連載 学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」

勉強習慣・生活習慣#4 コツコツ努力できているかを重視する|学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」

専門家・プロ
2019年7月09日 松本亘正

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子どもに「よい勉強習慣」を身につけさせたい。そのために親ができることとは――。中学受験専門塾 ジーニアス 代表、松本亘正氏の著書『合格する親子のすごい勉強』から、わが子の学ぶ力を伸ばすヒントを紹介します。

才能を感じさせる子より真面目な子のほうが伸び続ける

― Point ―

中学や高校で逆転するのは真面目にこなせる子

小学生のうちは、「精神年齢」の違いで、子どもによってできる、できないの差がつくものです。

でも、10歳以上、とくに中学・高校でぐんぐん伸びていくのは、真面目に課題をこなすタイプです。仕事でも、伸びていく人や評価される人は、与えられた課題を丁寧にやり抜く人ではないでしょうか。
 
ある年の中学受験で、筑波大学付属駒場中学校や開成中学校、麻布中学校などの御三家中学に合格した生徒が4名、残念ながら本命校には落ちたけれど第二志望に合格した生徒が3名いました。
 
6年後、本命校には縁がなかった3名は全員、現役で東大合格。大学受験の模試でも中学受験で「成功」した子より全員成績上位になりました。彼らに共通していたのは、コツコツ努力を継続できる子であること。10歳の時点では見えなかった「あとから伸びる力」を持っていました。
 
子どものこういった力に気づくには、結果ではなく、過程を見るようにすることです。成績に一喜一憂するのではなく、「コツコツ努力できているかどうか」を重視しましょう。

ですから、たとえば「学校のテストで70点しか取れなかったから叱る」のは禁物。塾のテストの結果が悪かったときに、「どうしてあなたはちゃんと勉強しないの!だからこんな結果になるじゃない」と叱るのも逆効果です。
 
結果が出てから叱るのではなく、その過程で「この勉強のやり方では結果が出にくいよ。毎日2ページずつていねいに宿題をやろうね」と言ったほうが伝わります。

継続すること、与えられた課題を終わらせるということ、親である私たちが、それらが大切であることを伝えていけば、子どもは伸びていきます。

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松本亘正

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まつもとひろまさ|中学受験専門塾ジーニアス運営会社代表|ラ・サール中学高校を卒業後、慶應義塾大学在学中に中学受験専門塾ジーニアスを開校。現在は東中野・自由が丘・日吉・芝浦港南など、6校を展開している。「伸びない子はひとりもいない」をモットーに、少人数制で家族のように一人ひとりに寄り添う指導を徹底、毎年超難関校に合格者を輩出している。生徒は口コミと紹介だけで9割を超える。これまでののべ指導人数は2200名以上。第一志望校への合格率は一般的に25%といわれるなか、ジーニアスは約60%超の第一志望校合格率を誇る。中学受験だけでなく、高・大受験時、就職試験時、社会人になっても活きる勉強の仕方や考える力の育成などに、多くの支持が集まっている。