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【中学受験の理科攻略】茎のつくり ―― 道管・師管・形成層

2020年7月28日 伊丹龍義

「植物の茎のつくり」は、理科の重要単元です。そのなかでもテストによく出るのが「道管・師管」。これは、人間の「動脈・静脈」と結びつけてイメージすることがポイントです。双子葉類の「形成層」も、イネやトウモロコシと結びつけてイメージすると理解しやすくなります。手元にテキストや資料集を置きつつ、植物の茎のつくりについて見ていきましょう。

植物の道管・師管

単子葉類の茎の切り口を見ると、水や養分を運ぶ管が全体に散らばっていることがわかります。

単子葉類の茎の切り口

一方で双子葉類は、中心から同じ距離に管が円状に並んでいるつくりをしています。

双子葉類の茎の切り口

人間は、身体のなかで“もの”を運ぶときに血管を使います。一方で植物は、水を運ぶときは「道管」、葉でつくった栄養分を運ぶときは「師管」という管を使い分けています。そして単子葉類・双子葉類ともに、茎の内側(中心に近いところ)に道管、外側に師管があります。

■ゴロ合わせで覚えよう
うちの水道管(茎の「うち」側に、「水」が通る「道管」がある)

道管はなぜ「内側」にあるの?

道管は、なぜ「内側」にあるのでしょうか? この理由について答える前に、まずは人間の血管について考えてみましょう。

動脈は人間の内側を走っている

そもそも、人間の血管には2種類あります。ひとつは、血液が勢いよく心臓から出ていくための「動脈」。もうひとつは、血液がゆるやかに心臓に戻っていくための「静脈」です。

そして静脈は、動脈を守るために外側を走っています。動脈は血液が勢いよく流れているため、少しでも傷ついてしまうと被害が大きくなってしまうからですね。事実、身体の表面近くに出ている血管のほとんどは静脈で、動脈のほとんどは身体の内側を走っています。

植物には栄養分より水が大切

植物の道管と師管も、人間の血管と同じ理由から位置関係が決まっています。

植物には、茎の内側に「動脈のような」道管が、そして茎の外側に「静脈のような」師管が走っています。

茎の内側:道管(水を運ぶ)
茎の外側:師管(栄養分を運ぶ)

さて、ここまで読んで「あれ?」と思う人もいるのではないでしょうか。

水と栄養分では、栄養分のほうが大切じゃないの? だから、師管のほうが茎の内側にあるはず……

しかし植物にとっては、実は栄養分よりも水のほうが大切です。植物は光合成をして、栄養分をつくることができます。つまり、万が一栄養分を失ったとしても、二酸化炭素と水、そして太陽のエネルギーがあれば、栄養分を自らつくり出せるのです。一方で、もしも水がなければ確実に枯れてしまいます。そのため、植物は茎の内側に道管をおくことで、大切な“水の通り道”を守っているのですね。

形成層がある双子葉、形成層がない単子葉

双子葉類には、道管と師管の間に「形成層」と呼ばれる部分があります。形成層の役割は、茎を太くすること。双子葉類は、生長して上部が重くなり不安定になってくると、茎を太くすることで上部の重みを支えます。

双子葉類には「形成層」がある

一方で、単子葉類は茎全体に道管や師管が散らばっていて、形成層にあたる部分がありません。そのため単子葉類の茎は、生長してもはじめの太さのまま。生長して上部が重くなってくると、植物全体が傾くこともあります。ちなみに、単子葉類のイネやトウモロコシが実をつけ、倒れそうになっている様子を見たことがある人も多いでしょう。「実るほど頭が下がる稲穂かな」ということわざにも、この様子が読み取れますね。

【参考】
中学生向けですが、余裕があればYouTube動画「茎のつくり」(TryIT)もご覧ください
https://www.youtube.com/watch?v=qCCYef9L7jU&t=20s

大切な水を守るために、道管は内側を走っている

植物の茎のなかには、水を運ぶ道管と、葉でつくった栄養分を運ぶ師管があります。そして植物にとっては、栄養分よりも水が大切です。大切な水を守るために、道管は内側を走っている――。ただ暗記するだけでなく、このような理屈をあわせて押さえることで、忘れにくくなり、より深く理解できるようにもなりますよ。

※記事の内容は執筆時点のものです

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