中学受験ノウハウ 親の関わり方

中学受験と習い事を両立するために気をつけること

2018年8月22日 稲石加奈

受験勉強のスケジュールは、否が応でも学年ごとに過密になっていきます。そのため、習い事を辞めるべきか迷う親御さんも出てくることでしょう。

確かに習い事と受験の両立はハードルの高い選択です。続けてきた習い事をすっぱり辞めてしまう受験生は決して少なくありません。果たしてどういう対応が正解なのでしょうか。順を追って考えていきたいと思います。

そもそも辞めるべきなのかを検討する

多くの受験生にとっては受験勉強が最優先事項です。しかし習い事に対し並々ならぬ思い入れがあったり、習い事がストレス解消になっていたりする場合、果たして無理に辞めさせて良い結果に繋がるでしょうか。

習い事を辞めさせることが、たんにモチベーションの低下を招くだけに留まらず、親子の信頼関係を大きく損なうことになってしまうかもしれません。親として大切なのはその子にとって習い事がどういう意味を持つのか、コミュニケーションを通して把握しておくことです。その上でお子さんに合わせた対応が求められます。

続けやすい習い事、続けにくい習い事

受験勉強に無理は禁物です。体調を崩しては元も子もありませんし、そうでなくとも疲労が蓄積しては回る頭も回りません。

つまり体力をキープしながら最大限時間を活用できる環境が必要なのです。そのように考えると運動系の習い事は厳しいのが現実でしょう。

体力が追いつかず机に向かうたびウトウト居眠りでは、とても合格を狙えません。続けるならば相応の自己管理能力と周囲のサポートが必要です。

対して、文化系の習い事であれば過度な疲労をため込まずに済むため、比較的続けやすいと言えるでしょう。

習い事を続ける場合、何に気をつけるべきか

話し合いの末に習い事を続けることを決めた場合、習い事と勉強と両立させられるスケジュールを立てましょう。

切り替えのできる子、効率的な勉強ができる子ならば良いのですが、大多数の子にとってスケジューリングは難しいもの。受験勉強と習い事、どちらも中途半端になってしまう可能性が高いです。

まずは両立は覚悟のいることだと、親子ともに認識しましょう。その上で就寝時間を調整する、テレビを観る時間やゲームをする時間を決める、移動時間中にも学習するといった具体的な取り決めが必要になります。

こうした約束ごとは事前にある程度共有しておくことが大切です。「習い事を続ける」という判断を下した後であれこれ条件を付け加えてしまっては、お子さんのモチベーションの低下を招きかねません。

習い事を続けて成績が落ちた場合の対処

習い事を続けてみたは良いものの、成績は右肩下がり。このままでは志望校合格が危うい――そんな状態に陥った場合は再度、習い事をそのまま続けるかを決断する必要があります。

習い事を辞めて受験勉強に励むか、習い事を続けて志望校を変更するかです。

前者を選ぼうとしてわが子と意見がぶつかった場合、親は志望校に行くことで得られるメリットや今後のビジョンを提示せねばなりません。良い中学校に行ってほしいの一点張りだけではお子さんを納得させることは到底できないでしょう。

志望校に合格できるかはお子さんのモチベーションにかかっています。モチベーションを引き出すのが難しいようであれば、志望校のランクを下げるか、受験を諦めるか。いずれにせよ現実的な選択をしなければなりません。

受験生の親にとって習い事とは時に悩ましいものです。習い事がわが子の成長に良い影響を与えているのであればなおのことです。何を選ぶべきかはその子によって異なります。

なんのために中学受験をするのか、この機に掘り下げて考えてみてください。お子さんと将来のビジョンについて徹底的な話し合いを持ちましょう。

苦しい受験勉強を頑張り抜くためには、取捨選択のなかで目標を明確化させることがとても大切なのです。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

フリーライター。大学卒業後、書店に勤務し、実用書や旅行書、新書等、幅広く売場を担当。書籍を扱うプロとして常にアンテナを張り、多岐にわたるジャンルに対して学びの姿勢を貫く。その後、医療系商社勤務を経て、難関中学受験をメインに据えた進学塾の講師を務める。出産を機に退職し、現在はフリーライターと双子の母を兼業中。台風のようなちびっ子たちに日々振り回されている。