中学受験ノウハウ 志望校選び

中高一貫校の「国際教育」の魅力とは? 海外語学研修や学校独自の取り組みも紹介

2019年10月24日 市川 いずみ

中高一貫校の取り組みとして、海外の語学研修が注目されています。そして、大学入試改革に向けて“使える英語”を身につける必要性が叫ばれているなか、短期留学やホームステイ、海外への修学旅行といった国際教育に力を入れる中高一貫校が増えています。

また、海外の大学進学を視野に入れた教育をおこなう中高一貫校も注目されていて、志望校選びのポイントにする家庭も増えている印象です。わが家も、息子の志望校選びのときは国際教育に注目していました。結果として、息子は国際交流を積極的におこなう中学校に進学。姉妹校との交流、海外研修といったプログラムが充実しています。ちなみに息子は中学2年生ですが、今後を見据えて、わが家でも海外研修の参加を検討しています。

そこで今回は、中高一貫校の国際教育について詳しく紹介します。志望校選びの参考にしてみてください。

中高一貫校の国際教育とは?

「国際教育」といっても、海外研修もあれば、英語の授業以外にオンライン英会話を使った取り組みをおこなっている学校もあります。国際教育とは、どのような内容を指すのでしょうか?

海外研修

身につけた英語力を実践することを目的に、他国の文化を知るための海外研修をおこなっている学校は少なくありません。「修学旅行」として全員が参加する研修もあれば、希望者だけが参加するプログラムもあります。中2から高2のあいだで設定されていることが多く、行き先もシンガポール、フィリピン、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどさまざまなようです。

また、夏休みにホームステイで2~3週間滞在し、現地のスクールに行きつつ、家庭生活を体験できるプログラムを用意している学校も。学校によっては「短期留学」や「サマースクール」と呼ばれます。ホームステイを経験すると、子供のチャレンジ精神が発揮され、自立も促されて、一回りも二回りも成長して帰ってくることが多いようです。多感で、吸収力がある時期だからこそ、子供に海外研修を体験させたいですね。

ターム留学・長期留学

短期留学より長い期間の海外研修は、一般的に「ターム留学」や「長期留学」と呼ばれます。ターム留学は約3ヶ月(1学期)、長期留学は1年間を指すことが多いです。海外に姉妹校がある学校だと、交換留学先で履修した単位を学校の単位として認める制度があるところも。ちなみに交換留学ではなく、個人で長期留学する場合は、休学や復学の条件などが学校によって異なります。長期留学を考えている場合は、その学校の留学規定を志望校選びのときに調べておくとよいですね。

海外の学生の受け入れ(ホストファミリー)

海外に姉妹校がある学校だと、姉妹校の学生が日本に来ることがあります。そして、その学生の受け入れ先として「ホストファミリー」を募集する学校があります。ホストファミリーは、留学生と買い物へ行ったり、遊びに行ったりと、日本の生活を体験させてあげることが主な役割。わたしの友人は、ホストファミリーとしてアメリカの学生を受け入れ、「竹が見たい」というリクエストがあって鎌倉へ行ったそうです。ホストファミリーになると、家族全員で国際交流の体験ができるというのも貴重ですね。わが家も、息子の学校でホストファミリーの募集があったときは、チャレンジしてみようと思っています。

オンライン英会話

学校の授業で1人1台パソコンを使い、講師とマンツーマンでオンライン英会話をおこなう学校もあります。リスニングとスピーキングだけでなく、コミュニケーション力もアップするため、より実践的な英語力が身につきます。

学校独自のさまざまな取り組みも

学校によっては、ちょっと変わった国際教育プログラムを実践しているところもあります。たとえば、タイやカンボジアでホームステイすることによって、途上国の課題に触れる研修をおこなっている学校も。また英語のスピーチコンテストや英語でプレゼンをおこなう授業、英語劇や洋書の多読、希望者は第二外国語の授業を受けられる学校など、さまざまな角度から国際教育がおこなわれています。

海外の大学を視野に入れた中高一貫校も

これからの大学入試では、言語の4技能が求められます。そして国内の大学ではなく、海外の大学進学を支援する中高一貫校も注目されています。また、海外大学進学のノウハウやサポートだけでなく、金銭面の支援制度を取り入れている学校も多くあります。

ちなみにアメリカの大学へ進学する場合は、高校の成績、自己紹介書の作成、課外活動の実績、リーダーやボランティアの経験などが必要なため、中高時代の努力の積み重ねがさらに必要になります。また、留学時の英語力を判断する「TOEFL(トーフル)」や、アメリカの“大学入試センター試験”にあたる「SAT(エスエーティー)」の受験、高校の先生の推薦状が必要になることも。日本の大学入試のように、試験だけの勝負というわけにはいきません。

また、海外の大学へ進学するメリットは以下の通りです。

・幅広い専門分野を学べる環境が整っている
・語学力アップが期待できる
・外資系企業を含めた、海外の就職活動ができる

一方で、海外の大学へ進学するデメリットは以下が挙げられます。

・多額の資金がかかる
・英語力がないと、授業についていくのが大変
・情報収集が難しい
・現地の生活に慣れるまでは不安を感じることも
・卒業要件が厳しく、日本の大学より卒業が難しいといわれる

海外研修の参加条件は厳しいことを覚悟する

息子の学校は国際交流が盛んで、さまざまなプログラムがあります。わたしも、希望制の語学研修の説明会に息子と参加したことがあります。

説明会では、語学研修では海外の文化を学んだり、日本の文化を発信したりするため、事前の準備期間が設けられているというお話がありました。また、語学研修は「旅行」とは違うこと、自分で何でもすること、時間を守ること、ホームステイ先の家族の一員となるためにも率先してお手伝いすること、日本と違うルールを知ること、事前研修はすべて参加すること、意欲的な子に参加してほしい……といったお話も。息子は話を聞いているうちに、「自分にはムリ!」とどんどん自信をなくしていきました。

さらに、夏休み直前の1学期の成績が基準に達していない場合はキャンセルになるという説明も。提出物をしっかり出す子はフォローができることもありますが、キャンセルになってしまう子の多くは提出物を出してくれない、というお話もありました。息子は提出物に自信がないこともあり、さらに自信を失ったようです……。語学研修には、「子供の覚悟」もかなり必要なことを学びました。

学校によっては、「英検○級以上の取得」を語学研修の参加条件とするところもあります。少人数プログラムの場合は、成績で参加可否を判断する学校も。語学研修が全員必修で参加なのか、希望制の場合は条件があるのかは、志望校選びのときに確認することをおすすめします。

「どんな国際教育を受けさせたいか?」を踏まえた志望校選びを

「国際教育」の取り組みは中高一貫校によってさまざまですが、“家庭ではできない学び”を中高6年間で体験できることは貴重です。また中高一貫校は高校受験がなく時間があるため、子供のやる気さえあれば海外の長期ホームステイに行くこともできます。ちなみにわが家は息子にホームステイをさせるか迷っていますが、来年も参加するチャンスがあったり、ホストファミリーとして受け入れる側にも回れたりと、「国際教育に関する選択肢が豊富なこと」は中高一貫校の魅力のひとつだと思っています。ホームステイや留学を子供にさせたいと考えていたり、海外の大学への進学も視野に入れている親御さんは、志望校選びのときにその学校の国際教育について詳しく調べてみてくださいね。

※記事の内容は執筆時点のものです

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