中学受験ノウハウ 親の関わり方

【中学受験に向けた計画の立て方】受験勉強スタートまでにすべきこと「小学3年生」編

2018年7月12日 芋川健

中学受験で成功するために、欠かせないことを知っていますか? それは、いつまでに何をしておくべきか、受験当日から逆算した必須スケジュールを把握しておくこと。これを押さえておかないと、受験直前にシワ寄せがきて子供の心がポッキリ…なんてことも起こり得ます。そこで、中学受験を目指す親のお悩みアドバイザー・安藤由紀さんに、各年代でしておくべきことを聞きました。今回は「小学校3年生編」です。

「小学校入学前編」「小学校低学年編」はこちら

小学3年生は、最初にぶつかる“勝負の年”

前回、前々回で押さえたのは、あくまでも基礎固め。小学3年生時点では、それを継続しつつ、本丸とも言うべき「中学受験塾への入塾」を見すえた準備をスタートさせます。

「進学塾では新4年生(3年生の2月)から、中学受験のカリキュラムがはじまります。ご家庭によっては新4年生から入塾をするかどうか、迷っていることでしょう。しかし、子供にその気があるかどうかは別として、親の視点で『私立中学のメリット』や『進学塾』について真剣に調べるべき。なぜなら、調査不足のために手遅れになってしまうことが往々にしてあるからです」(安藤さん、以下同)。

じつは安藤さん自身、息子さんの受験で“希望していた塾の夏期体験の申し込み時期”を情報収集不足で逃してしまったという経験があるそうです。すこしでも中学受験を意識しているのなら、新3年生になる前から気を引き締めましょう。

それでは大まかな入塾までのスケジュールを押さえ、それぞれのポイントを紹介していきます。

【〜4月】中学受験に関する情報収集

「遅くとも4月には、中学受験とはどういうものか、どんな中学校があるのかなど、情報収集を始めてください」と安藤さん。費用、労力、親の負担など、あらゆる方向で調査をして、自分の家庭ならどうだろう? と考え始めましょう。

「まずはご夫婦で話し合うことが大切です。もし母親は賛成、父親は反対と意見が割れると、その後の受験生活も家庭もうまく行かなくなってしまいます。ここでよく話し合うことが、その後順調に進めるポイントのひとつとなります。そのうえで、子供にも『中学受験という道があること』を話して、中学受験の存在を伝えましょう」

【5〜6月】中学受験塾主催の全国テストの受験

5〜6月に試しておきたいのが、大手進学塾の小学3年生用の全国テスト。ここでの親の目的は、

[1]子供の可能性の目安(全体で何番くらいか?)

[2]子供が点数へのこだわりや、勉強で人に勝ちたいと思う気持ちがあるか

を確かめることです。

「ポイントは、日能研主催の全国テストなど、参加者が多いテストを受けること。それまで子供が経験してきたのは、小学校の授業中に出される復習テスト程度です。公文などの教室に通って、正確な計算ができる子供もいるでしょう。けれど、それでも『中学受験をする可能性のある子供たち』の中でどれほど結果が出せるかは、未知数です」

首都圏では、中学受験をする子供は6人に1人と言われます。中学受験に必要な学習内容はもちろん、選抜された相手との競争となるので、学校での成績はあまり当てにならないのです。

「そして、子供の“現在位置”を把握するとともに重要なのが、テストを受けたときの“子供の反応”です。

『テストを受けても何も気にならなかったか?』

『テストの雰囲気は嫌だったか?』

『自分の成績が目に見えるのは嫌か?』

『自分の成績が何位で何点なのかが気になって仕方ないか?』

など、受験と対峙するときの姿勢が見えてきます。成績と性質を早いうちに確認することで、親の心構えも変わってくると思いますよ」

【7〜9月】中学受験塾の体験・塾選び

「夏期講習の時期、多くの中学受験塾では、小学3年生を対象として授業体験が行われます。子供が行きたいと思える塾か、そうでないのか、しっかり感じ取ってもらいましょう。そして、そもそも中学受験をするのか、どの塾に入るかを、子供に決断してもらいます。このとき、私立・公立中学の違いを比較してしっかり説明してあげることが大切です」

なお、「最終的には子供が決めるべきですが、親視点でも必ずわが子にとっての塾の良し悪しをチェックして親子で相談すべき」と安藤さんは語ります。最も重点的にチェックすべきなのは、「行く予定の塾の校舎の合格実績」と「テキスト」です。

「解説が不十分なテキストだと自主的な家庭学習ができなくなってしまいますし、校舎の合格実績が伴わないと6年生まで通わせたのに受験間近になって志望校対策ができず、最終的な転塾の時期も過ぎているため困ることに。この2つは必ず押さえておきましょう」

【9〜1月】入塾テスト準備・入塾テスト

そして、ついに入塾テストに挑みます…! が、ここで安藤さんからアドバイス。

「入塾時から出来るだけ上のクラスに入れるようにしましょう。そのために、入塾テスト用に準備したほうがいいです」

実は1番下のクラスから3年間をかけてトップクラスに這い上がっていくのは、予想をはるかに超える負荷がかかるそう。並大抵の努力では実現できないと言います。

「入塾テストは、小学校のテストとは異なります。馴染みのない問題に焦ってしまい、力が出せないことも少なくありません。テストを受ける3ヶ月前を目安に準備をスタートすることをおすすめします。できれば、入塾テストの過去問を知り合いに頼んで入手したり、傾向を聞いたりしましょう。それほど、入塾時のスタート地点というのは大切なんです。

テストの準備には、

・中学受験塾の毎日課題のある通信教材なら、小1~3の課題を続けて勉強

・漢字や計算問題は、4年生までの内容を先取りして勉強

・過去の入塾テスト問題が手に入れば、解いて問題のタイプに慣れていく

という3点を押さえると良いですね」

【2月】入塾

「そうしていよいよ入塾です。新4年生になる2月から入れるとベストですね」

「塾選び」をする大切な1年。準備万端で入塾テストに臨みたい

小学校3年生は、中学受験の本格的なスタートです。何事も準備がその後の出来を決めるのと同じ。その後、3年間を一緒に歩む塾を決めなければいけません。そのためには、常に情報収集を繰り返しましょう。そして、同時に子供の意思にも耳を傾けるのです。そのような準備を経て、ようやく準備が整っていきます。

 

※記事の内容は執筆時点のものです

安藤由紀

Mother α主宰。子供の中学受験を目指す親のお悩み解決アドバイザー・(厚労省認可)青少年ケアストレスカウンセラー。受験生の親のアドバイザーとして、合格という目標に向かい行動できる子供の育て方の指導、親子関係の構築について多くの保護者をカウンセリング。また、実際に自身の息子二人の中学受験を経験し、それぞれ難関校に合格させている。その経験や独自のメソッドによって、中学受験生のための家庭学習法を指導し、成績アップのノウハウをアドバイスしている。スポーツ心理学に基づくメンタルトレーニングによる「子供が入試本番で力を発揮するための指導」でも実績をあげている。

【Mother αウェブサイト】http://mother-a.com/
【Mother αブログ】http://mother-a.com/blog/
【無料メルマガ】http://mother-a.com/04free.php
    

この記事の著者

編集者・ライター。医療系出版社の雑誌編集を経て、フリーペーパー『R25』編集部に2017年まで在籍。現在はビジネスからライフスタイルメディアまで幅広く、編集・ライティングを行っている。