中学受験ノウハウ 親の関わり方

【中学受験】起こりがちな人間関係トラブルと解決法

2018年9月21日 稲石加奈

中学受験に臨む子供は、勉強を中心とした生活を送ります。時間に追われる日々のなかで、学校の人間関係を維持するのが難しくなったり、塾内での人間関係がこじれたり、さまざまな悩みが発生しがちです。そこで、中学受験では、どういうトラブルが起きやすいのか、どのような対応をとるべきなのかを紹介します。

近いからこそ難しい親子関係

最も近い親子だからこそ、衝突も日常茶飯事。親子関係の問題への対処はどのようにすればいいのでしょうか。

中学受験は「親の受験」ともいわれます。資金、送迎、学習のフォロー。親にかかる負担はとても大きいものです。そのため受験への思い入れが強くなり、子供に対して過干渉になるケースが多く見られます。

「親の言うことに従え」と抑圧的に接しても、抵抗する手段のない子供は従うでしょう。しかしそうした接し方は自立心を阻害し、プライドを傷つけ、ストレスを与えます。受験を継続する上でも、今後の親子関係の上でも、よいことではありません。

どういう対応をするべきか

まずは自分が子供に対して理不尽な振る舞いをしていないか振り返りましょう。たとえば、テスト結果が出るたびに怒ってはいませんか。どんなに腹が立ったとしても、結果に対して怒るのは指導ではありません。親の役目は塾や家庭教師と連携して、よりよい結果を出すにはどうすべきか考えることです。

多くの時間を占める、学校での人間関係

子供にとっての学校は、世界のすべてに近い感覚です。そんな学校での人間関係のトラブルと対処法について紹介します。

中学受験をする子供は、中学受験をしない子供と生活リズムがまるで違います。学校が終わったら、友達と遊ぶのが当然というわけにはいかないのです。そのため、学校で浮いてしまったり、友達との関係がギスギスしてしまったりするケースは少なからずあります。学校は毎日通うところですから、人間関係が悪化すれば当然大きなストレスになります。

どういう対応をするべきか

クラスメイトと遊ぶ機会が完全になくなれば、どうしても孤立してしまいます。日常的には無理でも、タイミングを見て交流できるようスケジュール調整しましょう。ただし、すでにその段階を過ぎて修復不能になっていて、子供がクラスメイトとの距離を置きたがっている場合もあります。問題の深刻さの度合いによっては、学校と連携することも必要ですし、ときには受験自体を再考する必要があるかもしれません。

成績が可視化される、塾内での人間関係

塾での仲間は友達であると同時に切磋琢磨するライバルです。受験に向かう環境は、人間関係のトラブルが発生しやすい環境です。塾の人間関係のトラブルと対処法について紹介します。

テスト結果が貼りだされる塾では、お互いの順位を強く意識します。順位が上がっていればよいのですが、問題は下がったときです。

成績上位者はたいてい負けん気に火がつきますが、下位から抜け出せない子供は委縮したり、逆に開き直ったりとやる気を失う傾向にあります。

また、成績が価値観を大きく占める場所ですから、友達から下に見られてストレスを溜め込むこともあります。

どういう対応をすべきか

成績が少しでも上がれば、成功体験になり、モチベーションも変わってきます。順位を上げられるよう、勉強をサポートしましょう。ただし、中学受験をめざす世界の順位争いは過酷なものです。成績上位になればなるほど、順位を上げるのは困難となります。そこで、順位や偏差値を学力推移の指標とするのをやめ、少し前の自分の得点と比べ、どれくらい点数を取れるようになったかを指標とすることをおすすめします。

信頼しあえる親子関係を

中学受験をする子供の目標は、もちろん志望校合格です。ただし、目標達成に必要なのは勉強だけではありません。心置きなく勉強に集中できるよう、さまざまな悩みを取りのぞいてあげることも大切です。子供には子供の世界があり、悩みがあるのです。子供が笑顔で中学受験勉強を進められるよう、信頼しあえる親子関係をつくってください。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

フリーライター。大学卒業後、書店に勤務し、実用書や旅行書、新書等、幅広く売場を担当。書籍を扱うプロとして常にアンテナを張り、多岐にわたるジャンルに対して学びの姿勢を貫く。その後、医療系商社勤務を経て、難関中学受験をメインに据えた進学塾の講師を務める。出産を機に退職し、現在はフリーライターと双子の母を兼業中。台風のようなちびっ子たちに日々振り回されている。