中学受験ノウハウ 親の関わり方

プログラミング学習が必修化はなぜ? 保護者はどうすればいい?

2018年7月12日 水野若葉

2020年から、小学校でのプログラミング学習が必修化されることになりました。技術やライフスタイルが急速に変化している現代では、学ぶべきスキルも変わってきたということでしょう。

とはいえ、これまでITに馴染みのなかった方からすれば、「プログラミングってそもそも何?」「どうして必修化までしなきゃいけないの?」と感じることも多いはず。

今回は、プログラミング学習が必修化された背景と予想される展開、今からご家庭で何をすればよいか、についてご紹介します。

なぜプログラミング学習が必修化したの?

プログラミング学習が必修化された背景について、問題となった「子供たちの理科離れ」と、いま世界を大きく変えつつある「第四次産業革命」をキーワードにみていきましょう。

国の競争力に関わる「子供たちの理科離れ」

まずは「子供たちの理科離れ」についてです。これは2000年ごろに明らかになった問題で、経済協力開発機構(OECD)や国際教育到達度評価学会(IEA)の調査結果で、「理科が好き」「将来科学を使う仕事がしたい」と答える子供の割合が、日本は先進国の中で最下位であるとわかったのです。

科学力は、国としての競争力に大きく関わります。科学に興味を持てないまま大人になれば、当然、科学者になろうとは思わないでしょう。そこで、子供たちが科学や技術に興味を持てるようなカリキュラムが模索され始めたというわけです。

世界を変える「第四次産業革命」

一方、2011年にはドイツで国家戦略プロジェクト「インダストリー4.0」がスタートしました。これは工業のデジタル化を進めることにより生産性をアップさせる試みですが、企業ではなく国が介入したことのインパクトは大きく、世界各国がこれにならった政策をスタートさせました。

日本もまた例外ではなく、IoT技術やビッグデータの活用、AIの開発などをはじめとし、デジタル化を推し進めていこうとしています。

新たなカリキュラムで子供たちを伸ばす

以上のような流れを受けて、理工系の人材はますます求められるようになってきています。そこで、教育の見直しが必要となったわけです。子供たちへのプログラミング学習必修化も、この大きな流れの一環と言えるでしょう。では、実際に学校現場では、どのようなことが起こりうるのでしょうか。

一人一台、デジタル端末を持っている環境が目標

文部科学省が行った「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」では、生徒がそれぞれ一台ずつ、教育用コンピュータ(タブレットなど)を常時使える環境を実現することが目標として掲げられています。

デジタル教材や家での学習を視野に入れると、学校にいる間だけ学校設置/貸出の機器を利用するスタイルでは意味がないからです。とはいっても、公立の学校では費用面の負担などから普及が進まず、今後の課題となっています。

先進的な取り組みは私立中学から

私立中学の中には、さっそく、EdTech(エドテック=最新の情報技術を教育分野に適用したもの、具体的にはデジタル教材や学校用アプリなど)の導入を進めているところも数多くあります。

学習のスタイルも変化しており、反転学習(あらかじめ家で予習してから学校へ行き、授業では予習に基づいた発展的な演習などを行う学習法)を取り入れるなど、先進的な取り組みをしているようです。

今から何をすればいい?

このように、プログラミング教育への準備は少しずつ進んでいます。では、家庭ではどのような準備をしておけばよいのでしょうか? とくに、親がパソコンに詳しくない場合、どんな形で関わればいいのでしょうか。

プログラミングは「パソコンの使い方」ではない

まず知っておきたいのは、プログラミング教育は「パソコンの使い方を学ぶこと」ではないということです。

プログラミング教育で問われるのは、「論理的思考力」と呼ばれるものです。たとえば、「Aが起これば、Bが起こる」「この場合ならこれが起こり、この場合ならこうなる」……といった手順を考える能力などが、プログラミングでは求められるわけです。

ですから家庭でも、「なぜこうなったと思う?」「次はどうしたらいいかな?」と問いかけるなど、子供に考えさせるような会話を増やすといいでしょう。そういった声かけを通して、プログラミング教育の下準備をすることができます。

不安ならプログラミングスクールを体験するのも

声かけだけでは心配、という場合は、プログラミング教室などをのぞいてみるのもいいでしょう。実際にパソコンやロボットに触っておけば、ITに対する抵抗感や苦手意識をなくすことができ、いざ学校で取り組む際にもスムーズに授業を理解できるでしょう。

また、親の方も、スクールの授業を見学することで「なるほど、こういうものなのか」と知っておくことができます。実際にスクールに通わせている保護者からは、「とても活発に取り組んでいた!」「ロボットなんて難しいと思っていたので、意外だった!」という声もよく聞かれます。「うちの子には無理なんじゃ……」と不安がある場合は、こうしたスクールを頼ってみるのも一つの手です。

まとめ

今回は、2020年に必修化するプログラミング学習についてまとめました。これまで馴染みのなかった教科である分、「ついていけるかな」「内容がわからなくて、不安」と感じる方も多いでしょう。

けれども、プログラミング学習の目的は、論理的思考力、科学系人材の育成にあり、特別なものだと考える必要はないのです。新しい学びを受け、時代を引っ張っていく子供たちに期待が高まりますね。

参照元:『数学・理科の学力等に関する国際的な調査について/文部科学省』http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/014/siryo/attach/1401344.htm

参照元:『2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会/文部科学省』http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/28/07/__icsFiles/afieldfile/2016/07/29/1375100_01_1_1.pdf

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

過去、学習塾の個別講師として、関西の最難関校(灘、甲陽、神戸女学院、四天王寺)志望者の指導にあたる。一方で、学校内容の補習や不登校の生徒の指導も行う。保護者相談も担当し、リアルな生徒・保護者の声と向き合った経験を生かして現在は教育ライターに。