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中学受験でありがちな非効率な勉強法【国語編】「埋めて終わり」「解いたら次」はNG!

専門家・プロ
2018年7月09日 鈴木恵美子

国語は中学受験の主要科目。だから時間をかけて一生懸命勉強しているはずなのに、なぜかテストの成績に表れない。それはもしかすると「非効率な」学び方が原因かもしれません。中学受験で陥りがちな間違いだらけの勉強法と、それを改善するポイントについて、1人ひとりの個性と向き合い「勉強のやり方」を教える塾・プラスティー教育研究所に聞きました。

「非効率な勉強法」にしないための傾向と対策

中学受験に挑戦する小学生を教えていると、「この子は頑張っているけど、この方法では伸びないなあ」と感じることが時々あります。勉強の方向性がちょっと違うだけで、せっかくの努力が身にならないなんてもったいないですよね。ここではそうした「効率の悪い勉強法」として2つの例を挙げ、さらにその対策をご紹介します。

【非効率な勉強法:ケース1】漢字をただひたすら繰り返し書いて終わり

国語力アップに欠かせない漢字の読み書き。漢字を何度も書き、数をこなして覚えるのは大事ですが、それがただの「作業」になってしまうと書いたわりに頭に入っていないということがよく起こります。「先生に言われた通りページを全部埋めた」「お母さん、今日は漢字を〇回書いたよ!」で満足して終わってしまっていないでしょうか?

【ケース1の対策】小さなテストを繰り返して、頭に定着させよう

書いたわりに覚えていないというケースの対策としておすすめなのが、書いた漢字を覚えたかどうか自分で試しながら進めていく勉強法です。たとえば、次のような方法があります。

・漢字を1個書いたら、見えないように手で隠して次を書いてみる。→きちんと1回で覚えようとします。
・漢字を5個書いたら、5個分の小テストを自分でやってみる。
・その日に練習する漢字を全部書き終えたら、すべての漢字の小テストを自分でやってみる。→今まで書いてきた字を覚えているか確かめます。

漢字の書き取りの目的は「何も見ないで書けるようになる」ことです。やりっぱなしにせず、最後にできるようになったか小テストでチェックして終わるようにしてみてください。小テストについては、最初は漢字2~3個から始めて少しずつ一度にテストする個数を増やしていくなど、自分なりにアレンジしていくとよいでしょう。

【非効率な勉強法:ケース2】解いた問題の丸付けや直しをしないまま、新しい問題をひたすら解く

もうひとつ陥りがちなのが、「丸付けや見直しをせずに次々と新しい問題に進んでしまう」こと。とりあえず鉛筆を動かして、「よし解き終わったぞ!」と満足してしまうのは、問題を解くこと=勉強だというイメージが強いからなのでしょう。

しかし、実は問題を1回解くことはただの「作業」でしかありません。言い換えるなら「勉強の準備」でしかないのです。問題を解いたら必ず答え合わせの「丸付け」をして、できなかったところを見つけ、それをできるようにすることが本当の「勉強」なのです。

【ケース2の対策】できなかった問題をチェックし、振り返りをしよう

問題を解いた時は必ず答え合わせの「丸付け」をするようにしましょう。そして、できなかった問題に関しては「なぜできなかったか」を確認し、もう一度解き直しをすることが大事です。

・漢字や言葉の問題の場合

1)ノートに答えを書いたら丸付けをし、できなかった問題にチェックを入れる。

2)翌日もしくは次の勉強日に、できなかった問題のテストからもう一度やってみる。

・文章問題の場合

1)選択肢で答える問題が間違っていた時は、自分の考えのどの部分が合っていて、どの部分が違っていたのかを、解説を読んで分析する。

2)記述問題については、どんな要素を入れるべきだったのか模範解答や解説文を読んで考えてみる。

ただ記述問題については、国語がとても得意な子でないと自分でチェックまで行うのは難しいかもしれません。親がサポートしてあげるか、塾の先生の採点にお任せしても良いでしょう。

非効率な勉強法を回避するには、「出題」から「振り返り」まで親がサポートを

中学受験に向けて国語力をつけていくため、上にご紹介した勉強法はぜひ取り入れて欲しいのですが、子供によっては難しいこともあります。その場合は親がサポートして、一歩ずつステップを上がっていくとよいでしょう。

音読は、国語が苦手でも取り組みやすい

普段から本を黙々と読むのが好きな子や、集中力が続く子であれば、上にご紹介した勉強方法は、本人にお任せでも可能でしょう。必要な時に、親が記述問題の答え合わせや、解説をしてあげるくらいで大丈夫です。

ただ、低学年〜4年生くらいまでの子や、国語が苦手で文章に集中して向き合えない子は、文章問題をひとりで勉強するのは難しいものです。その場合は、問題を解く段階から親が「読み聞かせ」でサポートするとよいでしょう。

最初は、出題文(文章)と問題文(設問)を親が読み聞かせて、子供が解いたら答え合わせと解説をすることから始めます。親が設問を先にチェックし、文章の必要なところだけを読んで解かせてもかまいません。それができたら、子供自身に音読をさせて問題を解かせます。これを繰り返して慣れてきたら、最後は普通の読解の練習のように、一人で黙読しながら問題を解くことに挑戦させます。

親のサポートを少しずつ減らし、「集中力のハードル」を一段ずつ上げていくことで、初めは苦手でも文章問題への苦手意識も少しずつなくなっていきます。その結果、自分ひとりで問題に取り組み、振り返りもできるようになっていくことでしょう。

学んだことを頭に定着させるまでが勉強

単純な作業ではなく、「今までできなかったことができるようになる」のが勉強。国語に限らず、全科目に共通することですが、学んだことを自分の中に定着させるまでがワンセットなのです。それを忘れずに実行すれば、同じ時間机に向かっていても学習効果はグンと上がることでしょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

代表の清水章弘が設立。「勉強のやり方を教える塾 プラスティー」を東京・飯田橋と京都・烏丸御池で運営している。勉強内容だけではなく、勉強のやり方を体系的にまとめた「学習コーチ指導」を展開。小学生から高校生・浪人生まで、学校についていけない生徒から最難関校を受験する生徒まで、生徒1人ひとりの力を伸ばす指導は父兄からも大きな信頼を集めている。

代表は青森県三戸町教育委員会学習アドバイザーを務める。代表著書に『中学生からの勉強のやり方』(ディスカバー・トゥエンティワン)、『東大生が知っている!努力を結果に結びつける17のルール』(幻冬舎)、『現役東大生がこっそりやっている、頭がよくなる勉強法』(PHP研究所)など多数。著書は海外でも翻訳されている。

プラスティー教育研究所:http://plus-t.jp/