中学受験ノウハウ 連載 塾のトリセツ

塾のテストは何点取ればいいの? 目標はどのくらい?│中学受験塾のトリセツ#38

2024年5月22日 天海ハルカ

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学校のテストでは100点がめずらしくない子も、塾では60点しかとれないというケースはよくあります。
塾のテストの点数はおおむね学校より低いものですが、100点を取れるテストもあるので、そこはしっかり高得点を狙いたいところ。

実は、ひとくくりに「塾のテスト」といってもさまざまで、テストの種類によって目標点数も変わります。
今回は中学受験塾におけるテストの種類とそれぞれの目標点数について、お話しします。

目標点数はテストによって変わる

塾のテストの目標点数

目標点数はテストの種類によって変わります。

一口にテストと言っても、実施目的によってさまざまな種類があるんですよね。
大きく分けると、理解度の確認が目的の「確認小テスト」、レベル別のクラスを作るための「組み分けテスト」、そして志望校の入試形式に慣れるための「過去問」です。

国語の漢字テストや社会の歴史年号テストといった確認小テストは、事前に出題範囲がはっきりとわかっているため、満点を目標にできます。

組み分けテストは、自分が入りたいクラスの偏差値が目標です。
まずは一度受けて結果を見なければならないため、目標点数 を決めるのは二度目のテストからになりますね。

過去問の目標は「合格に手が届く点数」です。
高ければ高いほど安心ではありますが、ひとまず志望校の過去の合格最低点数を目標点数とするのが良いでしょう。

確認小テストの目標は満点

確認小テストとは、たとえば漢字テストや社会の歴史年号テストなどです。
多くの場合、事前に出題範囲がわかっていますし、準備をする時間も用意されています。
1年分のスケジュールをあらかじめ配布する、というケースもありますね。

初見問題や応用問題は含まれないことが多く、事前の勉強の成果がそのまま点数に反映されるため、クラスや偏差値に関わらず満点を目指せます。

ハイクラスでは、「満点を取るのが当然」という雰囲気のところも少なくありません。

ロークラスでは8割など目標値が設定されていると思いますが、その中で満点が取れると大きな自信になりますね。

実際に、過去、漢字テストでの高得点をきっかけに、苦手な漢字を頑張れるようになった子がいました。
普段は最高でも60点という子が、テストで一度95点を取れたことがうれしくて、授業前のギリギリまで漢字のテキストを見直すなど勉強に対する姿勢が大きく変わったんです。

科目に苦手意識がある子こそ、一度は確認テストに全力を傾けて、成功体験を積ませてみると、良い変化があるかもしれません。

組み分けテストの目標はひとつ上のクラス

組み分けテストの目標点数は、子どもが目標とするクラスの点数です。

多くの場合、テスト実施後にクラスごとの基準点数や偏差値がわかるようになっています。
それを見て、「足りていない点数を補うのに必要な勉強は何か」「目標を達成したから、さらに上を目指してみようか」と考えていくのが良いでしょう。

ではどのクラスを目標とするかですが、まずは「今のクラスのひとつ上」を目標とするのが現実的です。
もちろんクラス編成の偏差値基準は毎回変わりますが、常に今よりひとつ上に照準を合わせていくと、無理のない勉強ができると思います。

何点取れたら褒めるべきかについては、前回の子どもの点数を基準にします。
たとえ全体で見ると低い点数だったとしても、前回より上がっているところはしっかり褒めてあげたいですね。

また、国語や算数の大問1に多い基本問題の出来は、常にチェックしてほしいところ。
全体の点数が振るわなくても、基本問題ができているならそこは褒めるべきだと考えます。
普段の積み重ねが反映されやすい部分なので、「この調子で頑張ろう」と前向きな言葉をかけてあげてください。

反対に、全体の点数が良くても基本問題に間違いが多ければ注意が必要です。
なぜ間違いが多かったのか、しっかりと分析して直し作業をし、次はできるよう復習しておきましょう。

過去問の目標は合格最低点

志望校の入試対策として解く過去問は、合格最低点を目標にします。
合格最低点は、たいていの場合、学校のホームページや過去問をまとめた本などで調べられます。

学校のテストに慣れていると80点以下は低く感じるかもしれませんが、実際の合格点数はさほど高くないことが多いです。
多くの場合、合格最低点は6割~7割程度ですが、6割を切る学校もあります。
たとえば偏差値が60を越える難関校の芝中学校 では、昨年も一昨年も第一回試験は合格最低点が6割を切っていました。
言い換えれば、6割取れれば合格できる学校もあるということです。

まずは志望校の合格最低点 を確認し、それを1点でも2点でも上回ることを目指しましょう。

ちなみに、初めて過去問を解いたときの点数が3割程度ということはめずらしくありません。
過去問を解き始めるのは秋以降となり、そこで満を持して解いた結果が3割程度だとショックを受けるかもしれませんが、最初はみんなそういうものです。
徐々に過去問の形式に慣れ、解けるようになっていくことがほとんどなので、焦らず見守ってあげてくださいね。

具体的な目標を意識しよう

テストによって目標点数は変わります。
大事なのは「とにかく高得点」ではなく、具体的な目標を意識することです。
具体的な目標は勉強方針を決めるのに役立ちますし、達成感も得やすいですからね。

また、どのテストでも、点数で一喜一憂しすぎないということにも気をつけたいところ。
どんなテストでも、点数が低いと不安になってしまうものですが、最終目標は志望校合格です。

我が家でも、娘が「勉強しても点数が上がらないから」とやる気をなくしたことは数え切れません。
その度に、「今ではなくこれからを考えよう」と話をして、なんとか受験への気持ちが切れないようにしています。

「最終的に入試で合格点が取れればOK」というのは子どもを奮い立たせる言葉であり、親の気持ちを落ち着かせる言葉でもあると思います。
目標を意識しつつ、悪い点数は今後の勉強に生かし、良い点数は自信につなげて頑張りましょう!

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※記事の内容は執筆時点のものです

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