
理解力を鍛えるための工夫5選! 勉強法で意識すべき重要なことをわかりやすく解説
中学受験生とその保護者は、しばしば「理解力がない」と悩みます。時には、「理解力があるかどうかは生まれつきだ」という発言が目に入ることもあるかもしれません。しかし、理解力は生まれつきのものではなく、勉強法を工夫することで鍛えられます。その工夫について紹介します。
Contents
理解力とはどのような力か?
理解力は、物事の意味や論理を正しくわかる力です。しかし、中学受験生は正しくわかるだけではなく、そのわかったことを正しく答案で伝えることも必要になります。インプットとアウトプットの両方を正しくできる受験生が「理解力がある」とされます。
理解力を鍛えるための工夫5選
理解力を鍛えるには、ただ問題を解いて終わりにするだけではいけません。以下の工夫を意識した勉強法を実践することをおすすめします。
1. 具体と抽象を行き来する
算数の数列では、具体的な数の書き出しから規則性を見つけ、その規則性に基づいて大きな数についても考えるのが鉄則です。問題の構成でも、 (1)で10番目の数を、(2)で100番目の数をそれぞれ求めさせる流れが多くみられます。(2)では、(1)の答えをふまえて「N番目の数」という抽象的な式を作った後、N=100として具体的な計算をします。
数列と同じ思考法を他の単元や科目にも応用するとよいでしょう。具体的な事柄をいくつか理解した後、これらに共通する抽象的なルールなどを捉え、それをふまえて他の具体的な事柄も理解していきます。
2. 共通点と相違点を意識する
算数の平均も速さも食塩水の濃度も面積図で解けます。これらに共通することを考えると、すべてに「A×B=C」という関係があるとわかるでしょう。それぞれ「平均×個数=合計」「速さ×時間=距離」「食塩水の重さ×濃度=食塩の重さ」です。
一方、場合の数では、1,2,3,4,5を使って2桁の整数を作る問題と、0,1,2,3,4を使って2桁の整数を作る問題は似ていますが、解き方が異なります。両者の違いは、与えられた数字に0があるかないかです。
このようにいくつかの問題(単元)の共通点と相違点を意識することで、覚えることを減らしたり、出題者の罠に引っかからなくなったりします。
3. 自分なりに整理する
社会で歴史を一通り学んだ後、「天皇」「農業」「仏教」など、自分なりにテーマを決めて知識を整理します。これは「テーマ史学習」と呼ばれる学習法です。普通の教科書や参考書に載っているのとは異なる流れで歴史を捉え直すので、理解が深まります。
理科でも、参考書や問題集に植物や動物などを分類した表が載っています。それを見て覚えるだけでなく、自分なりの表などを作ってみると覚えやすいでしょう。
知識を自分なりに整理することで、曖昧だった記憶が明確になり、知識同士のつながりにも気づけます。メモリーツリーを作ってみるのも有効です。小学校で自主学習が宿題になっているなら、さまざまな科目について、自分なりに整理したものを提出してもよいでしょう。
4. 表現方法を変えてみる
国語の長文読解では、復習のときに字数を変えて本文を要約してみると力が付きます。また、筆者の主張をまとめるだけでなく、具体例を整理したり、対比構造を明らかにしたりしてみるのもおすすめです。さまざまな方向から本文を分析し、自分の言葉で表現することで、国語力がアップします。
また、算数の食塩水の濃度では、濃度の公式から問題を解いたのなら、面積図や天秤図ではどう表せるか、「濃度とは何か?」を言葉で説明できるかを考えてみるとよいでしょう。計算して答えを出して終わりにするのではなく、数式を使わない表現に変えてみることで、理解が深まり、別解にも気づけます。
特に算数や理科では、一つの知識を言葉・式・図のそれぞれで表せることが大切です。たくさんの表現方法を知っていれば、ある方法で問題が解けなくても、別の方法を試してみることができるからです。
5. 複数の知識をつなげる
環境問題については、社会と理科の両方で出題されます。さらには、国語の長文読解の本文にもよく出てきます。社会では、環境問題の原因や影響、対策などに関する問題がメインですが、理科では原因となる物質や自然界への影響の数値的な評価などがテーマとなります。
また、国語では、哲学や倫理学に基づいて環境問題を論じる評論文もよく出るので、社会や理科とは違った視点から環境問題を捉えることができるでしょう。
このように、さまざまな科目に登場する知識は、社会や理科の試験で出やすい内容を整理し、さらに国語で読んだ評論文に対して自分なりの意見を書いてみると効果的です。その上で、ニュースで話題となっている時事ネタともつなげて考えを深められれば、時事問題対策にもなって一石二鳥でしょう。
理解力を鍛えると成績が上がる
理解力があると、「一を聞いて十を知る」という状態になり、教わったことを吸収したり、問題を解いたりするのが楽になります。その結果、成績が上がって勉強も楽しくなるでしょう。中学受験の勉強を通して鍛えた理解力は、中学以降の勉強でも役に立ちます。
※記事の内容は執筆時点のものです
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