「中学受験のリアル」を知るならこの漫画!中学受験の熱い裏側にグサッときます

2019年6月13日 市川 いずみ

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中学受験をめぐる「子供・親・塾」の本音がリアルに描かれた「二月の勝者」は、読んで損のないおすすめの漫画です。

中学受験を目指す家庭ごとの不安や悩みがリアルに描かれており、共感できるポイントが満載です。また過熱する中学受験の裏側、合格への戦略を取り上げたリアリティのある描写も読み応え抜群。親へのアドバイスや、多くの家庭が直面しやすい問題も取り上げられています。

今回は「二月の勝者」を参考に、中学受験を考える家族で起こりやすい問題について紹介します。

「二月の勝者」は親目線で納得感の高い漫画

中学入試が終わると、テレビや雑誌では難関中学に合格した子供たちの特集や塾の合格実績、合格体験記が紹介されます。「いつかわが子のこんな笑顔が見られたらな……」と、来年以降の受験を控える親としては励みになることも。しかし、受験までの道のりは決して笑えることばかりではありません。どこの家庭でも、さまざまな困難を乗り越えたドラマやバトル、迷いや葛藤が存在していることと思います。

中学受験では、まだまだ幼さの残る小学生に大人顔負けの思考力が求められます。そして、家族一丸となって向き合わないと乗り越えられません。さらに、中学受験専門塾との関係構築も合格には大切になってきます。

ちなみに「二月の勝者」のなかに、「中学受験は課金ゲームです」と塾講師がバッサリ切り捨てる過激なセリフが出てきます。「そこまで言ってしまう?」と思いつつ、中学受験を経験した子供を持つわたしからすると、「自分が塾側の立場ならわかる部分もあるな」と思うシーンも。塾の裏側に妙に納得してしまう漫画です。

中学受験をスタートしてから起きやすい問題7つ

「二月の勝者」では、各家庭や子供たちのトラブルが次々に起こります。「中学受験はコツコツ勉強して成績を上げたら合格できる!」「親子で頑張ったら志望校に合格できる!」という簡単なものではないことも描かれています。順調に進むことはめったになく、問題にぶつかることも多々あります。「二月の勝者」のなかでも触れられているように、中学受験で直面する問題は以下のようにさまざまです。

①親の忍耐力が試される

子供は「中学受験をしたい!」という一方で、親は「やる気がないならやめなさい!」とバトルになるケースがあります。わが家もこれを体験しました。子供の「やる気スイッチ」がいつまでたっても入らなかったんです。結局、息子が動き出したのは入試本番の1か月前。塾からも「お子さんの気持ちを尊重してください」というお話があり、中学受験をしようと覚悟を決めました。中学受験では、親の忍耐力が試されていると実感しました。

②夫婦で意見が一致せずケンカ

たとえば、母親が中学受験に熱心にも関わらず、父親が無関心で夫婦げんかが起きることがあります。子供は親のケンカを自分のせいだと思ったり、混乱したりして、精神的に不安定になってしまうことも。完全に意見が一致しなくても、お互いが子供の進路を考えてのことですから、向いている方向は同じが良いですね。

③転塾は慎重に考える

「塾のやり方があわない」「頑張ってみたけれどキツイ」という場合があります。そんなときは塾を変える「転塾」を考えますが、転塾は親子にとって慎重に考えたい問題です。思い切って転塾したら下位クラスにいた子が本来の力を発揮できたケースがある一方で、転塾が裏目に出るケースもあります。塾によってカリキュラムの進度が異なるため、転塾するにしてもタイミングには気をつけましょう。また転塾をするまえに、ほかの塾の期間講習を受けてみるのも良いですね。

④偏差値を重視し過ぎてしまう

親は子供の成績で一喜一憂してしまいます。しかし、あまりにも偏差値を重視すると「なんで中学受験をするのか」「子供が本当に行きたい学校はどこか」といった本質が見えなくなります。「偏差値アップ」という理想を追うだけでなく、親は「子供の現状」「やりたいこと」「気持ち」を冷静に考えてあげることが大切です。

⑤子供の性格に合う塾を選ぶ

塾選びでは、塾のネームバリューだけでなく、塾と子供の相性を考えて選びたいですね。「キツイことを言われてもめげない子」「ちょっとキツイことを言われると縮こまってしまう子」といった子供の性格によって、相性のあう塾を探すようにします。いまは、ネットの口コミで塾のタイプがある程度わかります。長い時間を塾で過ごすのは子供です。子供が勉強をしやすい環境を考えて塾を選びましょう。

⑥中学受験は家計に負担

6年生となると、塾代だけで年間100万は軽く超えることがあります。模試が増え、期間講習が長くなり次々とお金がかかります。さらに入試本番では「受験料」「交通費」「入学金」「宿泊費」といった費用もかかってきます。金銭面は行き当たりばったりではなく、夫婦で受験までのシミュレーションをしてみましょう。

⑦個別指導や家庭教師の必要性に迫られることも

苦手科目のフォローをするときや、親が子供の勉強をサポートできないときは、個別指導や家庭教師を利用するケースが出てきます。わが家では塾へ行きつつ、苦手科目の国語をフォローするために、短期間ですが個別指導に通わせました。親が教えることができればよかったのですが、わたしは国語が苦手なためギブアップ。国語は短期間でどうにかなる科目ではないことはわかっていましたが、親としてすがる想いで個別指導に申し込みました。

中学受験は「子供・親・塾」の連携が大切

4~6年生の夏くらいまでは、ひたすら受験勉強を頑張る時期です。しかし6年生の秋くらいから親もだんだんピリピリしてきて、年末に向かって冷静さを失うこともあります。

・子供のやる気スイッチがまだ入らない
・過去問をやっても点数が取れない
・志望校判定で結果がでない

つい悩みを抱え込んでしまうこともありますが、中学受験は多くの人のサポートなしには成り立ちません。とくに、親子と塾の信頼関係がないと中学受験は乗り越えられません。

「二月の勝者」には、「塾は教育者ではなくサービス業」という言葉が登場します。中学受験ではさまざまな問題が起きますが、中学受験を知り尽くした塾に相談することは、メリットが大きいことです。「二月の勝者」には、塾と親子で連携して問題を解決していく戦略も書かれています。適切なサポートを受けつつ、一丸となって中学受験を乗り越えていきたいですね。

※記事の内容は執筆時点のものです

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