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辞書を引く方法を保護者が教えるには? 言葉の意味調べを効率化するコツを紹介

2024年3月08日 みみずく

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国語の授業ではよく「知らない言葉があったら辞書を引くことが大切です」といわれます。辞書の引き方を題材とした問題が中学受験の問題に出ることもあります。一方で、辞書を上手く使いこなせない子どもも少なくありません。そんな子どもには、保護者が辞書を引く方法を教えてあげましょう。

辞書を引くための基本ルール

子どもは「辞書を引きなさい」と言われても、上手く引けないことがあります。このような場合、保護者が子どもと一緒に、辞書を引くための基本ルールを確認するとよいでしょう。

言葉の一文字目に注目する

辞書に収録されている言葉は五十音順に並んでいます。そのため、言葉を早く見つけるためには、言葉の一文字目(「つめ」といいます)に注目します。「ろ(黒)」は「ろ(白)」よりも前で、「か(赤)」よりも後にあります。

一文字目が同じ言葉は二文字目に注目します。「く(黒)」は「く(桑)」よりも前で、「く(蔵)」よりも後にあります。二文字目も同じ言葉は三文字目、三文字目も同じ言葉は四文字目……と注目していきます。

他にも次のルールを覚えておきましょう。

  • ゛や゜の付く言葉は、゛や゜の付かない言葉より後にある。(例)「る(ビル)」は「る(昼)」より後にある。
  • 小さく書く字のある言葉は、大きく書く字のある言葉より後にある。(例)「きう(今日)」は「きう(器用)」より後にある。
  • 伸ばす音「ー」は、前の音を長く伸ばしたときの音に置きかえる。(例)「ペジ」は「ぺじ」に置きかえる。 

ページの最初の言葉と最後の言葉に注目する

辞書のページをめくるときは、ページの最初の言葉と最後の言葉(「はしら」といいます)に注目します。これらはページの端に書かれています。

ある辞書では、「あか(赤)」のあるページの最初の言葉が「あおみ(青み・青味)」で、最後の言葉が「あかじこくさい(赤字国債)」です。

形の変わる言葉は言い切りの形で探す

形の変わる(活用する)言葉は言い切りの形(終止形)で探します。言い切りの形とは、その言葉だけで述語になるときの形と考えればよいでしょう。

たとえば、「書かない」「書いて」「書けば」などの言葉を辞書で調べたいときは、「書く」で探します。「書かない」などでは出てこないので要注意です。

辞書を使いこなすためのコツ

辞書を引くための基本ルールを覚えても、それだけでは辞書を使いこなせません。保護者は子どもが困っていたらコツを教えてあげましょう。

記号で表記された情報も確認する

ある辞書では、「あか」の直後に【赤】とあり、さらに<名>と続きます。この辞書の場合、【 】はその言葉を表す漢字です。また、< >はその言葉の品詞を表しています。<名>から、「あか(赤)」が名詞であるとわかるでしょう。

辞書で言葉を調べる場合、【 】や< >などの記号で表記された情報も確認することで、その言葉を深く理解できます。ただし、記号の使い方は辞書によって異なります。どの辞書にも、最初の方に「凡例」と呼ばれるページがあります。それぞれの記号が何を意味するのかを凡例で確認しておくとよいでしょう。

例文から言葉の使い方を学ぶ

辞書にある例文から言葉の使い方を学ぶことで、語彙を増やし、日本語で文章を書く能力を伸ばせます。ある辞書では、「あおみ(青み・青味)」の項目に「青みがます。」や「青みをおびる。」などの例文が載っています。これらの例文から「青み」と一緒に「ます」や「おびる」を使えることがわかるでしょう。

また、言葉に複数の意味があるときは、自分が知りたい意味を特定するために例文を見ることも大切です。たとえば、「さばく」という言葉には、「裁判する」「適切に処理する」「売りつくす」などの意味があります。「夜までに仕事をさばいた。」という文の「さばく」の意味を調べる場合、この文は例文の「会社を一人でさばいている。」と似ています。したがって、例文の「さばく」の意味である「適切に処理する」が、自分が知りたい意味だと判断できます。

見出しにない言葉を探す

慣用句やことわざなど、辞書に見出しがない言葉は、その中に使われている言葉の最初のものを探します。たとえば、「気が短い」を「きがみぢかい」で探しても見つからないでしょう。一方、「き(気)」の項目を見ると、後ろの方に「気が短い」の意味も載っているはずです。

また、「勧めにくい」のような言葉も、このままの形では見出しにありません。「勧めにくい」ならば、「勧める」と「にくい」に分割して調べ、それぞれの意味を組み合わせます。「勧める」の意味は「他人にそのことを行うように誘う」で、「にくい」の意味は「~するのが難しい」です。したがって、「勧めにくい」の意味は「他人にそのことを行うように誘うのが難しい」だとわかります。

辞書を引くことで国語力が向上する

子どもがわからない言葉の意味を辞書で調べられるようになると、語彙力、さらには国語力全般の飛躍的な向上につながります。保護者は子どもに辞書を引く方法を教え、それが習慣化するようにサポートしてあげるとよいでしょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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