中学受験ノウハウ 親の関わり方

集中力が勝負を決める ―― 中学受験で勝つために

2018年12月05日 高山裕行

私立中学の入試では、短い時間で大量の問題を解く力が必要です。その力が「集中力」です。ここでは、集中力の大切さを書くことにします。

中学入試の現状

ほとんどの中学校は、国語・算数・社会・理科の4教科が出題されます。このなかで解くのに最も時間がかかるのは算数でしょう。実際の入試問題はどうなっているのか、開成中学校の入試問題(2018年度入試)で考察してみます。

開成の算数は大問3つで作られています。大問1は小問の集合で、7つの小問が出されています。ただ、小問といっても簡単ではありません。いわゆる計算問題は1題だけで、あとは場合の数・速さ・濃度・図形の体積・面積などの文章題です。なお、試験時間は60分です。

単純計算して大問1だけで20分しかかけられないので、小問1つあたり平均3分弱。単純な計算問題ではないので、相当な集中力がないと、これだけで終わってしまいそうです。

まだ2問残っています。大問2は図形と道のりの融合問題。この問題や、次の大問3は一般の公立高校入試問題より難しいかもしれません。問題文を読みこなす力も必要でしょう。注意力散漫だと設問の意味を取り違えることもあり得ます。計算ミスをせずに完答するには20分は短いかもしれません。

大問3も難問といえるでしょう。小問は3問ですが、どれも手強い問題です。設問に条件が付されているので、見落とさないようにしなければなりません。問題の意味を的確に理解し、焦らず落ち着いて解いていくことが大切です。

ちなみに、大問2と大問3は解答用紙に途中式や計算、図なども書くようになっています。

どうすれば集中力がつくか

実際の入試問題を決められた時間で解くのは並大抵ではありません。そこには集中力が必要ですが、一朝一夕につくものではないことを忘れないようにしなければなりません。では、どうすれば集中できるようになるのでしょうか。

ビジネスマン向けの書籍などでも集中力の特集が組まれていますが、幼い小学生に大人と同じようなことをさせるわけにはいかないでしょう。まして受験生には受験生向けの集中力をつける方法があるはずです。

そのひとつが「時間を決めて問題を解く」でしょう。入試では解く時間が決められている以上、ひとつの問題にだらだらと時間をかけることはできません。先の開成の算数を例で考えてみます。

開成の算数は3つの大問を60分で解くようになっています。大問1つあたり20分かけられる計算です。しかし、入試問題を見ると、難問が揃っていて、そう簡単ではないことがわかります。どんなに難しくても解くための時間は限られているのです。だったら、これは訓練しなければなりません。

受験生は毎日いろいろな問題を解いているでしょう。その時に、志望校と同じ制限時間で、同じくらいの量とレベルの問題を準備してください(志望校の過去問でも可)。そして、制限時間内に解く訓練をするのです。全部解けなくてもかまいません。どの教科でもこの方法は通用するはずですので、ぜひ採り入れてみるといいでしょう。

入試で集中するためには

集中力をつける方法について解説しましたが、入試本番になって、いざ問題を目にすると何が何だかわからなくなるかもしれません。そんな時はどうすればいいのでしょうか。

焦りは禁物です。心を落ち着けて問題を見ましょう。すると、難しそうな問題のなかでも、「これならできる」というところがあるはずです。その問題からまず手をつけましょう。

さきほど例にした開成中学校の算数では、計算問題から図形までいろいろな分野から出題されています。大切なのは、ここで「どれも完璧に」と意気込まないことです。

誰にでも得手不得手があるものです。図形が得意でない人には簡単ではない問題もあるでしょう。答えに至る端緒すらわからないということがあるかもしれません。

そのような問題に時間をかけるのは、無駄なことです。それよりも、自分の得意分野の問題を確実に解く方が有効でしょう。

入試では満点が必要なわけではありません。ほとんどの学校では60%~70%の得点があれば合格できます。つまり、苦手なところは無理をしない。できるところでミスをしない。これで合格点が取れるはずです。

まず問題にざっと目を通し、これならできるという問題に印をつけましょう。やさしい問題から、解いていきます。やさしいからといって油断はできません。ここで集中力が試されるのです。「選択と集中」とは、入試においてはこういうことなのでしょう。

おわりに

できる問題に力を集中することは、入試のプレッシャーから受験生を解放することでもあります。紹介したように集中力を養い、できる問題をきちんと見極められるように準備してから、実際の試験に挑むことが大切です。志望校へ一歩でも近づくためのカギは「集中力」にあるのです。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

予備校講師、私立高校講師・学習塾講師などを経て、現在は受験アドバイザーおよび家庭教師斡旋業を営んでいる。学習塾在職中は教科主任、学年主任、教務部長を歴任。灘中・高、ラ・サール中・高、久留米大学付設中・高、福岡県でトップの公立高校である修猷館高校などに延べ数千人の生徒を送り込んだ。