【理科】春の大三角とは? 中学受験で出題される「星座」と「星」を簡単に覚えるコツ
春の大三角、夏の大三角、冬の大三角、秋の四辺形 ――。これらはすべて、明るい星を結んでできる“夜空の大きな図形”です。
たとえば春の大三角は、アルクトゥルス、スピカ、デネボラという3つの明るい星を結んでできる大きな三角形ですね。
ところで中学受験では、いくつの星座と星の名前を押さえたほうが良いと思いますか?
中学受験でまずシッカリと押さえるべき星座は18種類、星の名前は15種類です。
これらの星座や星の名前は中学入試でよく出題されますが、覚えるのがとても大変ですよね。とはいえ、頭に入りやすいように整理することでスッキリと覚えられます。
そこで今回は、春の大三角のような「季節の図形」をベースとする星座や、星の名前を覚えるコツを紹介します!
Contents
星座の覚え方
まずは、星座を覚えるうえで意識したいポイントを3つ紹介します。
- 「季節の図形」をベースに星座の全体像をつかむ
- 星座の「基本3点セット」を押さえる
- 「季節と星座の関係」を押さえる
ポイント[1]「季節の図形」をベースに星座の全体像をつかむ
以下の図のように、春夏秋冬すべての季節に季節の図形(星座の図形)が存在します。まずは、この「季節の図形」をベースに星座の全体像をつかみましょう。
まずは「大三角」が現れる、春・夏・冬の星座を押さえるのがポイント。そのあと、少しマイナーですが「四辺形」をベースとした秋の星座を押さえると効率よく覚えられます。
星座を整理するコツ
春の星座……春の大三角+1星座
夏の星座……夏の大三角+2星座
冬の星座……冬の大三角+3星座
秋の星座……秋の四辺形+1星座
無数に存在することから、頭の中がゴチャゴチャになりがちな星座も、こうして整理してまとめてみると一気にわかりやすくなったのではないでしょうか?
ポイント[2]星座の「基本3点セット」を押さえる
中学受験で覚えておきたい星座は、全部で18種類。とはいえ、星座の名前を覚えるだけでは中学受験で使える知識とはなりません。
それぞれの星座について、3つの基本的な知識も押さえておきましょう。
- 星座の形
- 星座の季節
- 一等星(名前と色)
星座の形
星座の基本その1は「星座の形」です。問題のなかに星座がいきなり登場し、設問が展開される入試もあるので必ず覚えておきましょう。
星座の形は、基本的にはギリシャ神話に出てくる人物や動物などの形をしています。オリオン座であれば「オリオン」という力持ちの狩人の形ですね。真ん中に3つ並んだ星も特徴的です。
星座の季節
星座の基本その2は「星座の季節」。中学入試では季節を絡ませた問題が頻出なので、星座と季節は必ずセットで押さえましょう。
たとえばオリオン座は「冬の星座」です。冬の星座とは、冬の真夜中に南の空に見える星座のことですね。
一等星(名前と色)
星座の基本その3は「一等星」です。
星座は、基本的には明るい星によって構成されていますが、最も明るい星は「一等星」と呼ばれています。
一等星に関しては、その名前と色を押さえましょう。オリオン座であれば「赤いベテルギウス」と「青白いリゲル」というふたつの一等星が含まれています。
*こちらの記事で紹介している「一等星の色」は、一般的に言われている色の名称を示しています
ポイント[3]「季節と星座の関係」を押さえる
中学受験では「季節と星座の関係」を正しく理解することも“超重要”です。
たとえばふたご座とオリオン座は冬の星座ですが、何が「冬」なのでしょうか?
冬の星座とは、冬の地球から見て、太陽と反対側にある星座のこと。下の図を見ると、地球が冬になったときに、ふたご座もオリオン座も太陽の反対側にありますよね。
ちなみに地球が冬のときは、夏の星座はほぼ見ることができません。夏の星座は太陽と同じ方向にあるので、太陽の光がじゃまをして見ることができないからです。
冬の地球を拡大してみると……?
「季節と星座の関係」について、もう少し詳しく見てみましょう。
冬の地球を拡大したのが、次の図です。
冬の星座は、太陽と反対の方向にありますね。これは「真夜中に南の空に見える」ということです。
実際、冬至の日の真夜中0時に南の空を見上げてみると、ふたご座やオリオン座などの冬の星座をすぐに見つけることができます。
季節ごとの星座と星を覚えよう!
「季節の図形」をベースに、四季ごとの代表的な星座と明るい星を見ていきましょう。
まずは、絶対に押さえておきたい「大三角」をベースとした春・夏・冬の星座から。その次に「四辺形」をベースとした秋の星座について解説します。
星座を整理するコツ
春の星座……春の大三角+1星座
夏の星座……夏の大三角+2星座
冬の星座……冬の大三角+3星座
秋の星座……秋の四辺形+1星座
星を整理するコツ
春の明るい星=4つ(一等星3つ+二等星1つ)
夏の明るい星=4つ
冬の明るい星=7つ
※秋の一等星はとくに覚えておかなくても大丈夫
春の星座 ―― 春の大三角+1
春に関しては、4つの星座を「春の大三角+1」として覚えましょう。
春の大三角に関連する星座は「うしかい座」「おとめ座」「しし座」の3つ、そして+1として押さえておきたいのが「おおぐま座」です。
ちなみに、おおぐま座のしっぽの部分は「北斗七星」と呼ばれています。北斗七星は、北極星を探すときにも使われますね。
春の星(4つ/一等星3つ+二等星1つ)
春の一等星は3つです。春の大三角の一角を担っている二等星の「デネボラ」も押さえておきましょう。
1、アルクトゥルス(だいだい)……うしかい座の股の位置にある
2、スピカ(青白)……おとめ座の左手の先にある
3、レグルス(青白)……しし座の前足の付け根にある
4、デネボラ(※二等星)……しし座のおしりの先にある
夏の星座 ―― 夏の大三角+2
夏に関しては、5つの星座を「夏の大三角+2」として覚えましょう。
夏の大三角に関連する星座は「こと座」「わし座」「はくちょう座」の3つ。そして、夏の星座として代表的な「さそり座」と「いて座」を押さえましょう。
夏の星(4つ)
夏の一等星は4つです。
夏の大三角を構成する一等星はすべて「白色」なので覚えやすいですね。一方、アンタレスだけは「赤色」です。
1、ベガ(白)……こと座から飛び出たところにある
2、アルタイル(白)……わし座の胴体の真ん中にある
3、デネブ(白)……はくちょう座のおしりの先にある
4、アンタレス(赤)……さそり座の胴体の真ん中にある
冬の星座 ―― 冬の大三角+3
冬に関しては、6つの星座を「冬の大三角+3」として覚えましょう。
冬の大三角に関連する星座は「こいぬ座」「おおいぬ座」「オリオン座」の3つ。そして、冬の星座として代表的な「ぎょしゃ座」「おうし座」「ふたご座」も押さえましょう。
冬の星(7つ)
冬の一等星は7つです。
春や夏に比べて一等星がやたらと多いので大変ですが、「(オリオン座を除いて)1つの星座に1つの一等星がある」と覚えておくのがおすすめです。
【冬の大三角と関連している一等星】
1、プロキオン(黄)……こいぬ座の胴体側にある
2、シリウス(白)……おおいぬ座の鼻の先っぽにある
3、ベテルギウス(赤)……オリオン座の右肩にある
4、リゲル(青白)……オリオン座の左足にある
【冬の大三角と直接は関係しない一等星】
5、カペラ(黄)……ぎょしゃ座の左肩あたりにある
6、アルデバラン(だいだい)……おうし座の右の角の付け根あたりにある
7、ポルックス(だいだい)……ふたご座の頭あたりにある
秋の星座 ―― 秋の四辺形+1
秋に関しては、3つの星座を「秋の四辺形+1」として覚えましょう。
秋の四辺形を構成している「ペガスス座」と「アンドロメダ座」の2つ、そして秋の星座として有名な「カシオペア座」を合わせた3つです。
秋の星
秋の一等星は、中学受験ではとくに押さえておく必要がありません。
秋に関しては、代表的な星座の形と名前をシッカリ覚えておきましょう。
一等星リスト
ここまで見てきた季節ごとの星座には、たくさんの一等星が登場しましたよね。
多すぎて覚えられない子は、次の「一等星リスト」を使って整理してみてください。
二等星の「デネボラ」を合わせると、中学受験で覚えておきたい星の数は全部で15種類。春×4、夏×4、冬×7と整理するとわかりやすいですね。
先ほども説明しましたが、星の名前だけでなく、色についても押さえておきましょう。
まとめ
中学受験ではたくさんの星座と星の名前を覚える必要がありますが、混乱してしまい、覚えるのに苦労する子は多いかもしれません。
こうした子は、今回紹介したコツも参考にしつつ、整理の仕方を工夫しながら効率的に覚えてみてくださいね。
星座を整理するコツ
春の星座……春の大三角+1星座
夏の星座……夏の大三角+2星座
冬の星座……冬の大三角+3星座
秋の星座……秋の四辺形+1星座
星を整理するコツ
春の明るい星=4つ(一等星3つ+二等星1つ)
夏の明るい星=4つ
冬の明るい星=7つ
※秋の一等星はとくに覚えておかなくても大丈夫
天体が苦手な子は、以下の記事もチェックしておきましょう。
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※記事の内容は執筆時点のものです
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