中学受験ノウハウ 公立中高一貫校

都立中高一貫校の特徴とは?子供が通学しているからわかる魅力も紹介

2019年8月21日 小林彩子

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都立中高一貫校の受験倍率は、毎年増減はあるものの、依然として高止まりしています。都立中高一貫校は、なぜ人気なのでしょうか。実際に子供が都立中高一貫校に通う保護者の視点から、都立中高一貫校の特徴と魅力について紹介します。

優秀な生徒のなかで切磋琢磨できる

同級生や上級生から刺激をもらえる環境で切磋琢磨できるのは、都立中高一貫校の特徴のひとつです。たとえば、都立中高一貫校には、部活に熱心に取り組む学校が多くあります。

学校から強制されるのではなく、「勉強と部活などをみんな両立しているから、それが当たり前」という環境です。

志が高い生徒のなかで学べる「次世代リーダー育成道場」

英語の義務教育化や社会のグローバル化に伴い、「子供にはいずれ海外留学をさせてみたい」と考える家庭も多いかと思います。そこで注目したいのが、東京都教育委員会が実施する「次世代リーダー育成道場」という留学支援プログラムです。

主に都立高校に通う高校生を対象にしていますが、注目すべきは、小論文や面接などの選抜をクリアすれば都立中学3年生でも応募できるという点です。

また、このプロジェクトの魅力は、約80万円(※)という低費用で留学できることです。家庭の経済状況によっては、受講料の減免または免除も受けられます。留学先の学校で取得した単位は留学後も認定され、留年を避けることが可能なので、大学進学時の影響を小さく抑えることもできます。

将来的に留学を希望する子であれば、都立中高一貫校をはじめとした、都立中学への進学を検討してもよいでしょう。

【参考】次世代リーダー育成道場
※別途、留学準備費・留学先諸経費が30万円~40万円ほどかかります

学力だけでなく「人間力」も養われる

子供が都立中高一貫校に入学してまず驚いたのが、学校行事の多さです。体育祭、文化祭、音楽祭の三大行事に加えて、新入生交流会や夏期講習、課外活動といったイベントも多くあります。

また、都立中高一貫校は6学年すべての生徒が同じ学校で過ごしているため、他学年と交流する機会もよくあります。数多くある行事の運営は、生徒が主体です。このため、入学したばかりの中学1年生でも行事運営に関わる機会が多くなります。

自主的に学校行事に関わる姿勢や、学年も性別も異なる生徒のなかで人間関係を構築する方法を、実体験を通して学ぶことができる環境といえるでしょう。

「リーダー」としての力も身につく

東京都教育委員会によると、「社会の様々な場面、分野で信頼されるリーダーの育成」を都立中高一貫校の理念として掲げています。

このため、学校生活では、さまざまなシーンで”リーダーとしての活躍”を求められます。授業中のグループリーダーや、係りのリーダーなど、ほとんどの子がほかの生徒をまとめる仕事を経験します。

早い段階から人前に立ち、人を取りまとめる経験をつんでいくことで、人間関係の構築の仕方や、話し合いをスムーズに進めるスキル、自分の考えを伝える方法などが自然と身についていくのです。これらの力は、社会に出たときも役立つのではないかと思っています。

国立大学進学への意識が高い

都立中高一貫校は、国立大学への進学に力を入れている学校が多いです。私の子供は、中学に入学してすぐ、大学進学に向けた学習指導や、進路指導部から「お知らせプリント」の配布が始まりました。

同じ学校の敷地内に高校生がいるため、大学受験を控えた高校3年生の姿を間近に見て、自分の将来像を思い描きやすいというのもメリットだと感じます。

部活動や委員会の先輩から大学受験の話を聞いたり、毎年の大学合格状況が学内に貼り出されているのを見たりして、大学受験に役立つ情報を得やすいというのも、中高一貫校ならではの特徴です。

卒業生が、在校生の勉強を見てくれる制度がある学校も

都立中高一貫校のなかには、卒業生が在校生の勉強を見てくれる制度を設けている学校もあります。放課後の時間を使い、大学受験に向けたアドバイスをもらったり、国立大学への合格体験談を聞いたりすることができます。

また、学校の進路指導部は、とくに国立大学の受験や合格に対するノウハウを多く蓄積しており、国立大学への進学を希望する生徒にとっては頼もしいといえます。

都立中高一貫校は、充実した教育環境が整っている

都立中高一貫校は、「総合的な人間力」が育め、難関大学進学をモチベーション高く目指せる環境が整っています。授業費が低額ながらも、充実した教育が受けられるのも、魅力のひとつです。この記事を参考に、都立中高一貫校の魅力に気づいていただけたら嬉しいです。

※記事の内容は執筆時点のものです

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