【中学受験】塾講師から見る「せっかちタイプ」の子供の特徴とは
成績はがむしゃらに勉強すれば上がるものではありません。行き詰まっている分野があれば原因を把握し、解決するというプロセスが必要になってきます。どのような点で行き詰まるのかは子供の特徴によってある程度傾向が決まってきます。この記事ではせっかちなタイプの子供が、どんな点で行き詰まりやすいのか、また行き詰まった場合はどうすれば解決できるのかについて紹介します。
せっかちタイプの子供に見られる行動
せっかちタイプの子供は、ノートのとり方が荒い傾向にあります。塾の授業内容を復習しようとノートを見返してもどこが大切な箇所か把握できず、結局復習をしなくなることがあります。また、宿題について書かれたメモに提出日が抜けていたり、講師の指示を最後まで聞かずに早合点していたり、いろいろと周囲をやきもきさせます。見直しをせずに計算問題を提出し、あとからケアレスミスが見つかることが多いのもこのタイプの特徴です。
気をつけたい点
せっかちタイプの子供で気をつけなければならない点は以下のとおりです。
あとから見直せるノートをとる
あとからノートを見て、書いてある内容がわからないのは困りものです。テキストや問題集をめくって、その日学んだ内容を探すところから始めなければならなくなります。これではいくら時間があっても足りないと言われる中学受験勉強においてあまりにも非効率です。ノートは見直すことを前提にとるようにしましょう。
途中式を省かない
せっかちタイプの子供が一番失点しやすい科目は、なんといっても算数でしょう。計算ミスを防ぐための努力が必要です。面倒くさいからといって途中式を省いてはミスのもとですし、見直しのときに手間になります。「計算問題が一問くらいできなくても」とあなどってはいけません。その一問が合否を分けるのが中学受験なのです。
「とめ・はね・はらい」まで注意する
せっかちタイプは、漢字テストにおいて書き方がいい加減で減点されやすい傾向にあります。漢字を覚えるときに「とめ・はね・はらい」などの細部を意識することが必要です。6年生になってから覚え直していては中学受験に間に合いません。
親にできること
親が子供に真正面から注意をすると子供は反感を覚えることがあるので、ポジティブな改善案を出していくことが求められます。具体的で実践しやすい勉強方法だと、子供の取り組みも変わってきます。
たとえば、ノートをとるうえでルールを共有し、日付を記載する欄や問題のページを記載する欄をあらかじめ作っておくのも良いですね。漢字を勉強するときは、見本の「とめ・はね・はらい」にマークをつけておきましょう。
計算に関しては、丸つけをするときに途中式があるものに花丸をつけてあげると、子供は「途中式が大切なんだ!」と気づくようになるのでおすすめです。子供が自主的に勉強に取り組めるように工夫していきましょう。
家庭で困ったことがあれば積極的に塾に伝えて、子供に働きかけてもらいましょう。授業中はせっかくノートをとっているのですから、重要なポイントを書き漏らさないようにすることが大切です。たとえば塾講師から「ここは大切だから絶対にノートに書いておいてね」と子供に念押しをしてもらうのもひとつの手です。また、中学受験で計算の見直しや漢字の正確さがどれほど重要なことであるか、講師から子供に直接伝えてもらうのも良い方法です。
親の言うことにあまり耳を貸さない子供でも、講師の言うことは素直に受け入れることもあります。漢字や計算式を丁寧に書くかどうかが中学入試の合否を左右すると子供が納得すれば、勉強における荒さが改善されるでしょう。
早いうちから習慣づくりを
せっかちなのは悪いことではありません。中学受験では時間を意識し、素早く解くことが求められるからです。スピードを維持しながら、どうやってミスを予防するかが重要になります。「注意しよう」と言われただけで注意深い人間になれるわけではないので、早いうちにミスを予防する習慣をつくることが大切です。家庭だけで悩まず、塾にも相談し連携して取り組んでください。ひとつずつ工夫を重ねていくことで改善していきましょう。
※記事の内容は執筆時点のものです
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