中学受験ノウハウ 親の関わり方

答えを写しているかも……。子供が自力で宿題を解いているか確認するには?

専門家・プロ
2019年4月19日 西村創

塾では授業で学んだことを確認するために、子供たちに宿題を出します。しかし、答えを写して提出する子供は、クラスに数名いるものです。「ちゃんと宿題やっているのかな……」と不安に思う保護者の方もいるでしょう。そこで、 子供が宿題を自力で解いているか確認する方法と、子供が宿題を写していると疑われた場合の対処をお伝えします。

子供が自力で宿題を解いているか確認する方法

基本的に塾の講師は、出した宿題を生徒がきちんと取り組んできたかを確認するものです。しかし、特に多くの生徒の面倒を見る集団塾では、塾生一人ひとりのすべての宿題を十分に確認しきれないこともあります。したがって、入塾したての頃、または成績が低迷している場合に、保護者の方による宿題チェックの必要が出てきます。

記述問題の答えを見れば、写したかどうかがわかる

テキストや問題集、プリントを宿題として出されるときは、「ただ解いてくればいいケース」と「解いたうえで、一緒に渡された解答を見て自分で丸つけをしてくるところまで求められるケース」があります。

後者のケースでは、子供の手元に答えが渡っているので、答えを写す可能性があることは否定できません。そこで、解答と、子供が出した記述問題の答えを見比べることで子供が自力で宿題を解いているかを推察することが可能です。記述問題では出した答えが模範解答と完全一致することは稀だからです。

もちろん、高学年になると「模範解答を写すのはいけないことだ」という認識が芽生え、解答を写したことが親や塾講師に発覚しないための知恵がつきます。そのため、記述の文末表現を変えてみたり、言葉を入れ替えてみたり、といった調整をするものです。とはいえ、文章構成の類似などの不自然さは残るものです。 記述問題は解くのに時間がかかるため、答えを写す可能性が高くなります。週に1回程度、記述問題数2、3問をチェックしてみましょう。

宿題の出来具合と、宿題と同単元のテスト結果をチェック

宿題の出来具合と宿題と同単元の週例テストなどの結果を比較してみましょう。宿題ではマルばかりついたのに、テストでは基本問題でも多く不正解、ということはありませんか。その場合は宿題で答えを写している疑いがあります。

保護者面談などで「うちの子は宿題はきちんとやっているのに、テストになると点が取れなくて……」という相談を受けることがありますが、その子の宿題をあらためてよくチェックすると、ほぼ写していたことが判明したということは珍しくないことです。

宿題の出来具合と宿題と同単元の週例テストなどの結果を比較し、あまりに乖離がある場合は、真面目に宿題に取り組んでいない可能性が非常に高いといえるでしょう。

宿題の復習テストで確認する

宿題で出来のよかった箇所を数問抜き出して、あらためて復習テストをしてみるのもひとつの方法です。なかなか解けないようであれば、答えを写していた可能性が考えられます。たとえ写していなくても、宿題内容を理解しきれていないので、もう一度最初からやり直す必要があります。

答えを写しているかも……。親はどうする? 

答えを写して宿題をしているかも……。そう感じた場合、親はどうするべきなのでしょうか。

答えを写している確証がなければ詰め寄らない

原則として、答えを写しているところを目撃したわけでないなら 、「答えを写してるでしょ!」と子供に詰め寄るのはやめておいたほうがよいです。万が一そうではなかったとき、子供が傷つきます。たとえ、答えを写している確証があったとしても、それを追及することは問題の本質的な解決にはなりません。

そもそも子供が答えを写さなくなるために、志望校合格へのモチベーションを上げる工夫をするか、学力を上げるために、保護者として何ができるかを考える方が建設的です。

模範解答は親が管理する

「写しているかもしれない……」という段階であれば、模範解答を親に預けるよう子供に要求してください。答えを写している子供なら親の意図がわかるはずです。あわせて塾講師に「なぜ、その宿題を出すのか」ということと、「時間をかけて考えても解けなかったときの対処法(〇〇のサブテキストを見るとヒントがか書かれている、どうしてもわからなければ一単語だけでもいいから書くようになど)」について、説明してもらよう依頼することをおすすめします。

答えを写すのは軌道修正が必要なサイン。叱るのではなく根本解決のチャンスとらえる

大人でも、仕事の全てを最高のモチベーションで取り組み続けられる人はなかなかいないはずです。意味を感じられない仕事や、高すぎる目標を与えられたりすれば、誰しも投げやりな気持ちになるでしょう。

社会に出ている大人でもそうなのですから、幼い子供であれば、なおさら自分の感情にしたがって行動するのは当然です。

子供が宿題の答えを写すのは、「その宿題に取り組む労力に見合う見返り(成果)を理解できていない」、または「自力で解きたいが、解くための学力がない」といういずれかが考えられます。

したがって、不用意な注意は子供の「もう勉強したくない」「塾をやめたい」という感情を誘発させます。「その宿題を通じて、どんな力をつけられるのか」ということを講師から伝えてもらい、同時に「その宿題をやり切れるようになるために何をすればよいのか」を教えてもらうことが、根本解決につながります。

※記事の内容は執筆時点のものです

西村創
この記事の著者
西村創 専門家・プロ

受験指導専門家。大手進学塾に所属。授業を担当するほか、講師の指導研修、保護者セミナーなどを行う。国内外において指導した生徒は2000人を超える。個人としても西村教育研究所を主宰し、教育・受験に特化した記事制作の編集プロダクションを運営するとともに、教育書や参考書の出版、全国の中学、高校での講演など、幅広く教育に携わっている。著書『子どもを勉強好きにする20の方法』(WAVE出版)は翻訳され海外展開、『1分あれば中学生のやる気は引き出せる!』(PHP研究所)、『高校入試 塾で教わる 小論文・作文の書き方』(KADOKAWA)『中学歴史が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)など、出版書籍はすべてが重版更新中。その他、テレビ出演、新聞・雑誌などのメディア、掲載多数。

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