学習 連載

「きまり」と「くり返し」|中学受験算数きほんの「き」!#1

専門家・プロ
2024年4月26日 さち

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さち先生&ドリさんのドリル算数コンビによる算数連載がリニューアル! さらに算数のきほんの「き」に注目して、算数は正直いって苦手・もう忘れちゃったという保護者の方にも、「へえ、算数ってこういうことだったんだ!」と思っていただけけるような視点で解説していきます。クイズのように楽しめる問題も毎度ご紹介するので、ぜひお子さんと一緒にチャレンジしてみてください。さち先生は幼児算数インストラクターの資格をもち、自身でも6歳・3歳の子育て中! 子どもを楽しませるアイデアが次々と登場するので、算数が苦手な受験生はもちろんのこと、まだこれから本格的に中学受験算数に入っていく低学年・中学年のお子さんの興味も、ぐぐぐっと惹きつけてくれますよ!

こんにちは!さちと申します。

普段は6歳・3歳の子どもを育てながら、中学受験算数のオンライン個別指導を行ったり、ドリるゼミ「計算くらぶ」で中学受験算数の計算添削をしています。

はじめましての方も、前の連載「中学受験算数の基礎力を伸ばす」に続いてお読みいただいている方も、どうぞよろしくお願いします!

さて、突然ですが質問です。

「中学受験算数」についてどのようなイメージをお持ちですか?

  • 特別な勉強をしていないとできないんでしょ?
  • なんだか難しそう
  • つるかめ算?方程式で解けば早いんじゃないの?

などと思われる方も多いかもしれません。

私自身も以前はこのように考えていました。(私は中学受験の経験がありません)

しかし、実際に中学受験算数を学んでみると、中学以降で学ぶ数学とはまた違った面白さや奥深さに夢中になりました。

また、算数を学ぶ過程で鍛えられる問題解決力・論理的思考力をはじめとする様々な力は、勉強はもちろん仕事にも活かせる一生もののスキルになると感じています。

この連載では特別な知識がなくても楽しめる中学受験算数の問題をお届けします。

  • 算数はどちらかといえば苦手
  • 算数なんてすっかり忘れてしまって……

という方でもご安心を!

お子さんと一緒に、お気軽にご覧ください。

第1回のテーマは「きまり」と「くり返し」です。

早速問題にチャレンジしてみましょう!

次に流れてくる「お寿司」は……?

<問題1>

とある回転ずし屋さんでは、ある決まりにしたがって次のようにお寿司が流れてきます。

次に流れてくるお寿司はまぐろ・たまご・いくらのどれなのか、予想してみましょう。

まずは、お寿司がどんな決まりにしたがって並んでいるのかを考えてみましょう。

そうです!

「まぐろ・たまご・いくら・まぐろ」のくり返しになっていますね。

最後は「たまご」なので、その次に来るのは「いくら」と予想できます。

くり返しをたてに並べると、よりイメージしやすくなります。

こんな問題、算数と関係があるの?!と思われるかもしれませんね。

ですが、「きまり(規則性)を見つける」というのは算数を解く上で最も重要な考え方のひとなんです。

「○▲記号」でも考え方は同じ

それでは次の問題です!

こちらは中学受験塾では4年生のカリキュラムに含まれている内容です。

低学年のお子さんでも、興味のある子はぜひチャレンジしてみてください。

<問題2>

〇、▲をあるきまりにしたがって左から順に次のようにならべました。

○、▲、○、▲、▲、○、▲、○、▲、▲、○、…

(1)左から29番目の記号は、〇、▲のどちらですか

(2)左から29番目までに▲はいくつありますか

それでは、(1)の解説です。
今回も、まずは「どんなきまりで記号がならんでいるか」を考えてみましょう。

(1)

順番に見ていくと、{○、▲、○、▲、▲}の5つの記号がくり返されていると気が付きます。

また、

29=5×5+4 なので、

「29番目までには{○、▲、○、▲、▲}の5つの記号のくり返しが5回あり、そのうしろに4つの記号がならんでいる」 とわかります。

くり返しをたてにならべると以下のようになるので、29番目は▲です。

答え.▲  

 続いて(2)の解説です。

(2)

1回のくり返しの中に▲が3こあるので、5回のくり返しに▲は

3×5=15(こ)

また、のこりの4つの記号の中には▲が2こあるので、▲は全部で

15+2=17(こ)

答え. 17こ 

チャレンジ! 数字がならんだ問題

最後に、もう一つ問題にチャレンジしてみましょう。

こちらの問題では数字がならんでいます。

算数っぽさが増したので難しそうに感じられる方もいるかもしれませんが、考え方は問題1や問題2と同じなのでご安心を。

まずは「数字のならびにどんな決まりがあるか」を見つけるところから始めましょう。

<問題3>

あるきまりにしたがって、左から順に次のように数字をならべました。

2 , 4 , 1 , 1 , 5 , 2 , 4 , 1 , 1 , 5 , 2 , 4 , 1 , …

左から38番目までの数字をすべてたすといくつになりますか

 それでは、解説です!

数字は{2 , 4 , 1 , 1 , 5 }の5つの数字のくり返しですね。

38 = 5×7+3

なので、38番目までには{2 , 4 , 1 , 1 , 5 }が7回くり返されていて、そのうしろに3つの数字がならんでいる」とわかります。

1つのくり返し{2 , 4 , 1 , 1 , 5 }の数字をたすと

2+4+1+1+5=13

さいごの3つの数字をたすと

2+4+1=7

なので、全部合わせて

13×7+7=98

答え. 98 

 まとめ

今回は「きまり」と「くり返し」をテーマにお届けしましたが、いかがだったでしょうか?

  • 1つめはお寿司
  • 2つめは○と▲
  • 3つめは数字

と異なるものがならんでいる問題でしたが、どれも「きまり」を見つけて「くり返し」に注目すると答えを導くことができました!

私たちの身の回りには

  • 曜日(月火水木金土日)
  • 月(1月~12月)
  • 干支の十二支

など、一定の「きまり」での「くり返し」があふれています。

  • 毎週木曜日の給食のメニューはカレーになってるな
  • 毎月1日はあのスーパーで卵が特売だ!

なども「きまり」の「くり返し」ですね。

算数というと数字や計算がまず思い浮かぶかと思いますが、「きまり」と「くり返し」を見つける力は中学受験算数では強力な武器となります。

あなたの周りにはどんな「きまり」の「くり返し」がありますか?

ぜひお子さんと探してみてください。

※記事の内容は執筆時点のものです

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