逆比を使いこなして算数を得意にする! 速さ・面積・濃度を簡単に解く方法を解説
逆比を苦手としている中学受験生は少なくありません。また、便利だからといって逆比を使っている受験生も、どうしてそうなるのかを理解していない場合があります。理屈がわからないまま逆比を使っていると、少しひねられただけで間違いを連発します。逆比について正しく理解し、どのような問題で使えるのかを把握することが大切です。
逆比とはどのような考え方か?
逆比を使いたい中学受験生は、逆比を正しく理解することから始めましょう。
逆比は「逆数の比」
2:3の逆比は3:2なので、「逆比は数字を逆にした比」という勘違いが生まれがちです。こういう勘違いをしていると、2:3:5の逆比を5:3:2と誤って考えてしてしまいます。
そもそも逆比は逆数の比です。数字を逆にした比ではありません。
逆数とは、その数に掛け合わせると1になる数のこと。2の逆数は\(\frac{1}{2}\)、3の逆数は\(\frac{1}{3}\)となります。
2:3を逆数の比にすると、\(\frac{1}{2}\):\(\frac{1}{3}\)で、両方の項に6をかけて3:2だから、結果的に数字が逆になっています。
2:3:5を逆数の比にすると、\(\frac{1}{2}\):\(\frac{1}{3}\):\(\frac{1}{5}\)なので、全ての項に30をかけて、15:10:6とするのが正しい逆比です。
逆比が使える場合とは?
逆比が使えるのは、A×B=Cが成り立っていてCが一定のときです。A×B=Cを変形すると、A=\(\frac{C}{B}\)、B=\(\frac{C}{A}\)なので、A:B=\(\frac{C}{B}\):\(\frac{C}{A}\)です。Cが一定なので、A:B=\(\frac{1}{B}\):\(\frac{1}{A}\)となり、確かに逆比だとわかります。
具体的には、「速さ×時間=距離」が成り立つので、距離が一定のときは速さと時間は逆比の関係になります。また、「縦×横=面積」「平均×個数=合計」「食塩水の重さ×濃度=食塩の重さ」などでも、=の右側が一定ならば逆比を使えます。
三角形の面積は「底辺×高さ÷2=面積」ですが、式を変形すれば「底辺×高さ=面積×2」です。面積が一定ならば面積×2も一定なので、底辺と高さは逆比の関係が成り立ちます。
逆比を使って問題を解く
実際に逆比を使ってさまざまな問題を解いてみましょう。
逆比と速さ
【問題1】太郎君は毎日同じ時刻に家を出て学校へ行きます。分速70mで歩くと始業時刻の5分前に着きます。また、分速50mで歩くと始業時刻に3分遅れます。始業時刻が午前8時30分だとすると、太郎君が家を出る時刻は午前何時何分ですか。
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