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石灰水と二酸化炭素の反応を覚えよう! 消石灰の水溶液が白く濁るのはなぜ?

2019年10月15日 みみずく

「石灰水に二酸化炭素を吹き込むと白く濁る」という知識は理科の常識なので、ほとんどの中学受験生が知っています。しかし、「石灰水には何が溶けているの?」「石灰水が白く濁るのはどうして?」と問われると、答えられない受験生は少なくありません。今回はそんな受験生のために、石灰水やその中に溶けているもの、二酸化炭素との反応について詳しく解説します。

「石灰」について正しく理解しよう

理科の実験でおなじみの石灰水は、水溶液です。名前から石灰が水に溶けていることはわかりますが、その「石灰」とは何なのかを正しく覚える必要があります。

石灰水に溶けているのは水酸化カルシウム

石灰水に溶けているのは水酸化カルシウムで、これは「消石灰(しょうせっかい)」とも呼ばれます。水酸化カルシウムは、似たような名前の酸化カルシウム(生石灰/せいせっかい)に水を加えることでつくられます。石灰水の「石灰」は、生石灰ではなく消石灰です。

水酸化カルシウムを水に溶かした石灰水はアルカリ性です。アルカリ性は、赤いリトマス紙を青色に、BTB溶液を青色に、フェノールフタレイン溶液を赤色にします。また、皮膚をボロボロにしたり、目に入ると障害を引き起こしたりするなど、危険な水溶液でもあります。理科の実験で石灰水を使うときは注意しましょう。

水酸化カルシウムは土の改良や消毒に使われる

水酸化カルシウムは、コンニャクを固めたり、漆喰(しっくい)の原料になったりと、さまざまな用途で役立っています。かつて小学校では、校庭に白線を引くラインパウダーとして使われていました。しかし強アルカリ性なので、皮膚に付着したり目に入ったりすると危険なことから、現在は使われていません。

特に覚えておきたいのは、土壌改良剤としての役割です。園芸では、アルカリ性の水酸化カルシウムを土に混ぜることで、酸性の土を中和して中性やアルカリ性にします。また、強いアルカリ性でウイルスや細菌を生きられなくする殺菌作用もあります。そのため、水害や鳥インフルエンザが発生した場合に、汚染された土を消毒する目的でも利用されます。

石灰水が白く濁るのはどうして?

理科の実験では、発生した気体が二酸化炭素であることを確認するために石灰水を使います。このときの石灰水と二酸化炭素の反応を理解すると同時に、関連する反応も一緒に覚えましょう。

二酸化炭素を吹き込むと炭酸カルシウムができる

石灰水に二酸化炭素を吹き込むと、水酸化カルシウムと二酸化炭素が反応して炭酸カルシウムと水ができます。炭酸カルシウムは白い粉末で、水に溶けずに沈殿(液体の中で固体が下に沈むこと)します。そのため、水が白く濁ります。

炭酸カルシウムは貝殻や卵の殻、石灰岩、大理石などの主成分です。塩酸をかけると二酸化炭素を発生させます。炭酸カルシウムと塩酸の反応は入試で問われやすい知識なので、必ず覚えましょう。

また現在では、校庭に白線を引くためのラインパウダーとして炭酸カルシウムが使われています。前述の通り、かつて使われていた消石灰が危険であるため、その代用品とされました。

二酸化炭素をさらに吹き込むと透明になる理由

白く濁った石灰水に、二酸化炭素をさらに吹き込むと透明になります。炭酸カルシウムが二酸化炭素と水と反応して、水に溶けやすい炭酸水素カルシウムに変わってしまうからです。この水溶液を加熱すると、二酸化炭素が空気中に出ていって、再び炭酸カルシウムに戻ってしまいます。そのため、炭酸水素カルシウムの固体を取り出すことはできません。

ちなみに、炭酸カルシウムと炭酸水素カルシウムの反応から、鍾乳洞(しょうにゅうどう)がどうやって形成されるのかを説明できます。空気中の二酸化炭素が溶け込んだ雨水が石灰石(炭酸カルシウム)を溶かし、炭酸水素カルシウム水溶液となって地下に染み込んでいきます。そして、地下の洞窟内でこの水溶液に圧力がかかり、二酸化炭素が抜けていきます。その結果、炭酸カルシウムが沈殿して、洞窟の天井から垂れ下がる鍾乳石が形成されるんですね。

石灰水の知識は中学入試にも出る!

中学入試の理科では、「石灰水に二酸化炭素を吹き込むと白く濁る」以外にも、石灰水に関連する知識が出題されることがあります。特に、今回紹介した水酸化カルシウム(消石灰)・酸化カルシウム(生石灰)・炭酸カルシウム・炭酸水素カルシウムの4つは問われやすいので、しっかり区別して覚えておきましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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