石灰水と二酸化炭素の反応を覚えよう! 消石灰の水溶液が白く濁るのはなぜ?
「石灰水に二酸化炭素を吹き込むと白く濁る」という知識は理科の常識なので、ほとんどの中学受験生が知っています。しかし、「石灰水には何が溶けているの?」「石灰水が白く濁るのはどうして?」と問われると、答えられない受験生は少なくありません。今回はそんな受験生のために、石灰水やその中に溶けているもの、二酸化炭素との反応について詳しく解説します。
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「石灰」について正しく理解しよう
理科の実験でおなじみの石灰水は、水溶液です。名前から石灰が水に溶けていることはわかりますが、その「石灰」とは何なのかを正しく覚える必要があります。
石灰水に溶けているのは水酸化カルシウム
石灰水に溶けているのは水酸化カルシウムで、これは「消石灰(しょうせっかい)」とも呼ばれます。水酸化カルシウムは、似たような名前の酸化カルシウム(生石灰/せいせっかい)に水を加えることでつくられます。石灰水の「石灰」は、生石灰ではなく消石灰です。
水酸化カルシウムを水に溶かした石灰水はアルカリ性です。アルカリ性は、赤いリトマス紙を青色に、BTB溶液を青色に、フェノールフタレイン溶液を赤色にします。また、皮膚をボロボロにしたり、目に入ると障害を引き起こしたりするなど、危険な水溶液でもあります。理科の実験で石灰水を使うときは注意しましょう。
水酸化カルシウムは土の改良や消毒に使われる
水酸化カルシウムは、コンニャクを固めたり、漆喰(しっくい)の原料になったりと、さまざまな用途で役立っています。かつて小学校では、校庭に白線を引くラインパウダーとして使われていました。しかし強アルカリ性なので、皮膚に付着したり目に入ったりすると危険なことから、現在は使われていません。
特に覚えておきたいのは、土壌改良剤としての役割です。園芸では、アルカリ性の水酸化カルシウムを土に混ぜることで、酸性の土を中和して中性やアルカリ性にします。また、強いアルカリ性でウイルスや細菌を生きられなくする殺菌作用もあります。そのため、水害や鳥インフルエンザが発生した場合に、汚染された土を消毒する目的でも利用されます。
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