学習 連載 中学受験算数の基礎力を伸ばす

計算の工夫の基礎力-計算量を減らしてミスを防ごう!|中学受験算数の基礎力を伸ばす#15

専門家・プロ
2024年3月28日 さち

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中学受験は算数で決まる、とよく言われます。もっとも得意不得意が分かれやすく、点差がつきやすいとされるからです。この連載では、中学受験算数の基礎力を測る & 伸ばすアプリ「ドリる算数」を開発されているドリさんの監修の元、ドリるゼミ・計算くらぶの計算アドバイザーのさち先生に、算数の基礎力とは何か、どう伸ばすべきなのかをうかがいます。

こんにちは。ドリるゼミ講師のさちです。

今回は「計算の工夫の基礎力」というテーマでお届けします。

お子さまは「計算の工夫」は得意ですか?

計算を工夫すると計算量が減り、ミスの発生確率も下がります。

計算があまり得意ではない・計算ミスが多い子こそ、計算の工夫を習得するメリットは大きいです!

この記事では、以下の3つのポイントに分けて計算の工夫をお伝えしていきますね。

1. 共通の数字でまとめよう
2. 順序を変えよう
3. 10,100,1000を作ろう

1.  共通の数字でまとめよう

1つめの工夫は「共通の数字でまとめる」です!

以下の問題をもとに考えてみましょう。

下の図は2点P・Qを中心とする円を組み合わせた図形です。色のついた部分の面積を求めなさい。
ただし円周率は3.14とします。

斜線部分の面積は

(大きい円の面積)-(小さい円の面積)

で求められるので、式は

4×4×3.14-2×2×3.14

となります。

この式を

  • そのまま計算する
  • 共通の数字でまとめる

の2パターンで計算してみましょう。

<そのまま計算する>

4×4×3.14-2×2×3.14
=50.24-12.56
=37.68

<共通の数字でまとめる>

4×4×3.14-2×2×3.14
=(16-4)×3.14
=12×3.14
=37.68

いかがでしょうか?

共通の数字でまとめると、面倒な3.14のかけ算が1回で済みましたね!

人間は機械ではないので、どんなに気を付けても計算ミスはゼロにはなりません。

計算の回数そのものを減らすことで、ミスの発生確率を減らすことを意識しましょう!

練習問題を用意しましたので、ぜひやってみてください!

(1) 23 × 42 + 42 × 77
(2) 193 ÷ 26 – 63 ÷ 26
(3) 48 × 21 + 42 × 76
(4) 1.35 × 7.5 + 0.135 × 25

解答・解説は以下の通りです。

2.  順序を変えよう

2つめの工夫は「順序を変える」です。

以下の問題をもとに考えてみましょう。

28 × 9 ÷ 4

まずは28×9ですが、計算が大変ですよね。

そこで、次のような工夫をしてみましょう。

×9と÷4を入れ替えることで、計算が楽になりましたね。

×9と÷4を入れ替えても大丈夫なのは、わり算は逆数のかけ算に直すことができるからです

それでは練習問題です!

「順序を変える」を利用して、以下の問題を解いてみてください。

(1) 15 × 7 ÷ 5
(2) 42 ÷ 19 × 38÷ 21
(3) 333 + 444 + 56 + 67

解答・解説は以下の通りです。

3.10,100,1000を作ろう

最後の工夫は「10,100,1000を作る」です!

まずは以下の計算をやってみましょう。

35 × 18

筆算でやろうとした子、ちょっと待った!

5×2=10を利用して計算すると、以下のようになります。

35 × 18 = 35 × 2 × 9 = 70 × 9 = 630

10の倍数を作ることで、計算がより簡単になりましたね。

また、

  • 25×4=100
  • 125×8=1000

なども計算を楽にするのに使えます。

これらを踏まえて、練習問題を解いてみましょう!

(1) 15 × 24
(2) 36 × 25
(3) 125 × 808

答えはこちらです。

まとめ

  1. 共通の数字でまとめよう
  2. 順序を変えよう
  3. 10,100,1000を作ろう

の3つの工夫を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

慣れないうちは「普通に計算する方が速いのに…」と思うこともあるかもしれませんが、使い慣れればお子さまにとって大きな武器&一生の財産になります。

やり方や仕組みが理解できたら、あとは練習あるのみ。

実際に使ってみることで、自分のものにしていきましょう!

※記事の内容は執筆時点のものです

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