中学受験ノウハウ 親の関わり方

【中学受験に向けた計画の立て方】受験勉強スタートまでにすべきこと「小学校低学年」編

2018年6月29日 芋川健

中学受験で成功するために、欠かせないことを知っていますか? それは、いつまでに何をしておくべきか、受験当日から逆算した必須スケジュールを把握しておくこと。これを押さえておかないと、受験直前にシワ寄せがきて子供の心がポッキリ折れて…なんてことも起こり得ます。

そこで、中学受験を目指す親のお悩みアドバイザー・安藤由紀さんに、各年代でしておくべきことを聞きました。今回は「小学校低学年編」です。

「小学校入学前編」はこちら

小学校低学年で身に付けたい「家庭学習の習慣化」

さて、今回解説するのは「小学校低学年」編です。中学受験の入り口たる「小学校中学年」に続く重要な時期といえるでしょう。受験までの計画を立てるうえでこの時期も大切に過ごしていきたいものです。安藤さんが示すこの時期の目標は、

[1]家庭学習習慣を身につけること

[2]勉強の楽しさを気づかせること

という2つです。

「中学受験に向けて塾での勉強が本格化する4年生以上になると、勉強は量が多くなり、内容も難しくなってきます。そういう状態で家庭学習習慣が身についていないと、塾で習ったことが消化出来ない悪循環に陥ってしまいます。だからこそ、まだ量も質も負担の軽い低学年のうちに、頑張って学習習慣を身につけておきましょう」(安藤さん、以下同)

そのため、“朝起きたらやる”“夕食を食べた後にやる”“学校から家に帰ったらやる”といったように、何かとワンセットに時間を決めて習慣化していきましょう。

“考えさせる”テキスト選び。中学受験塾の通信講座がベスト

では、そんな家庭学習ではどんな教材を用いるべきでしょうか? 学校の宿題だけでは、毎日というわけにはいかなそうですし、漢字ドリルや計算ドリルだけでもたくさんあるので迷ってしまいます。

「私の息子もやっていたのが、通信教育です。親がわざわざ問題を探してきたり、スケジュールを組んだりしなくても、毎日行うべき課題をうまく割り振ってくれます。中学受験塾が出している通信講座が特にいいですね。例を挙げるなら、SAPIXが出している『ピグマキッズくらぶ』などがあります」

ただし、ちょっとした落とし穴も。中学受験塾が提供する通信講座はそもそも数が少なく、子供のレベルに合っているものを探すのが困難なこともあります。そこで安藤さんがテキスト選びの基準としてあげたのは「考えさせるテキスト」かどうかです。

「中学受験塾の通信講座がなぜいいのかといえば、『考える力』をつける問題が多いから。受験でも、その先の将来でも同じですが、覚える力より考える力が必要です。単純な暗記問題ではなく『どんな方法を使えば解ける?』と想像させるような質問が多いテキストを選びましょう。そういう想像を繰り返すうち、実生活でも『この仕組みはどうなってるのかな?』『サイコロの裏ってどうなってるんだろう』などと身近な事象に対しても関心や思考力が高まっていくものです。そうなると学習への意欲にもプラスに働きます」

勉強=楽しい!につなげるための親の関わり方

とはいえ、そんなガチガチに毎日勉強をさせると、勉強嫌いにならないか、ちょっと心配な気もします。安藤さんも「低学年で特に気をつけるべきなのは、勉強を嫌いにならないこと」だと語ります。だからこそ、欠かせないのが親の関わりなのです。

「特に1年生は、ついこの間まで幼稚園児。じっと座って、長時間黙って勉強ができるわけがありません。だから習慣化が必要なのですが、そのためには楽しめないと無理なのは当然のこと。そこでひとつの関わり方として、お母さん自身がいつも一緒に楽しんで考えてあげましょう。面倒に感じられるかもしれませんが、そこは親も考え方を変えないといけません。親に楽しもうという姿勢がない中で、子供にだけ楽しむよう強いるのは矛盾があると思います。

そして、学習とセットで行うべきなのが『褒めること』。家庭学習の中で「昨日より漢字のとめはねがよくできているね!」「百ます計算がんばったね!前回より速くなったね!」など、具体的にできたことや頑張りを褒められるということは子供にとってひとつの成功・達成体験になります。その体験が「学ぶって楽しい!もっと知りたい!」という感情につながるのです」

ただ、思うようにいかないのが子供というもの…。毎回親の関りがうまく作用するわけではありません。ときには途中で投げ出してしまうこともあるでしょう。そんなとき、親としては、キーッ!と血が上ってしまったり、『他の子はやっているのに…』と他人と比べてしまいがちです。

「でも、そこは意識を変えていかなければいけないところです。

たとえば子供が言うことを聞かないときは『この子が反抗してくるのは、私を成長させるため』と自分に言い聞かせ、冷静に子供の気持や接し方をしっかり考えてみましょう。

結果、親も人として成長していくことができます。親子がともに内面的な成長を得ることも中学受験に臨む際には大切なことです」と安藤さんは語ります。

なお、家庭での学習時間に関しては「子供によってそれぞれだから、そこまで気にしなくていい」とのこと。とくに小学校1、2年生は小学校の環境に慣れていないため、まずは様子を見て、厳しく時間制限せずに、楽しんで取り組んでもらうことを目標としましょう。短時間しか学習しなくてもまずはよしとしてあげてください。それに、「楽しい」と感じられさえすれば、いずれ解くスピードが速くなったり、集中して長時間取り組めるようになるといいます。まずは「毎日楽しく勉強」を目標にしましょう。

子供が勉強を楽しめるかは「親」次第

小学校低学年の教育目標は、「家庭学習の習慣付け」と「勉強=楽しいと気づかせること」です。そのためには、思考力が高まるテキストで、親子で決めた時間に、楽しんで勉強できる環境を親が用意してあげることが重要です。親の役割は、テキストを与えて終わり、ルールを作って終わり、ではないということを十分に心得てください。

※記事の内容は執筆時点のものです

安藤由紀

Mother α主宰。子供の中学受験を目指す親のお悩み解決アドバイザー・(厚労省認可)青少年ケアストレスカウンセラー。受験生の親のアドバイザーとして、合格という目標に向かい行動できる子供の育て方の指導、親子関係の構築について多くの保護者をカウンセリング。また、実際に自身の息子二人の中学受験を経験し、それぞれ難関校に合格させている。その経験や独自のメソッドによって、中学受験生のための家庭学習法を指導し、成績アップのノウハウをアドバイスしている。スポーツ心理学に基づくメンタルトレーニングによる「子供が入試本番で力を発揮するための指導」でも実績をあげている。

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この記事の著者

編集者・ライター。医療系出版社の雑誌編集を経て、フリーペーパー『R25』編集部に2017年まで在籍。現在はビジネスからライフスタイルメディアまで幅広く、編集・ライティングを行っている。