連載 下剋上受験

叱られている理由 ―― 叱られる理由なんて本当はわかってない

専門家・プロ
2015年4月20日 桜井信一

今夜は、「叱られている理由」がテーマです。よろしくお願いします。

家庭からの相談で私はよく言うんです。

「お母さん! 叱らないでくださいね!」

すると……、なんと。

「わかりました。じゃあ褒めればいいんですね」 となるんです。

いつから、「叱る」の対義語が「褒める」になったのでしょうか?

「お母さん! 酒を飲まないでくださいね!」 なら、「じゃあ、ウォーキングすればいいんですね」 となっちゃうような話でしょ?

どうしてそんなに極端になるの!

叱るときは結果が思わしくないときや、やる気がないとき。褒めようがないでしょ。いいとこなしだもん。

お酒でたとえるなら、「酒を飲まないでくださいね」という話なのですから、酒を飲まないだけでいい。しかも、一滴も飲まないって極端な話ではなく、たしなむ程度ならよさそうですよね。

それと同じなのです。

叱らないだけでいい。しかも、たしなむ程度なら叱ってもいいという話なのです。

ただ、結果がでないときは叱ったらマズイ。反省になっちゃう。

このとき、結果に反省してしまうのです。

結果なんて反省しても全く無意味。

なんか反省すると結果がよくなるような気がして、がっかりする態度が大事だと思ってしまいます。

そこ、全然カンケーなし!

その結果になる原因を何としてでも突き止めないといけない場面なのに、叱られることによって反射的に反省してしまうのです。

 

たとえば、お母さんがキッチンドリンカーになったとします。その原因はご主人にあるようです。

この場合、お母さんが毎晩酒を飲むことに反省しても、一体何に反省しているのか自分でもわからなくなり、ただブルーになるだけで終わってしまうはず。

原因であるご主人を反省させなければいけない。そう、本人は悪くない。相手が悪いのです。

この場合、毎晩酒を飲んでしまうお母さんが悪い前に、ご主人が悪い。ご主人を正してからお母さんが酒をやめる順序となります。

これをエクセルにかけると、子どもが反省する前に、そんな結果になるまで放置したお母さんが反省しないといけないとソフトが判断する。

ということは?

反省しないといけないはずのお母さんが子どもを叱ってるのはおかしいでしょ?

ややこしい?

そう、算数も国語も植物も歴史もややこしいのです。

なに? 余計にややこしい?

そう、中学受験はややこしいのです。

親が叱らないってホントに難しい。これ、相応な忍耐が必要です。叱り倒して何かが変わることはない。子どもってしぶといもん。

どうして子どもはしぶといか。

叱ってもね。叱られ慣れている子は、いま何に叱られているか深く考えていないものです。

試しにね。「いま何がいけなかったか言ってみなさい!」 と叱ったときにダメ押ししてみてください。

まあ、「ごめんなさい」という子もいれば、黙っている子もいますが、あたまのキレる子はちょっと違う。

「成績が悪かったこと……」と答えるのです。

がはは! 結局なにもわかってなかったじゃん!

まあこんなものです。まだ小学生ですから。

私も何度も何度も悩みましてね。歯が欠けたこともありました。歯科に行く時間がないからしばらくそのままでしたよ。(#^^#)

でもよくよく考えると、何に反省させるの?と気付く。

やる気がないときもありました。

でも、やる気がない原因がありましてね。思うようにいかないから、やる気が出ないんです。

お母さんもやる気が出ないときあるでしょ? 酒をやめたくてもね、まずはご主人が襟を正してくれなきゃやめる気がしない。というかやめるのが悔しい。

という、面倒な話なのです。

2015.4.20 0:40

桜井信一

※記事の内容は執筆時点のものです

桜井信一
この記事の著者
桜井信一 専門家・プロ

オンライン塾「下剋上受験塾」主宰。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。 娘の下剋上のために一念発起して小5の勉強からやり直す。塾には行かず、父娘の二人三脚で偏差値を41から70に上げ、100%不可能とされた最難関中学「桜蔭学園」を目指した。その壮絶な受験記録を綴った『下剋上受験』はベストセラーに。 2017年1月には待望のドラマ化。学習講座「桜井算数教室」「国語読解記述講座」にはのべ2000人の親子が参加し人気を博した。2020年、オンラインの「下剋上受験塾」を立ち上げた。

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