のものです

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