連載 学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」

勉強習慣・生活習慣#11 短時間でも勉強する習慣をつける|学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」

専門家・プロ
2019年7月30日 松本亘正

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子どもに「よい勉強習慣」を身につけさせたい。そのために親ができることとは――。中学受験専門塾 ジーニアス 代表、松本亘正氏の著書『合格する親子のすごい勉強』から、わが子の学ぶ力を伸ばすヒントを紹介します。

中高で突然勉強する習慣がつくケースはほとんどない

― Point ―

小学生のうちから短時間でも勉強する習慣がついている子ほど伸びる

「小学生のうちから勉強しなくても、俺は中学・高校で勉強して伸びた」とおっしゃるおとうさんによく出会います。

私の経験上、それはじつは稀有な例です。稀有な存在だからこそ、社会的にも成功し、子どもの教育にお金や時間をかけられるのだと思います。

勉強習慣のない子が、あとから突然勉強できるようになるのは、スポーツに打ち込んでいたり、何か別なものに集中して取り組んでいたというケースです。そうでもない子が突然勉強するようになることは、期待しないほうがよいでしょう。

一方で中学や高校の受験で成功して難関校に入っても、その途端にまったく勉強しなくなる子がいます。

受験までは目の前の目標があって、まわりにも刺激されてやる気を高めながら勉強したから、たどり着けた。でも、次の目標が数年後になると、まったく勉強しなくなってしまう。こんなケースが頻繁にみられます。

この状態を変えようと思っても、もう手遅れです。

結局、自発的に勉強できないので、塾の授業に頼るか、個別指導に頼るしか方法がなくなってしまいます。本来は弱点補強のための個別指導が、勉強しないよりマシという理由で使われることも多いのです。

中学受験をする、しないにかかわらず、短時間でもいいので、小学生のうちから勉強する習慣を身につけさせてください。

理想は、朝起きてから30分間漢字や計算に取り組むこと。夕方には宿題に取り組むこと。長時間勉強させなくてもかまいません。すきま時間や朝の短時間に集中して勉強に取り組ませましょう。

もし、夜型で家族全員で朝型へ切り替えるのが難しいなら、寝る前の30分でもいいのです。子どものころに培った「集中して勉強を片づける経験」が、後々かならず活きてきます。

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