中学受験ノウハウ 出願から入試本番まで

【中学受験】入試直前から当日の不安に打ち勝つための対策5つ

2019年2月27日 ゆずぱ

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私は息子と中学受験に挑んでおりましたが、2019年の2月に無事受験を終えることができました。怒涛のような2年半でしたが、親子でひとつの目標を本気で目指した良い経験となりました。子供と一緒に受験に臨むにあたり、特に気をつけたのが子供のメンタルケアです。なかでも入試本番の直前期。なんと「受験やめたい」発言まで飛び出しました……。直前期の子供はどんな精神状態なのかを実体験をもとに解説し、その対策をまとめます。

【入試直前の不安】過去問を解いて不安になる

まずは入試直前、6年生の12月から1月にかけて不安が訪れました。順調に偏差値を伸ばし、合格判定を伴う模試でも良い結果が出た場合は心が乱されることは少ないと思います。しかし、問題は思うように成績が伸びない場合ですね。まさに私の息子がそうでした。

過去問を何度やっても合格者平均点に届かない!

塾や家庭によって差がありますが、一般的に6年生の10月ごろから、受験する中学校の過去問対策に着手します。子供も最初は能天気。「過去問って思ったより簡単だ!」とか「えっ、こんな問題が出るの?」といって楽しんでいるようでした。

しかし11月、12月と受験が近づくにつれて表情が曇りはじめます。理由は、本気で解いた過去問が合格者平均点に届かないことでした。

このときの子供の精神状態は「とてつもない焦り」です。何度やっても合格者平均点に届かず、「このままでは合格を勝ち取ることができないかもしれない」と不安になります。

しまいには「もう中学受験をやめる」といいだす始末……。2年半も勉強を頑張ってきたということはお構いなしです。不安を一刻も早く取り除きたいのでしょう。

対策[1]合格者平均点の正しい意味を伝える

突然の「やめたい発言」に私が実施した対策は2つです。子供の性格によって効果に差があるかもしれませんが、以下の方法は私の息子には大きな効き目がありました。

ひとつ目は「合格者平均点」の正しい意味を伝えるということです。あくまで「平均点」であるので、この点数に届かなくても受かった生徒はいるという事実を伝えます。

一般的な過去問対策では、本番と同じ時間で合格者平均点を取れるように練習しますよね。塾の先生も呪文のように「合格者平均点を目指そう」といいます。

間違いなくその通りなのですが、子供が極度の不安におちいったときは、「平均点に届かなくても合格した生徒がいる」ことを説明してあげるのが良いでしょう。

対策[2]ミスした問題を解き直したら合計点数を書きかえる

さらに効果があったのが、過去問で間違えた問題を解き直したら、合計点数を書きかえるという方法です。

たとえば、算数の過去問に取り組んだ結果、108点を取ったとします。しかし、合格者平均の120点には12点も届かなかった……。これだけみると厳しい結果として受け止めてしまいます。

そこで、まずは間違えた問題(配点が7点)を解き直します。そしてその問題に正解したら、合計点の108点に7点を加えて115点に書き換えてあげるのです。さらに6点問題の間違い直しをやると121点にします。これで合格者平均の120点に届きました。

なぜ、たったこれだけで精神を安定させる効果があるのでしょうか? 理由は「コツコツやれば意外と合格者平均点に届きそう」という感覚がつかめるからです。「合格者平均点」というボンヤリとした目標を前に呆然としている子供と、ゴールまで一緒に伴走してあげるイメージですね。

【入試当日の不安】緊張のピークを迎え、練習どおりにできるか不安に

あたりまえですが、入試当日は子供の不安やストレスはピークに達します。わたし自身、過去に経験した入試当日で思い出すのは、試験開始の合図がある直前まで心臓がドキドキしていたこと。そして「練習と同じようにできなかったらどうしよう」という不安もよみがえります。

入試当日に子供は2つの不安を抱く

普段は明るい性格で、どちらかと言うと緊張した場面でも動じないタイプの息子が、はじめての本番試験当日は無口に……。適度な緊張は、本来持っている力を発揮させるのにプラスの効果があると言われていますが、極度の緊張やパニック状態はできれば避けたいものです。そもそも、試験当日はなぜこんなにも緊張するのでしょうか?

ひとつは試験本番の独特な空気でしょう。試験会場へ向かう途中で、息子が「ほかの受験生が優秀そうに見える」と発言したのを覚えています。5年生のときに受けたはじめての判定模試のときも、息子は「まわりが優秀に見える」といっていました。

もうひとつは「練習どおりにできなかったらどうしよう……」という不安です。息子は過去問を解いているときに、極端に難しい問題に出くわして全く歯がたたないと、強いストレスを感じているようなことがよくありました。この「本番で難しい問題にあたってしまったらどうしよう……」という不安も、緊張を増幅させている要因でした。

対策[3]可能な限り多くの場数を経験させる

1校目の受験では空気に飲まれ、緊張していた息子ですが、本番試験を2校目、3校目と受けるごとに緊張した表情は緩和していきました。

また、本番に近い環境での模試を可能な限り多く経験することが、極度の緊張を和らげるのに有効なようです。四谷大塚や首都模試の合格判定模試は、実際の中学校で受験することができます。いつもの塾で受けるのではなく、中学校で受験することをおすすめします。

対策[4]入試当日にしっかりと声かけをする

試験中にパニックになり本来の力が出せなくなることを避けるために、試験当日に子供が不安に感じることを事前に把握し、アドバイスをしましょう。

私の息子の場合は、難しくて歯が立たない問題に出くわしたときに不安になる傾向があったため、「難問はみんなもできないから落ち着こう」と試験当日に声掛けをしました。

ストレスがかかるシーンが来てしまったときの心の持ちようを伝えてあげるようにしましょう。

【入試後の不安】早めに合格をもらっていても、その後不合格続きだとダメージが大きい

中学入試の結果を見てみると、実質倍率が2倍を超える中学校はたくさんあり、なかには5倍や10倍の学校まであります。

つまり中学受験において全勝するのは難しいことで、多くの子供が不合格通知を受け取ることになります。この不合格通知がとても厄介な存在なんです。

併願戦略を綿密に組んでいれば、早い段階(1月入試)で1校以上の合格を勝ち取り、より合格難易度の高い学校(2月入試)へ挑んでいくことになります。

私の息子は無事1校目で合格が取れ、まさに併願戦略の計画どおりでした。

合格をもらっていたため、それ以降の学校で不合格通知を受けてもメンタル面では余裕があるはずだったのですが……1校目を合格したあと、2回連続で不合格通知を受け取ることになってしまいました。

この連続不合格通知で、息子は想定していた以上に精神的なダメージを受けてしまったのです。いくら合格を勝ち取っていたとしても、やっぱり不合格は不合格。かなり落ち込んでしまいました。

対策[5]合格通知を多くもらうことでメンタルを維持する

子供の受験計画が長期戦となる場合は、過密にならない範囲で併願校を検討し、合格通知を可能な限り多く獲得できる計画とすることをおすすめいたします。

※上の図は筆者宅の出願イメージ。早めに合格をもらったものの、その後は連続不合格で、息子の精神的ダメージに……。

難しい計画ではありますが、合格判定模試で常にA判定を獲得している堅実校を複数受けるのが良いでしょう。

まとめ

中学受験に挑むのは精神的にまだ未熟な小学6年生。突然の「受験やめたい」発言や気分の落ち込み、ヒステリーに振り回されている親御さんも多いのではないでしょうか?

今回は子供のメンタルが不安定になる直前期からの対策を、自らの経験を振り返って紹介しました。ぜひ参考にしていただき、少しでも不安の軽減につながれば幸いです。

※記事の内容は執筆時点のものです

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