学習 連載 中学受験のツボ[算数編]

【小6算数/数の性質】N進法の基本的な考え方と変換方法|中学受験のツボ[算数編]

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2024年3月02日 杉本啓太

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語理科社会

こんにちは。
株式会社ORA-Trio杉本です。

今回のテーマは「N進法」です。N進法の考え方、イメージのしかた、十進法との変換方法について解説します。

 

N進法は、得意・不得意が分かれやすい問題でもあります。

具体的な例でイメージできていると定着しやすく、得意になる傾向が見られますが、計算方法だけを丸覚えしてしまっている子はすぐに忘れてしまい、定着しづらくなってしまう場合も多いです。

そもそもどのような考え方か」からしっかりと理解し、身につけておきましょう。

N進法とは

まず「そもそもN進法とは何か」について確認していきましょう。

 

N進法とは簡単に言うと「N個の記号を使って数字を表す方法」です。

たとえば、「0,1,2,3」の4種類の記号を使って数字を表すと「4進法」となります。

 

ふだん、私たちが使っている数字の表記方法は「十進法」と呼ばれるものです。

これは「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」の10種類の記号を使う表記方法です。

 

では、4進法では数はどのように表されるのでしょうか?

 

十進法でひとつずつ数を大きくしていくと「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」となります。

そして、1桁の数のうち最大の数である9の次は、右から2桁目を使って「10」となります。

右から2桁目が1増えて、1番右の桁は0に戻るということです。

 

4進法でも考え方は同じです。

ひとつずつ数を大きくしていくと「0,1,2,3」となります。

ここで、1桁目はこれ以上増やせなくなります。そこで、次の数は右から2桁目を使って「10」と表します。

十進法と違い、4で繰り上がる、ということですね。

「時間と秒」の表し方をイメージしてみよう

N進法については、時間と秒の表し方をイメージすると理解しやすいかもしれません。

 

たとえば、58秒から1秒ずつ増やしていくと以下のようになります。

0分58秒 → 0分59秒 → 1分0秒 → 1分1秒

 

「秒」は60秒になると「分」になるため、「59秒 → 1分0秒」のところで「分は1増え、秒は0に戻る」という変化をしています。

この「60になると秒から分に繰り上がる」という部分が、4進法では「ある桁の数が4になると繰り上がる」となっているのです。

 

N進法は「それぞれの桁がNになると、1つ上の桁に繰り上がる表記方法」と言い換えることもできますね。

 

N進法 → 十進法の変換方法

次に、N進法と十進法の数の変換について解説します。

まずは、「N進法 → 十進法」の変換についてです。

以下の例題を見てください。

例題1
3進法で2120と表される数は、十進法ではいくらでしょう。

 

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杉本啓太

杉本啓太

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株式会社ORA-Trio代表。家庭教師。灘高校から東京大学理科二類進学、同大学農学部卒業。大学時代は社会教育団体にて子どもの教育支援に携わりつつ、家庭教師・塾講師としても活動。卒業後は外資・日系コンサルティングファームに勤務しながら、土日は家庭教師としての活動を継続。その後プロ家庭教師として独立。学科指導だけでなく、学習の計画策定・環境作り・親御様の関わり方・生徒の性格起因の課題など、抽象的な問題の整理と解決を得意とする。2023年2月、模試結果分析を中心とした家庭学習コンサルティングを手掛ける株式会社ORA-Trioを設立。