中学受験ノウハウ 習慣づけ

子供の成長を導く! 意外と知らない読書の効能

2018年7月19日 石井知哉

「読書は子供の教育に良い」という話は昔からよく耳にしますが、「いまひとつピンと来ない」という方も多いのではないでしょうか。そこで、意外と知らない読書の効能について解説します。

読書で伸びる子供の「学力」

読書を通じて伸ばせる力は「語彙力」「読解力」「表現力」「論理的思考力」と、多岐に渡ります。国語だけでなく、算数、理科、社会にもつながりますし、もちろん、中学受験でも有用です。

しかし、それだけではありません。読書には、「テストの得点」という「目に見える成果」に留まらず、子供の成長を大きく引き出す効能があるのです。

 読書は子供の「想像力」を養う

犬は喜び庭駆け回り、猫はこたつで丸くなる。さて、この犬はどんな大きさでしょう? 猫は何色の毛でしょうか?

もちろん、正解は1つではありません。「犬」はハスキーのような大型犬でも、チワワのような超小型犬でも、ビーグルのような中型犬でもアリですし、「猫」は白、黒、三毛のいずれでも正解です。つまり、答えは人それぞれ。

このように、読み手が自由にイメージ可能なのが文章の特徴であり、読書の楽しみです。

読書好きな子は想像をあれこれ膨らませることができます。「場面や情景」を思い浮かべるだけでなく、「他者の気持ち」を汲み取り共感する力にもつながります。アニメや実写ではイメージがひとつに固定されがちで、良く言えばわかりやすく、悪く言えば想像力がはたらません。

読書は子供の「世界」を広げる

本の中は現実から遠く離れた「別世界」です。たとえば、

[1]戦争中に動物園から脱走しないように処分されてしまう象の話 → 太平洋戦争当時の日本

[2]飼い主から捨てられたロバが音楽隊に入ろうと、イヌ、ネコ、ニワトリと旅する童話 → ドイツのブレーメン地方

[3]いたずら好きの少年が遠足を抜け出し宝探しに行った洞窟内で迷子になり、警察に追われる殺人犯と鉢合わせしそうになる冒険記 → 19世紀のアメリカ

[4]15人の少年たちが子供だけで無人島で2年間生活する漂流記 → 19世紀のニュージーランド

[5]2人のおじさんが東京から京都まで旅するドタバタ道中記 → 江戸時代後期の日本

[6]親譲りの無鉄砲な性格で子供の時から損ばかりしている主人公が、愛媛県松山で学校教師としてあれこれトラブルに巻き込まれる物語 → 明治時代の日本

[7]勉強好きで成績優秀だが、家が貧しく進学を諦めざるを得ない少年の成長記 → 明治時代の日本

など、様々な時間・場所を舞台にして、登場人物(動物)を追体験することができます。

本を読むと、全く未知の環境での「ハラハラ」「ワクワク」「ドキドキ」を味わえます。また、読中あるいは読後には、喜怒哀楽など各種の感情を抱きます。子供は読書を通じて、時間や空間を飛び超えて広い「世界」に出会い、色々な知識を得るのみならず、多様な価値観に触れるのです。

読書とは、まさしく「異文化コミュニケーションの場」であり「非日常体験の場」なのです。日常では目を向けないようなことに思いを馳せ、思考を深めることにつながります。

なお、上に挙げた各作品のタイトル・著者は以下の通りです。

[1]かわいそうなゾウ(土家由岐雄)
[2]ブレーメンの音楽隊(グリム兄弟)
[3]トム・ソーヤーの冒険(マーク・トウェイン)
[4]十五少年漂流記(ジュール・ヴェルヌ)
[5]東海道中膝栗毛(十返舎一九)
[6]坊っちゃん(夏目漱石)
[7]路傍の石(山本有三)

いずれも、大人が読んでも含蓄があって楽しめる作品です。親子一緒に読み感想を話し合ってみることをおすすめします。

子供にたくさんの「読書体験」の機会を

テレビやインターネットで「お手軽な動画」を好きな時に好きなだけ見られる時代です。子供が「難しい読書」を敬遠するのも無理からぬことなのかもしれません。しかし、そういう時代だからこそ、「読書の楽しみ」に子供が触れるのはとても有意義なことです。ぜひ、たくさんの「読書体験」の機会をつくってあげて欲しいと思います。

※記事の内容は執筆時点のものです

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