中学受験に臨む子どもは、小4の春から塾に通うというのが最近のセオリーです。さらに上位校狙いともなれば、低学年から塾通いにいそしむ家庭も少なくありません。入試直前には、個別指導や家庭教師を追加する家庭もあります。そんななか、小5の春からの通塾のみで、見事女子御三家のひとつ・女子学院中学への合格を果たした一家がいます。
都内の自宅から千代田区にある女子学院に通う野間若菜さん(仮名・高校生)。のびのびと学校生活を楽しんでいます。母親の真美さん(仮名)は、「勉強は少し中だるみ気味かもしれません」と苦笑しますが、親子ともに現在の学校生活に満足しているようです。
若菜さんは3人きょうだいの末っ子。兄2人も私立中学を受験し、長男が海城中学、次男が明治大学付属中野中学と共に難関中学を突破しています。それだけを聞けば、教育熱心な家庭をイメージしますが、母の真美さんにはギスギスした雰囲気が一切ありません。
「上の2人も通塾は5年生の春からです。家庭学習は4年生からやっておいて、5年生から塾に入るという形にしました」と、真美さん。塾は3人とも、御三家をはじめとする難関校突破を掲げたSAPIXではなく、四谷大塚を選びました。そこには、野間家なりの考えがあったようです。
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「お尻を叩いて叩いて勉強させる」祖母が見たSAPIXの厳しさ
若菜さんの父方の祖母である和子さん(仮名)は個人で算数塾を開いていました。なかばボランティアで自宅に小学生を呼んで勉強を見ていましたが、そこでSAPIXに通っている子どもたちのサポートもしていたそうです。山のような宿題のプリントと格闘するSAPIX生を和子さんは見てきました。