学習 国語

日常会話だけでなく、文章読解に重要な「こそあどことば」をマスターしよう

専門家・プロ
2018年7月09日 鈴木恵美子

「これ」「それ」「あれ」「どれ」などの「こそあどことば」は、国語では「指示語」といいます。「こそあどことば」は日常会話である程度は自然に身につきますが、理解が曖昧だと相手が何を指しているのかがわからず、授業の解説についていけなかったり、文章を正しく読めなかったりすることがあります。「こそあどことば」が得意になる方法について、一人ひとりの個性と向き合い「勉強のやり方」を教える塾、プラスティー教育研究所に聞いてみました。

小学校の低学年までに理解したい「こそあどことば」の基本

会話や文章の中でモノや場所、出来事などを指すときに使う「こそあどことば」は、話し手からの距離に応じて変化する法則があります。小学校低学年までに基本を覚えて、上手に使い分けられるようにしましょう。

●こそあどことばの基本

・こ(これ、この、ここ、こんな)…自分に近いものを指す。

・そ(それ、その、そこ、そんな)…話し相手に近いものや、すでに話に出てきたことを指す。

・あ(あれ、あの、あそこ、あんな)…自分からも話し相手からも遠いものを指す。

・ど(どれ、どの、どこ、どんな)…内容が分からないものや、すべてのものを指す。

「こそあどことば」は遊びで正しい使い方を覚えましょう

こそあどことばは、ジェスチャーを交えると感覚的に捉えやすいもの。子供と一緒に会話をしながら、ゲーム感覚で学んでいきましょう。

①ジェスチャーと一緒に、会話で覚える

例)手元を指しながら「これ」、少し離れたところを指しながら「それ」、遠くを指しながら「あれ」、困った顔で「どれ?」

②手元や近くにあるものを指して、1文で例文をつくる

例)「これ、すごくおいしいね」「それ、取ってほしいな」

※例文をつくったら、「これって何?」「それって何?」と子供に指示対象を聞いてみましょう。

③この場にはないものを入れて、2文で例文をつくる

例)「昨日、友達と映画を観たよ」「それはとても楽しい映画だったよ」

「この前、大きな川へ行ったよ」「あそこにはとても大きな魚がいるよ」

「飼っていたネコがいなくなっちゃった」「どこへ行ったんだろう」

④親が「ど」で質問→子供が「こ/そ/あ」で答えるクイズ形式で

例)「〇〇くんが好きなお菓子は、どれ?」→「(近くにあるなら)これ!」

例)「〇〇ちゃんの好きなぬいぐるみは、どこ?」→「(少し遠くにあるので)あそこ!」

4年生以降の文章読解では、指示語(こそあどことば)の対象をつかむことが大事です

「こそあどことば」=指示語は、文章の中で重要な役割を持つ言葉です。文章を読解するには「これ」「あれ」などの言葉が文章中の何を指しているかを読み取ることが非常に大切になります。指示語の指示対象が分からないと、大事な部分がわからないまま文章を読み進めることになり、大意をつかむことが難しくなってしまいます。

指示語に注意すると文章の理解度が深まる

指示語をひとつずつ意識して文章を読み進めることで、「この『これ』は何を意味するんだっけ?」と注意深く読み返すことにつながります。それは文章の内容をつかみ、より深く理解する手がかりになります。また長文読解の設問でも、指示語が「何を示すか」という問いはよく出題されます。長文での指示語の使われ方には、下のような例があります。

・「これ」「それ」「このような」「そのような」など→これまでの主張をまとめる一文。

例)「このような方法で、私たちは川を守ることができるのです」……それより前の記述部分に指示対象がある。

・「どれ」「どのように」など→あえて疑問形にすることで、それ以後の主張を強調する文。

例)「では、森林はどのように私たちの環境を守っているのでしょうか?」……直接指示はせず、テーマ出しをしている。これより後に重要な結論があることを示す。

指示対象を、元の文に当てはめて確認しよう

指示語に強くなるにはまず、文章を読んでいて指示語を見つけたときに印を付けてみましょう。さらに、設問で問われていなくても、指示対象を探して、指示語と指示対象を線で結ぶ習慣をつけましょう。指示対象は原則としては「指示語より前」にありますから、まず指示語の前段のより近いところから探すのがコツ。ただし指示語より後に指示対象があるケースもあるので、指示語より前に対象が見つからないときは後ろへと探す対象を広げます。

もうひとつ大事なのは、答えを探し当てたら必ず指示語の「これ」や「それ」のところに当てはめて、おかしくないかどうか確かめてみること。「これだ!」と思っても、実際に入れてみると意味が通らないことは意外とあるものです。当てはめて確認することで、指示語の仕組みがより深く理解できるので、ぜひやってみてください。

指示語が指すものを常に考えさせよう

「こそあどことば」の示すものを注意深く考えることは、会話や文章の流れをつかむのにとても役に立ちます。子どもが国語の文章問題に取り組んでいるときなどに「ここに書いてある『そのこと』ってなんのこと?」と声かけをしてあげてください。そんな積み重ねが、文章読解力アップに効果を発揮するでしょう。

 

※記事の内容は執筆時点のものです

代表の清水章弘が設立。「勉強のやり方を教える塾 プラスティー」を東京・飯田橋と京都・烏丸御池で運営している。勉強内容だけではなく、勉強のやり方を体系的にまとめた「学習コーチ指導」を展開。小学生から高校生・浪人生まで、学校についていけない生徒から最難関校を受験する生徒まで、生徒1人ひとりの力を伸ばす指導は父兄からも大きな信頼を集めている。

代表は青森県三戸町教育委員会学習アドバイザーを務める。代表著書に『中学生からの勉強のやり方』(ディスカバー・トゥエンティワン)、『東大生が知っている!努力を結果に結びつける17のルール』(幻冬舎)、『現役東大生がこっそりやっている、頭がよくなる勉強法』(PHP研究所)など多数。著書は海外でも翻訳されている。

プラスティー教育研究所:http://plus-t.jp/