変化がなく過ぎていくとき|桜井信一コラム「下剋上受験」

専門家・プロ
2015年2月14日 桜井信一

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桜井信一ブログ『父娘の記念受験』で過去に掲載されていた記事から、一部を編集して掲載しています。この記事の内容は 書かれたものです。

今夜は「変化がなく過ぎていくとき」がテーマです。最重要テーマです。超重要テーマです。よろしくお願いします。

その前にちょっとお知らせ……、

【お知らせ】
下剋上算数 難関校受験編ですが、3月中旬から下旬の発売の予定で進めております。もうしばらくお待ちください。

※記事の内容は執筆時点のものです。「下剋上算数 難関校受験編」は2015年3月25日に発売されています

当初の予定よりも遅れた言い訳を。実は、難関校受験編には秘密企画が盛り込まれるのです。

出版社さんより公開許可がでましたのでその秘密をお知らせします。

難関校受験編の問題は結構ムズイのです。やる気なくなる可能性あるでしょ?

そこで!

我が家の娘を含め、実際にこの問題集を使った受験生3人のマルバツを公開しようという企画が持ち上がり、ちょっと手間取っていたのです。

ご紹介します!

●Aくん(一番優秀)
元馬渕教室塾生
関西超難関中高一貫校

●Bちゃん
2015年度受験
首都圏難関中学合格

●Cちゃん
私の娘

この3人がどれくらい元々できなかったかが1問1問載っているのです。

優秀なAくん、ほとんどバツの日があります。うちなんてもう、ぼこぼこ。まあそういうBちゃんも負けないほど、ぼこぼこ。

間違いだらけなのです。

どういう問題レベルを間違えていて、それを克服していったのかがわかる仕組みになっています。

この企画が持ち上がったために、3人のテキストを引っ張り出して、1000問の正答率を調べる作業になったというわけです。

「この子たちどこまでできないの?」を実感して頂こうという企画です。

つまり、勉強は復習なのです! 
神童だけが初見でマルなのです!

てっきり神童だと思っていた優秀なAくんは、ただの努力家だったことが判明。しかも反抗期だったのか本当にわからなかったのかわかりませんが、全部バツの日があるのです。

つい笑ってしまった桜井信一。

それともうひとつ遅れた言い訳。

誰かがありがたいことにプレミアムモルツを贈ってくれたのです。ちょっとやそっとじゃ飲めないくらい。多分1年分。お酒が弱いのを知らずに。

でもやっぱ飲んじゃうでしょ?
すると集中力が低下するでしょ?

それが板書の校正(最終チェック)のタイミングと合致してしまったために……

誤字脱字を探す能力が低下するでしょ?

それで何度もやり直しになったのです。仕方なくビール禁止日を数日間設定し、真剣に校正作業を済ませました。完璧!

妻はビールが飲めないのです。しかし、なぜかプシュッと音がするのです。はて……。皿を洗わず寝るのです。真夜中にひとりで皿を洗う桜井信一。娘は手伝う気配なし。

この空き缶の山。ごみの日に出すのが恥ずかしい。

え~っと、ところでテーマは何でしたっけ?

プシュッ

あっそうそう、「変化がなく過ぎていくとき」でしたよね。

ぐびっ

いろいろと記事を書いてみて思うのですが、大半が塾に通っていてですね。3ヶ月くらい何も変化がないのにそのまま普通に皆さん塾に通い続けますよね。

まあ、そりゃそうですよね。塾をやめるわけにはいかないし、転塾も勇気がいるし、個別指導との併用はお金がいるし。

どうしたものか……、といいながら何も変化がなく過ぎていく。

すごく不思議なのですが、よく考えるとそりゃそうなりますよね。

まあいろんな人から、さまざまな声を頂戴しましたが、ここで一番多いのが「子どものモチベーションアップ」を考えますよね。

しかし、なだめても、すかしても、押しても引いても、蹴飛ばしても、何も変化がなく過ぎていく。

もうこのパターンが山盛りなんですね。

1年を振り返るとやはり皆さんやる気スイッチを入れる方法を探すのです。

ここはやる気スイッチを探す場面ではないのに!です。

3ヶ月も、下手したら半年も変わらないのにですよ。これ明らかに勉強方法に問題がありますよね。

例えば野球でいうとですよ、いつまでもまずいフォームで素振りし続けているようなものです。プールに通うだけでオリンピック選手を目指そう! みたいな感じです。

プールの先生が楽しい先生だとして、やっぱり子どもって楽しく通いますよね。でも何ヶ月経っても水泳がうまくならない。タイムもよくならない。

ここでモチベーションアップは違うでしょーーーー。いくら何でも違うでしょーーーー。

ここは勉強方法に問題があると思うのです。

ただ、塾の宿題を解くだけ。ただ通うだけ。模試のやり直しをするだけ。

もうこれ3ヶ月変化なければ勉強方法を疑うべきではないでしょうか?

よく遺伝といいますが、遺伝というよりも自分が勉強頑張った親は、ここで勉強方法を疑っているから伸びるのではないでしょうか。

プロ野球選手がですよ。もしいつまでも息子が野球がうまくならなかったら、さすがにモチベーションアップは考えないと思うのです。おそらくまず、練習方法、フォーム、鍛えるべき筋肉、現時点でできていない理由。ここを考えると思うのです。

そこでなるほどフォームが悪いんだな、と気づけば教えるでしょうし、足腰が弱いためにボールが遠くに飛ばないならまず鍛えるでしょう。野球観戦に行って野球をやる気にさせるのはよほど暇な場合しかやらないと思うのです。もしくは野球観戦の目的が違うのでしょう。

プロですから、モチベーションアップよりも大事なのはその練習方法だと考えるはず。フォームだと考えると思うのです。

勉強も同じではないでしょうか。

「変化なく過ぎていくとき」ちょっと立ち止まって考えてほしいのです。

何かが間違っていると思うんですよね。これを改善に走った家が結果的に変わるのでしょう。

我が家は地図のない航海だったので試行錯誤どころではありませんでした。モチベーションアップ、やりましたやりました。

それでも変わらないのはやはり勉強方法だと気づいて、それを改善に走ったらあとからモチベーションがついてきた。

いまでも我が家は同じスタイルです。もう懲りましたらから。

3ヶ月何も変化がなかったら点数やマルバツは後回しで、まず解き方や手順、何とかして原因を探します。と、言いたいところですが、高校数学は難しいので一緒に作戦会議。(*_*)

受験生の保護者の皆様。お子さんが3ヶ月も変化がなく過ぎていくとき。そこでモチベーションアップを考えてはいけません。

勉強方法を変えましょう。

最初にお知らせしましたが、問題集なんてみんなぼこぼこにできない状態。そこからできない原因を探す。問題集はそのためにある。原因が書いてある問題集をめくり、できるように持って行く。連れていく。ここが重要なんだと私は思います。

 

では、また明日。

ぐしゃっ。ぽいっ (-。-)y-゜゜゜

2015.2.14 am 0:00

桜井信一

※記事の内容は執筆時点のものです

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