学習 国語

敬語はどんなときに使うもの? 丁寧語・尊敬語・謙譲語の違いを明らかにしよう

2018年5月30日 やまかわ

中学受験で出題される敬語は尊敬語・謙譲語・丁寧語です。小学校では、尊敬語や謙譲語を使わなければならない場面が少なく、これらの問題に対して「あまり使ったことのない言葉だからよくわからない」というように、苦手意識を持ってしまう子も多いです。しかし、この3つの敬語の違いを理解するのは決して難しいことではありません。今回は、お子さんが敬語の問題に強くなるためにどういった部分に着目していくべきなのかを紹介します。

実は無意識のうちにマスターしている丁寧語とはどんなもの?

尊敬語・謙譲語・丁寧語の区別をつけるためには、まずお子さんにとって、最も馴染みのある丁寧語がどんなものなのかを知ることです。この項では丁寧語について例文を交えて説明します。

先生に話すときや学習発表会などで使う語尾が丁寧語

中学受験の国語で出題されることのある敬語の問題は、主に以下のパターンで出題されます。

(1)空欄に適切な敬語を記入する問題
(2)文中の単語を指定された形の敬語に直す問題
(3)誤った敬語を見つけ出す問題

この3つの形式ですが、必要な知識を頭に入れて、落ち着いて問題を解けば、全問正解も難しくはありません。敬語をしっかり理解するためのファーストステップは、尊敬語・謙譲語・丁寧語の区別をしっかりと理解すること。まずはわかりやすい丁寧語から説明していきましょう。

【1】おはようございます。
【2】これから学習発表会を始めます。
【3】わたしの発表するテーマは○○です。

【1】は、学校の先生に朝の挨拶をするとき、【2】と【3】は学校で学習発表をするときに多くのお子さんが使うフレーズです。これらの文末にある「ございます・です・ます」が丁寧語に該当します。【1】では、話し相手の先生、【2】と【3】は聞き手である先生や同級生に対して敬意を払っています。

つまり、お子さんの多くは普段の学校生活のなかで自然と丁寧語を身につけているのです。尊敬語・謙譲語・丁寧語の中では、お子さんが最も身近に感じられる丁寧語から説明するとよいでしょう。

尊敬語と謙譲語違いとは? 不規則に変化する動詞もチェック

次のステップは、尊敬語と謙譲語の違いを把握すること。まずは、それぞれの言い回しの違いを知りましょう。

尊敬語と謙譲語の違いを見てみよう

丁寧語を理解したら、次のステップは尊敬語と謙譲語の違いです。中学受験で敬語の問題が出題される場合の多くが、この2つの言葉をしっかりとわかっているかどうかを確認してきます。まずは尊敬語と謙譲語には、それぞれどういった形の言葉があるのか見ていきましょう。

(1)先生がカレーライスをお作りになる。
(2)お客様が当店の商品を購入される。
(3)友人の誕生日会に先生をお誘いする。
(4)先生を会場にご案内する。

どれも基本的な形の敬語です。

(1)と(2)は、「お~になる」「~れる・られる」という形に当てはまる『尊敬語』。(3)と(4)は「お(ご)~する」という形の『謙譲語』です。このような定型に動詞を挟み込むことで、尊敬語・謙譲語ができあがります。

このほかにも、普通の言葉づかいを尊敬語・謙譲語にするときに、不規則な変化をする動詞も紹介しておきましょう。

尊敬語 謙譲語
する なさる いたす
行く おいでになる 参る
言う おっしゃる 申し上げる
見る ご覧になる 拝見する
思う お思いになる 存じる
聞く お聞きになる 承る(うけたまわる)
伺う(うかがう)
いる いらっしゃる おる
食べる めしあがる いただく
来る いらっしゃる 参る
着る おめしになる
くれる くださる
あげる さしあげる
訪問する 伺う(うかがう)

※「―」は特になし。『伺う』は、『聞く』『訪問する』の両方の謙譲語です。

学校で使ったことのある敬語というのは、なかなかないかもしれませんが、お子さんたちでも、どこかで聞いたことのある言葉が多いと思います。

尊敬語・謙譲語を見分けるカギは、「動作の主体が誰であるか」に注目!

尊敬語と謙譲語の言い回しの違いがわかったら、あとは「動作の主体が誰であるのか」を考えるとよいでしょう。そのコツはどこにあるのか、ありがちな引っ掛け例文も交えて紹介します。

主語が省略されている場合に要注意!

ここからは尊敬語と謙譲語の見分け方ですが、動作の主体が偉い人である場合は「尊敬語」を、動作の主体が「私(あるいは家族)」である場合は謙譲語を使います。以下の例文を見てみます。

■例文
(1)町長がお菓子をくださる。
(2)先生の作ったカレーライスをいただく。
(3)母が11時に伺います。

まずは、それぞれの文の動詞と主語を抜き出してみましょう。

まず(1)の動詞は「くださる」。主語は「町長」です。(2)は「いただく」が動詞です。早とちりなお子さんは、ここで主語を「先生」と答えてしまう場合もありますが、いただくのは先生ではなく、省略されている「私」が主語です。(3)は「伺います」が動詞で、主語は「母」となります。

以上のことを整理すると、(1)は主語が「町長」で偉い人なので尊敬語。(2)は主語の「私」が先生に対して敬意を払っているので謙譲語。(3)は誰か偉い人に敬意を払って、身内をへりくだらせているので謙譲語となります。

敬語問題へのアプローチを知って、国語全体の成績もアップさせよう!

敬語問題を理解するためには、はじめに丁寧語がどんなものなのかを知ること、次に尊敬語と謙譲語の違いを明確にしておくことです。尊敬語であれば主語は目上の人、謙譲語であれば自分あるいは身内の人間が主語、といったように理解すればOKです。

ただ、主語や動詞、述語を意識するということは、敬語に限った話ではありません。文法問題のみならず、現代文読解、将来的には、古文読解の際にも不可欠な視点になってきます。敬語問題で機会にこの考え方を身につけて、国語を得意科目にしていきましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

編集・ライター。学生時代から都内で6年間塾講師を務める。塾講師時代は、おもに作文・国語・英語の科目を担当。小学生から中学生までの指導にあたる。現在は編集・ライターとして教育関連をはじめ、街歩き・グルメ記事の執筆取材をおこなう。