【理科】感覚器官は5つの器官の「部位」と「役割」を押さえよう!
中学入試の理科で頻出の人体分野は、循環器官と消化器官の出題がメジャーです。
一方で、ちょっとマイナーなのが「感覚器官」。しかし、感覚器官の出題パターンはおおよそ決まっています。
パターンが決まっているので、出題されると得点につながりやすい、ということですね。
感覚器官の攻略法はとてもシンプルなので、入試本番に備えてしっかりと対策をして得点につなげましょう。
<感覚器官の攻略法>
5つの感覚器官の「部位」と「役割」を押さえる
この記事では、中学入試で押さえるべき5つの感覚器官の「部位」と「役割」を、図を使ってわかりやすく解説します。
それでは、具体的に見ていきましょう!
Contents
感覚器官は人体のシステムのひとつ
感覚器官の詳しい説明に入るまえに、まずは中学入試でよく狙われる「人体のシステム」の全体像を紹介します。
① 感覚器官:まわりの状況を感知するシステム
② 循環器官:酸素を全身に送るシステム
③ 消化器官:栄養を体に吸収するシステム
④ 骨と筋肉:人が体を動かすためのシステム
⑤ 誕生:子孫を残すためのシステム
※中学入試では②と③の出題が特に多い
入試で出題される人体分野のテーマは5つです。
そして、そのうちのひとつが感覚器官(まわりの状況を感知するシステム)なんですね。
人間が持つ“5つのセンサー”
感覚器官は、まわりの状況を感じ取るシステムです。
人体における“センサーシステム”のようなイメージを持ちましょう。
中学受験対策として押さえておきたい、人間が持つ5つのセンサーは次の5つです。
① まわりの光を感じ取る「目」
② まわりの音を感じ取る「耳」
③ まわりの匂いを感じ取る「鼻」
④ モノの味を感じ取る「口(舌)」
⑤ まわりからの触覚を感じ取る「皮膚」
受験対策としては、この5つのセンサーがまわりの状況の変化を感じたときの流れを押さえておくことも重要です。
たとえば、空で雷が光ったとします。
そうすると、人間のセンサーシステムのひとつである「目」がその光をキャッチします。
そして目で感じ取った情報は、神経を通って脳へと運ばれ、最後に脳が“まぶしい”と感じる ―― という流れをたどるんですね。
5つの感覚器官の部位と役割
中学入試の感覚器官の出題はワンパターンです。
もちろん応用問題も出題されますが、基本的な出題パターンを知っていれば解ける問題ばかりです。
感覚器官の出題パターン
1、5つの器官の「部位」を問う問題
部位の名前や、部位ごとの形状的な特徴を問う問題が出題される
2、部位の「役割」を問う問題
その部位にどんな機能があるか把握していれば解ける問題が出題される
それでは5つの感覚器官について、それぞれの部位と役割を順番に見ていきましょう。
目のしくみ ―― 光を感じる
まずは目のしくみから解説します。
角膜
角膜(かくまく)は、目に入ってくる光の“入口”です。
光を屈折させて焦点を合わせる役割があり、透明な薄い膜のような形状をしています。
虹彩
虹彩(こうさい)は、開いたり閉じたりすることで目に入る光の量を調節する役割があります。まわりが暗いときは開いて、まわりが明るいときは閉じる、という動きをしているんですね。
ちなみに「茶色」や「青色」といった目の色は、この虹彩の色を指しています。
水晶体
角膜と同じく、水晶体には光を屈折させて焦点を合わせる役割があります。網膜に焦点を合わせるために、厚みを薄くしたり厚くしたりして調整しているんですね。
水晶体は凸レンズの形状をしています。
硝子体
硝子体(しょうしたい)も光を屈折させて焦点を合わせる役割があり、眼球の形を保つ役割も持っています。
硝子体は、透明なゼリーのような、ドロドロとした液体状の組織です。
網膜
網膜(もうまく)は、目のいちばん奥で光を感知する(光を電気信号に変える)役割を持っています。
網膜はスクリーンのような形状をしており、光を感じ取る細胞が集まっていることも特徴です。
<目のまとめ>
角膜から入って屈折し、網膜に届いた光は電気信号に変えられて、神経を通って脳へと伝えられていく
耳のしくみ ―― 音を感じる
次は耳のしくみを解説します。
外耳道
外耳道(がいじどう)には、まわりの音を集めて耳の中へと導く役割があります。“音の入口”のような役割ですね。
外耳道は、クネっとしたS字のトンネルのような形状をしています。
鼓膜
鼓膜は、外耳道から伝わった音、つまり「空気の振動」をキャッチして耳小骨(じしょうこつ)に伝える役割を持っています。
鼓膜は半透明の薄い膜で、その厚さはわずか0.1mmほどです。
耳小骨
耳小骨には、鼓膜に伝わった空気の振動を大きく増幅させる役割があります。
耳小骨はその名の通り「骨」ですが、厳密には3つの骨から成り立っています。
うずまき管
うずまき管は音の振動をさらに大きくする役割を持つ部位で、その中には音を感知する(音を電気信号に変える)細胞が集まっています。
“うずまき”のような形状をしていることが特徴です。
<補足>
耳の中には音だけでなく、体の傾きや回転を感じ取る器官もあります。
それが「三半規管(さんはんきかん)」です。
三半規管はうずまき管のすぐ近くにあり、3つの管からできています。
<耳のまとめ>
外耳道で集められた音は、鼓膜によってその振動が耳小骨へと伝えられていき、耳小骨・うずまき管で振動が増幅される。最終的には、うずまき管の中にある細胞によって電気信号に変えられ、神経を通って脳へと伝えられていく
鼻のしくみ ―― においを感じる
次は、鼻のしくみを解説します。
外鼻孔
外鼻孔(がいびこう)は、鼻の入口、つまり「鼻の穴」のことです。
外鼻孔は鼻腔(びくう)につながっています。
鼻腔
鼻腔は、鼻の中にある空洞です。
主な機能は空気の通り道としての役割ですが、匂いを感じ取る細胞が鼻腔の上のほうに集まっていることも特徴です。
嗅上皮
嗅上皮(きゅうじょうひ)は匂いを感じる細胞が集まっている場所で、匂いを感知する(匂いを電気信号に変える)役割を持っています。
<鼻のまとめ>
身のまわりにある匂いは、鼻孔から鼻腔に入り、鼻腔の中を通って嗅上皮に到達する。その後、嗅上皮で電気信号に変えられ、神経を通って脳へと伝えられていく
口(舌)のしくみ ―― 味を感じる
次は、口(舌)のしくみを紹介します。
口腔
口腔(こうくう)は、口の中にある空洞です。
食べ物の通り道としての役割がメインですが、食べ物を噛み砕いたり、飲み込んだりする役割も担っています。
味蕾
味蕾(みらい)は、味を感じる細胞が集まっている場所です。
味を感知する(味を電気信号に変える)役割があります。
<口のまとめ>
口に入った食べ物は、口腔で噛み砕かれたりした後に、舌の上にある味蕾に到達する。味蕾によって味が電気信号に変えられ、神経を通って脳へと届けられる
皮膚のしくみ ―― 触覚を感じる
最後は皮膚のしくみを解説します。
皮膚は、表面から近い順に「表皮(ひょうひ)→ 真皮(しんぴ)→ 皮下組織(ひかそしき)」といった層構造になっており、表皮と真皮の間あたりには神経がビッシリと張り巡らされています。
皮膚にモノが触れたり、押されたり、熱が伝わったりすると神経がこれらの刺激を感知し、神経を通って脳へと伝えられていきます。
まとめ
中学入試で出題される人体のテーマのなかで、ちょっとマイナーな部類に入る感覚器官。
しかし、それぞれの感覚器官の「部位」と「役割」を答えさせる問題が大半なので、しっかりと対策をしておけば得点できます。
次の図をもとに5つの感覚器官の全体像を押さえつつ、入試本番でしっかりと得点できるように対策していきましょう!
※記事の内容は執筆時点のものです
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