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学習 理科

消化液のはたらきを調べる実験を解説! だ液や胃液がテーマの考察問題も難しくない

2023年12月31日 みみずく

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中学受験理科の生物分野では消化液に関する問題がよく出ます。消化液や消化酵素の種類、消化液を作る臓器、消化される栄養素などを答える知識問題だけでなく、消化液のはたらきを調べる実験に関する考察問題もあります。今回は、多くの中学受験生が苦手とする考察問題を中心に解説します。

消化液の基礎知識

消化液の基礎知識を整理しましょう。消化液とこれらを作る臓器の組み合わせは以下の通りです。

  • だ液 … 口(唾液せん)
  • 胃液 … 胃
  • 胆液 … 肝臓
  • すい液 … すい臓
  • 腸液 … 小腸の壁(腸せん)

消化液には、栄養を分解して消化・吸収を助ける物質の消化酵素が含まれています。それぞれの消化液に含まれる消化酵素(と分解される栄養)は以下の通りです。

  • だ液 … アミラーゼ(デンプン)
  • 胃液 … ペプシン(タンパク質)
  • 胆液 … 消化酵素はないが、消化を助ける。
  • すい液 … アミラーゼ(デンプン)・トリプシン・ペプチターゼ(タンパク質)・リパーゼ(脂肪)
  • 腸液 … マルターゼ(デンプン)・ペプチターゼ(デンプン)

分解されたデンプンはブドウ糖に、タンパク質はアミノ酸に、脂肪は脂肪酸とモノグリセリドになります。

消化液のはたらきを調べる実験

消化液のはたらきを調べる実験は、知識だけでは解けない考察問題としてよく出ます。典型的な問題を通して、解き方を理解しましょう。

だ液のはたらきを調べる実験

【問題1】だ液のはたらきを調べるために、次の<実験>を行いました。

<実験>試験管A~Dに、デンプン溶液を同じ量ずつ入れ、AとCには水を、BとDにはだ液を同じ量ずつ加えました。さらに、AとBは40度、CとDは90度の水を入れたビーカーの中に置き、温度を一定に保ちました。

10分後、それぞれの試験管にヨウ素液を入れ、色の変化を観察したところ、次の<結果>になりました。

<結果>

  • Aの液…青むらさき色
  • Bの液…変化なし
  • Cの液…青むらさき色
  • Dの液…青むらさき色

<結果>だけでは言えないことを、次のア~エからすべて選び、記号で答えなさい。

ア だ液がはたらくとデンプンがなくなる。

イ だ液がはたらくと糖ができる。

ウ だ液は40度以下のときにはたらく。

エ だ液は90度のときにはたらかない。

【問題1】の<実験>のように、ある特定の条件以外の条件をすべて同じにして行う実験を「対照実験」といいます。対照実験では、異なる条件に注目することが大切です。

まず、温度が同じでだ液の有無が異なるAとBを比べましょう。<結果>から、だ液が入っていないAは、ヨウ素液が青むらさき色に変化しているので、デンプンが残っていることがわかります。一方、だ液が入っているBは、ヨウ素液が青むらさき色に変化しなかったので、デンプンがなくなったことがわかります。したがって、アは言えます。

「だ液のはたらきでデンプンが糖になる」と知っている受験生は「イも言える」と考えがちです。しかし、ヨウ素液では糖ができたかどうかを確認できません。したがって、イは言えません。

次に、だ液が入っていて温度が異なるBとDを比べましょう。<結果>から、90度のDは、ヨウ素液が青むらさき色に変化しているので、デンプンが残っていることがわかります。つまり、だ液がはたらいていません。したがって、エは言えます。

一方、40度のBからだ液がはたらいていると言えますが、ウの「40度以下」に要注意です。たとえば、Bからは0度のときにだ液がはたらくのかどうかわかりません。したがって、ウは言えません。

以上より、正解はイとウです。

胃液のはたらきを調べる実験

【問題2】胃液には、ペプシンという消化酵素が入っています。ペプシンのはたらきを調べるために、次の<実験>を行いました。

<実験>試験管A~Dに水を同じ量ずつ入れ、CとDにはペプシンを同じ量ずつ加えました。さらに、AとCには片栗粉を、BとDにはかつお節を同じ量ずつ入れました。

十分に時間が経った後、AとCの片栗粉とBのかつお節は変化せず、Dのかつお節はなくなっていました。

(1) <実験>で試験管AとBを用意した理由を説明しなさい。

(2) <実験>から言えるペプシンのはたらきを「ペプシン」「デンプン」「タンパク質」の言葉を使って説明しなさい。

(1) ペプシンが入っていない水だけの試験管AとBを用意したのは、「片栗粉やかつお節が水だけで変化しないことを確かめるため」です。ペプシンのはたらきを調べたい場合、ペプシン以外の条件をすべて同じにした試験管も用意しなければなりません。

(2) ペプシンが入っているCとDを比較すると、Cの片栗粉は変化なしですが、Dのかつお節はなくなっています。つまり、ペプシンは片栗粉を分解しないが、かつお節を分解すると判断できます。

片栗粉の主成分がデンプンで、かつお節の主成分がタンパク質なので、「ペプシンはデンプンを分解しないが、タンパク質を分解する」と言えます。

消化液の勉強で応用力を鍛える

消化液の勉強をするときは、基礎知識を覚えて終わりにするのではなく、実験に関する考察問題を通して、対照実験や計算にも慣れておくとよいでしょう。そうすれば、他の考察問題に通用する応用力を鍛えられます。

※記事の内容は執筆時点のものです

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