「得点配分」「出題傾向」……中学受験の際、試験科目について確認すべきポイント
中学受験の試験科目は国語・算数・理科・社会の4科目、あるいは国語・算数の2科目が一般的です。しかし、この数年、試験科目の多様化が目立ってきています。今回はこれからお子さんの中学受験を検討される保護者の方に向けて、中学受験の試験科目について知っておくべき基本事項をご紹介します。
志望校の得点配分は子供の得意・不得意に合っているか?
現状は難関校を筆頭に、国語・算数・理科・社会の「4教科入試」が主流です。しかし、4教科入試とひと口に言っても、「得点配分」は学校によって異なります。
「得点配分」とは全体の合計点数に対して、それぞれの科目がどれくらいの割合を占めるか……ということです。
たとえばA中学では4教科すべてが100点満点の合計400点満点で合否を判断します。B中学では国語と算数が150点満点ずつ、理科と社会はそれぞれ100点満点の合計500点満点で合否を判断します。
この場合、国語と算数が得意な受験生はB中学の方に合格しやすくなります。理科と社会が得意であればA中学を受験した方が合格の可能性は高まるでしょう。入試科目の「得点配分」を鑑みて、最終的な志望校を決定するケースもあります。
各科目の出題傾向も要チェック
ほとんどの場合、受験生には得意科目と不得意科目があります。そして得意科目のなかでも、さらに得意な「単元」があるでしょう。当然「この単元なら自信をもって解ける!」という問題が出題される方が、合格の可能性が高くなります。したがって、志望校の出題傾向をおさえることは重要です。
「出題傾向」が重要な理由はこれだけではありません。「志望校の入試にあわせた勉強がしやすくなる」ことも理由に挙げられます。
4教科で受験する場合、社会では「地理・歴史・政治」の3分野を学ぶことが一般的です。しかし実際の入試問題は、往々にして学校ごとに出題傾向が異なります。
たとえば、第一志望のA中学では「地理と歴史の出題が多く、政治からはほとんど出題されていない」とします。この場合、内容を絞って効率的に学習するために、併願受験する中学でも同じように「地理と歴史の出題が多い」学校を選ぶ……ということがあります。
「英語入試」や「適性検査型入試」を導入する学校も
最近の中学受験では、4教科/2教科型以外にも、試験科目の選択パターンが増えてきています。具体的には、次のようなものです。
●国語・算数・理科の3教科入試(芝浦工業中など)
●国語・算数から1教科を選択する入試(攻玉社中や東京女子学園など)
●算数・理科の2教科入試(東京農大一中など)
また、目白研心中学校のように、英語を試験科目として導入する学校も増えてきています。これは小学校における「英語の教科化」と「2020年の大学入試改革」に対応するためでしょう。
各教科の試験においても、グラフを読み取る問題や、文章の要約などを行わせる記述問題が増加しているのも特筆すべき傾向です。これらは思考力や課題解決能力を意識したPISA型学力や21世紀型スキルに対応していこうという中学校側のメッセージだと考えられます。公立中高一貫校のような適性検査タイプの入試問題を採用する私立中学校も増加傾向にあります。
まとめ
中学受験の試験科目は年々多様化してきている印象です。受験生は小学生の子供ですから、入試科目や出題傾向の把握は、塾と保護者が担うことがほとんどです。志望する中学校の動向には、特にアンテナを張っておけるとよいでしょう。
※記事の内容は執筆時点のものです
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