連載 中学受験のイロハ 鳥居りんこ

学校見学はどの学校から見に行けばいいですか?|中学受験のイロハ 鳥居りんこ(18)

専門家・プロ
2016年10月06日 鳥居りんこ

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読者の方からご質問をいただきました。

「りんこさん、こんにちは。中学受験には学校見学が必須であることはわかりました。ただ、私は忙しいので、たくさんの学校を闇雲に見に行く時間がありません。的を絞って見学するための優先順位のポイントを教えてください(緊急です)」

緊急ということですので、今回は学校見学をする際に注意すべきポイントの話は、一旦お休みして、その前の「どっから行けばいいの?」についてお話しましょう。

通学時間で絞り込む

中学受験は「惚れた学校」に入学した方が幸せ度は上がるのですが、そもそも、その学校のことを知らないと惚れようがないので「低学年のうちからなるべく沢山の学校に足を運びましょうね」っていうのは鉄則ではあるんです。

(6年生になると親に学校見学に行っている余裕はなくなる可能性有です)

それを踏まえて、何を考えて行動するかと言えば、まずは通学時間が問題になります。

各学校の在籍生徒の通学時間のデータを平均すると、ドアツードアで1時間前後という数値が出ております。

(りんこ調べです)

体力的に12歳の子供が重いカバンを持って、満員電車に揺られて1時間半を越えるのは相当な疲労感を伴うと思います。

(不思議なことに学年が上がるごとにカバンは軽くなります。高3のときにわが子のカバンを見たらシャープペンしか入っていなかった!という笑い話はそこここに転がっております(笑))

一貫校の生徒さんのなかには、例えば静岡県から横浜市に、あるいは山梨県から世田谷区に通っているなどという2時間越えのケースも散見されますが、その生徒さんに共通することは、生徒本人が自分の学校に惚れこんでいるということです。

このケースだけを例外として、通学時間をマックス1時間半に絞りましょう。

乗り換えあり、乗り換えなし、バス便あり、バス便なし、上りか下りかラッシュ時の混み具合も加味して、自宅からどこまでの範囲内なら通えるのかを考え、範囲が決まったならば、次は偏差値に注目します。

偏差値で候補をピックアップ

5年生以下の低学年のお子さんをお持ちならば、持ち偏差値のプラスマイナス15の範囲を候補に入れます。

受験の成功ポイントのひとつは「まさかのまさか」までを想定しておくということになります。「まさかのまさか」を考えるご家庭に「まさか」がやってくる確率は低いですが、幅を持って見学に行くことは中高一貫校を見る目を養うことになりますし、ご家庭の方針を再確認できる機会になるでしょう。

最後に受験日程です。サンデーショックのように日程に変化が出ることもありますが、日程変更情報は塾が持っておりますし、各大手塾のHPでも日程は確認できますので参考にしてください。

そこで例えば2月1日は通学可能、および適正偏差値内にA校B校C校があるな、2月2日にはD校E校がある(以下、2月5日までの日程を見る)という具合にピックアップしておくことが大切です。

中学受験はシミュレーション勝負のところもありますので、日程から本命校を決めておいて、それを軸にチャレンジ校、超チャレンジ校、併願校、押さえ校、まさか校、まさかのまさか校を想定します。学校見学しながら、取得偏差値に大幅なズレが出た場合は修正つつ、最終的に6年秋くらいに志望校を決定するという流れが一番効率の良い方法のように感じています。

忙しい親御さんにはハードな日々になりますが、通学時間、持ち偏差値、受験日程をパズルのように組み合わせながら、優先度が高い学校順に見学に行き、徐々に「本命校」を決めていく作戦で道をひらきましょう。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


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※記事の内容は執筆時点のものです

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