「ミリ」「センチ」「キロ」小学生が苦手な単位換算をわかりやすく解説
問題集などで単位換算のまとめをみると、暗記する単位が多すぎてため息が出た覚えがありませんか? 大人も子供も、多くの人が単位換算問題は丸暗記問題だと思いこんでいます。しかし、実は単位にも基本の取り決めがきちんとあって、それに従って換算されているのです。今回はこの基本の取り決めをおさえつつ、子供でも簡単に解ける単位換算の方法を紹介します。
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単位は「接頭辞」と「基準の単位」でできている
長さの単位として、mm(ミリメートル)、cm(センチメートル)、km(キロメートル)などがありますよね。
この単位の右側のm(メートル)は「基準の単位」、そしてその左についているm(ミリ)、c(センチ)、k(キロ)を「接頭辞(SI接頭辞)」といいます。
たとえば、kmの場合、k(キロ)が接頭辞、m(メートル)が基準の単位です。
接頭辞のきまり
接頭辞は「10の累乗倍の数」を示すものとして規定されています。つまり、基準の単位からどれくらい大きいか(or小さいか)を表すものといえるでしょう。代表的な接頭辞を表にすると次のようになります。
この接頭辞の並びを覚えれば、単位換算問題の多くが簡単に解けるのです。
接頭辞を利用した単位換算
接頭辞の仕組みを利用して、下記のような例題を解いてみましょう。
0.4kg=□g
ここではg(グラム)が基準の単位、k(キロ)は接頭辞です。
k(キロ)は1000倍なので、
0.4×1000=400
よって400gが答えです。
余談ですが、よく聞くT(テラ)、G(ギガ)、M(メガ)や、μ(マイクロ)、p(ピコ)といった単位も接頭辞の仲間です。
(「億や兆の次はなぁに?」と興味をもつような子供には、接頭辞の表をぜひ見せてあげてください。ITやバイオの世界ではよく利用されている単位なので、知っておくときっと役に立つでしょう)
単位換算を小数点の移動で覚える
接頭辞と、基準の単位を覚えていれば単位換算できることがわかったと思います。しかし、次のような単位換算になるとどうでしょう。子供は解答の手をぴたっと止めてしまいます。
0.72km=□cm
小数点が入っていて、さらにk(キロ)からc(センチ)に単位換算しなければいけませんね。大人なら少し考えればできますが、子供は混乱しがちです。
ここで便利なのが、小数点の移動で考える方法です。まずは、接頭辞を大きい順に左から書いていきます。
そして、接頭辞のk(キロ)とc(センチ)に注目し、kからcへ行くには「どの方向」に「何回移動」しないといけないか考えます。この場合は、右に5回移動が必要です。
ですから、0.72の小数点も右に5回移動させます。
答えは72000cmです。
「100倍だと小数点を右に2回移動、\(\frac{1}{1000}\) だと小数点を左に3回移動……」といった形なので、小学生も覚えやすいと思います。
面積と体積の単位換算も接頭辞を利用する
ここまで長さを例に説明しましたが、面積と体積の場合はどうでしょう。実は面積と体積の単位換算も同様で、基本をおさえれば、あとは接頭辞を利用して簡単に単位換算できます。
面積は2回、体積は3回かけたもの
面積や体積の単位をよく見てみましょう。面積(m2)はmの右上に2が、体積(m3)はmの右上に3がついています。これは「2回かけた」「3回かけた」という意味です。
面積は2回かけたもの、体積は3回かけたものということを理解しておきましょう。
接頭辞を応用して体積を単位換算する
では、次の例題で体積の単位換算をしてみましょう。
0.91m3=□cm3
m(メートル)という基本の単位をc(センチ)にするには右へ2回移動が必要ですね。
しかし、例題は体積を扱っています。
1m3はmを3回かけていました。ですから、2回の小数点移動を3回繰り返す必要があります。
2×3=6なので、右に6回小数点を移動させましょう。
答えは910000cm3です。
面積もこれと同様です。面積は2回かけているので、移動を2回繰り返すだけです。
やっかいな単位換算
ここまで接頭辞と基準の単位をもとに単位換算してきましたが、やっかいなものがあります。それは、重さのt(トン)、面積のa(アール)、体積・容積のcc(シーシー)です。
この3つの単位は「日常つかうと便利な単位なので、こうしましょうね!」と決められたもので、覚えるしかありません。
t(トン)、a(アール)、cc(シーシー)はこちらの記事【 t(トン)、a(アール)、cc(シーシー)の単位換算をわかりやすく解説 】に解説があるので、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
まとめ
単位は接頭辞と、基準の単位をおさえておけば、小数点の移動で簡単に換算できます。大人も記憶が曖昧になりがちな単位の話ですが、整理すればしっかり理解できる分野です。物事を整理して、法則を理解する。そして、それを利用するという学習方法は、子供の思考力を育む効果もありますから、ぜひご家庭で試してみてください。
※記事の内容は執筆時点のものです
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