中学受験ノウハウ 親の関わり方

子供の何を評価するかが大事! 勉強の意欲が上がる、ご褒美の効果的な与え方

2018年5月29日 鈴木恵美子

子供を勉強に向かわせるために「〇点取ったら」「ドリルが終わったら」などを条件に、ご褒美をあげることがありますよね。でもこれには反対意見も多く「ご褒美で釣らないと勉強しない子になるのでは?」と心配する親御さんも多いようです。ご褒美で子供の本当の力を伸ばすことはできるのでしょうか? キャリアアドバイザーとして多くの親子と面談を重ね、自身も娘と二人三脚で中学受験を乗り越えた花時弥生さんが、その体験をもとに本音でお答えします。

勉強に取り組む過程にご褒美をあげれば、モチベーションがアップする

勉強のご褒美については、親御さんによっていろいろなお考えがあり、賛否両論あると思います。ただ、私自身はご褒美をあげることの是非よりも、子供の何に対してご褒美をあげるのかがより重要だと考えています。

結果にご褒美では、やる気を削ぐことも

点数や成績などの「結果」に対してご褒美をあげるとどうなるでしょうか。たとえば算数が苦手な子に「50点を70点にしたら〇〇を買ってあげる」と約束すれば、当然子供は頑張ります。でも頑張れば必ず結果が出るかというと、それは別の話です。その時に「70点取れなかったから、約束の〇〇は買えないよ」と言われたら、子供のテンションは一気に下がってしまうでしょう。

結果がすべてだと、それが出なかった時に子供は次への意欲をなくしてしまうものです。受験が近付けば模試のたびに「何千人中何位」という、小学生にとっては残酷な結果が毎回出てきます。それを見た親に「先月から全然上がっていないじゃない」などと言われてしまったら、子供は本当に気の毒だと思います。

頑張った過程をよく見て、認めてあげたい

わが家のケースをお話しすると、結果に対してご褒美を設定することはしませんでした。「模試で〇点取ったら」ではなく、「〇〇を頑張ったら」という言い方をしていました。私にとっては結果よりも、子供が何かに取り組んだ過程が重要だったからです。それがたとえ点数につながらなくても、苦手なことに頑張って取り組んだ過程を親として認めてあげたい。それこそが子供の成長につながると考えていたので、きちんと評価しようとしてきました。

今も忘れられないのは、中学受験期の娘がある方の講演会に「どうしても行きたい」と言いだした時のことです。私は「じゃあ、苦手な理科を毎日頑張って勉強できたら行こう」と提案しました。1カ月頑張って、結果的にテストの成績は今ひとつ。でも娘が苦手なことに辛抱強く取り組んだので、ご褒美に講演会に連れて行きました。

この話には続きがあります。「1カ月頑張れたのだし、1年続けたら結果が出るかも」と、娘はその気になって理科に取り組み続けました。そして最終的に受験前の模試では、理科の成績が全国でトップクラスになったんです。やはり何でも継続することで力がつきます。続けるためにも、日々の頑張りをまず親が認めてあげることが子供のモチベーションアップにつながると思います。

日々過程を褒めてあげることで、親子の信頼関係が深まる

結果が出なかった時も、頑張ったプロセスに対して親が褒めてあげることは、子供に大きな安心感を与えます。それは子供のやる気を持続させるだけでなく、何か問題が起きた時、一緒に解決できることにもつながると思います。

親が結果にこだわると子供は安心できない

親が結果だけを評価するデメリットをもうひとつ挙げると、多くの子供は成績が悪かった時、叱られることを恐れて親に本当のことを言わなくなってしまうことです。なかには帰宅途中で答案用紙を破り捨ててしまったりする子もいると聞きます。でもそれでは、親は子供の問題点を把握することができません。

逆に親が常にプロセスを評価すれば、子供は結果が出なかった時も安心して親に報告してくれるようになります。それは私自身とても大切にしていたことです。子供が何かでつまずいた時に問題を共有することが何より大事だからです。

頭ごなしに怒らないから問題が共有できる

こんなことがありました。ある時、娘が「算数のテスト、0点だったよ」とすまし顔で帰ってきました。事情を聞くと白紙ではないのですが、途中式を書くのが面倒で書かなかった結果、0点になったというのです。本人は「答えが出ているのだから、数式なんて書かなくていい。先生がおかしい」と主張していました。

驚きましたが「途中の式を書かないと、提出前の見直しができません」「ミスを見直せないと、模試の成績は上がらないよ」とひとつひとつ説明しました。するとようやく納得してくれて、次からは計算式を書くようになりました。

この修正ができたのは、娘がどんな結果でも頭ごなしに怒られないと信じて、正直に話してくれるから。結果ではなくプロセスが大事だと、親子で共有していたからだと思います。親が「なぜ0点なの? 式を書かないとダメじゃない!」と叱ってしまっては、その後の深い会話はできず、問題点の根本的な原因にもたどりつけなかったかもしれません。

「ニンジン」も、ぶら下げ方次第

子供の鼻先にニンジンをぶら下げて、勉強を頑張らせるのは決して悪いことだとは思いません。努力する姿勢をよく褒めて、的確な時にご褒美をあげることは、子供を成長させることにもつながります。すぐに大きな飛躍はなくても、結果は後から必ずついてくることでしょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

本職はキャリアアドバイザー。大学主催の就職対策セミナーの特別講師として、大学生、大学院生を対象に講義を行う。仕事で多くの就職支援をする中で、大学生やその保護者との面談も多く、親子関係と教育についての考察を重ねていく。自身もひとりのママとして娘と中学受験を経験し、長女は名門中高一貫校へ入学。現在は志望大学の合格を目指して、再び長女と二人三脚で取り組む日々。現在は就職に関するアドバイザーのほかに、中学受験、大学受験についての相談に乗ることも多い。