学習 連載 合否を分ける中学受験「社会」の学び方

合否を分ける中学受験「社会」の学び方(12)|「公民」を効率よく学習するには?

専門家・プロ
2016年3月31日 馬屋原吉博

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こんにちは。中学受験専門の個別指導教室「SS-1」教務主任の馬屋原です。

前回まで6回にわたって歴史を効率良く学ぶ方法についてお話しさせていただきました。いよいよ残りの1分野、「公民」を効率よく学ぶ方法に踏み込んでいきます。

公民を難しく感じる理由

中学受験生が公民を難しく感じている場合、その理由は様々です。

いちばん多いのは、公民の柱である「政治」の話を身近な話題としてとらえにくい、という理由でしょう。「日頃から新聞を読んだり、ニュースを見たりする習慣を付けましょう!」というのは簡単ですが、本連載のテーマは「社会の学び方」ですので、そんなところで話を終わらせるつもりはありません。

私自身は、公民の本質的な難しさは「抽象度」にあると考えています。

「議院内閣制」ってなんだ!?

公民で覚えるキーワードの中に「写真で説明できる(=具体的な)」言葉はほとんどありません。

たとえば地理で「輪中」や「暗きょ排水」というキーワードが出てきたり、歴史で「寝殿造」や「伊藤博文」というキーワードが出てきたりした場合、「コレだよコレ」と写真で分かりやすく説明することができます。

これができないのが公民を学ぶ/教える際の最大のツラさです。

どの塾のテキストでも、公民は第1回から抽象度の高いキーワードのオンパレードです。

塾の授業を受けて、宿題をやっただけで、「主権」や「間接民主制」、「基本的人権」という言葉の意味をきちんと理解できている受験生がどれだけいるでしょうか。

なんとなくみんなわかった気になってやり過ごしていますが、実際は「国会」や「内閣」という概念を正確に理解するだけでも一苦労です。

逆に、「議院内閣制」という言葉の意味をある程度説明できれば、中学受験における公民の学習はほぼ完成している、と考えてよいかと思います。

こう考えてみると、公民を得意にするためにもっとも大切なことが見えてきます。

最速で公民を得意にする方法

先に結論を申し上げてしまいますと、最速で公民を得意にする方法は、それぞれのキーワードの意味やキーワード同士のつながりを、「誰かに『分かるまで』説明してもらうこと」です。

「何をそんな当たり前のことを」と思われるかもしれませんが、これこそが成績を伸ばすための最短ルートです。

ただ、そういわれると、保護者の方の中には「それは塾の仕事では?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

そこに大手塾で公民を学ぶ上での最大の「ワナ」が潜んでいます。

次回はその「ワナ」について掘り下げていきます。

ぜひ、またお越しいただけますと嬉しく思います。

※この記事は「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


■合否を分ける中学受験「社会」の学び方 バックナンバー

※記事の内容は執筆時点のものです

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