学習 連載 合否を分ける中学受験「社会」の学び方

合否を分ける中学受験「社会」の学び方(11)|ゴロ合わせすら覚えたくない!?

専門家・プロ
2016年3月14日 馬屋原吉博

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こんにちは。中学受験専門の個別指導教室「SS-1」教務主任の馬屋原です。

前回は、歴史に強くなるには年号暗記は必須、というお話をさせていただきました。

年号暗記の伝統的(?)なツールといえば、やはり「ゴロ合わせ」でしょう。

ゴロ合わせは主に音声情報として耳から頭に入ってくるので、授業で先生が連呼しているようなものは比較的覚えやすいようですね。

逆に、ゴロ合わせの本を読み、字面を目で追いながら覚える作業には、お子さんによって向き不向きが生じます。

正直に申し上げますと、実は私も、本などの文字情報からゴロ合わせを覚える作業がとって苦手です。

私は授業でゴロ合わせを多用しますが、それでも中学受験の社会の指導者としては、手持ちのゴロの数は少ない方です。それは「『ゴロ合わせ』を覚える」のすら苦手だからです。

だからこそ、「覚えるのが大っ嫌い」な生徒たちの気持ちはよく分かります……。

おすすめのゴロ合わせをほんの少し紹介します

そんな「覚えるのが大っ嫌い」な私が授業で紹介する年号ゴロ合わせは、基本的に2種類に分けられます。

ひとつめはインパクト重視のゴロ。

受験界隈では非常に有名なものばかりですが、

「いちごパンツ(1582)の本能寺」
「いい胸毛(1167)の太政大臣」

といったものです。

意味はどうでもいい。

とにかく一度聞いただけで覚えられる系のゴロ合わせ。

ふたつめは、ゴロ合わせの文章自体が、その年に起きた出来事に関わっているものです。

これも受験界隈では有名ですが、

「とーちゃんやろう(1086)、院政開始」
「イヤな3%(1873)の地租改正」

といったものです。

院政は実際に「とーちゃん」がやるものですし、地租は当初、地代の3%でした。

「藩とは言わない(1871)、県と言う」

を最初に考えた先生には本当に頭が下がる思いです。

ゴロ合わせは暗記ツールとしては強力ですが、すべての年号をゴロ合わせで覚えようとするのではなく、まず、優先的に覚えるべき年号や、覚えやすい年号をゴロ合わせで叩き込み、残りは前後の関係から考えることを教える、というスタンスで私は授業を進めています。

いちばん大切なことは、お子さんにあった覚え方なのかどうか

もちろんこれは「私」に合った暗記の方法に過ぎないので、この方法が合わない子に、この方法を押し付けようという気はありません。

もし、まだ経験の浅い家庭教師の先生や、お子さんの社会の学習をサポートしていらっしゃる保護者の方がこのコラムをご覧になっていたら、ぜひ、この、「自分に合った覚え方と、目の前のお子さんに合った覚え方は違うかもしれない」という点を意識していただきたいと思います。

周囲の大人がそこを意識することで、社会という科目を嫌う子が1人でも減ってくれたら、これ以上の喜びはありません。

さて、ここまで「歴史」の「学び方」をお話しさせていただきました。次回はいよいよ主要な3分野の最後のひとつ、「公民」の「学び方」に入っていきます。

ぜひ、またお越しいただけますと嬉しく思います。

※この記事は「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

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